ハラビロカマキリの幼虫(終齢)
先日、オオカマキリ褐色型の終齢幼虫を掲載したので、ついでにハラビロカマキリ(Hierodula patellifera)の終齢幼虫も紹介することにした。但し、褐色型ではなく、普通の緑色型である。カラミンタ・ネペタに居たハラビロカマキリの終齢幼虫お尻は殆ど180度曲がって、裏側が表になっている(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) 実は、この個体、オオカマキリの幼虫を見つけるかなり以前から、カラミンタ・ネペタに棲み着いて居たのである。オオカマキリやコカマキリは放浪性が強いが、ハラビロカマキリは餌の良く来る所に定着する傾向がある。2週間以上も居て、1回脱皮して終齢に達し、数日経った所を写真に撮った。カラミンタの茎にぶら下がるハラビロカマキリの幼虫移動時にはお尻を伸ばしている(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) ハラビロカマキリは、これまで何回も掲載してきた。幼虫も初齢、2齢を紹介しているが、3齢以降の幼虫は我が家の庭では余り見たことが無く、写真に撮る機会が無かった。通例としては、デュランタが咲く頃になると何処からともなく成虫がやって来るのである。幼虫でも顔は一人前(一匹前)のカマキリしかし、オオカマキリよりは柔和「腕」はオオカマキリよりも太い(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) ハラビロカマキリ幼虫は、写真でお分かりの通り、お尻を上にピンと跳ね上げた格好をしているので、直ぐにそれと分かる。尤も、調べてみると、コカマキリの幼虫も若齢時にはお尻を少し上に曲げている様だが、ハラビロカマキリの場合は齢を増すにつれて、跳ね上がり方が段々顕著になるものと見える。ハラビロカマキリの「おにぎり顔」.単眼はやはり未発達(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) ハラビロカマキリ幼虫の顔写真を上に示した。やはりオオカマキリよりずっと表情が柔和である。私はこの丸味を帯びた顔を「おにぎり顔」と呼ぶことにしているが、読者諸氏は如何お感じであろうか。 「単眼」は、色が薄くて些か分かり難いが、左右の触角の間少し上に3個ある。しかし、オオカマキリ幼虫の場合と同じく、やはりレンズの格好はして居らず、まだ、単眼の原基の段階にあるらしい。翅の原基(翅芽).動き回る時しかお尻を伸ばさないので中々良い写真が撮れない.この程度で御勘弁を(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) 翅の原基(翅芽)も撮ってみた。しかし、最初の写真の様に、ジッとして居る時は、お尻を上に巻いているので、背側から撮ることが出来ない。移動する時は、腹部を伸ばす。しかし、細いカラミンタの枝は、カマキリの移動に伴ってかなり揺れるし、他の枝が邪魔になったりして撮影の機会が中々訪れない。上の写真は斜めだが、翅芽が一応見えるので、この程度で御勘弁頂きたい(何しろ直射日光下で、しかも、ヤブカに襲われながらの撮影なので、出来るだけ早く切り上げたいのである)。 当然、オオカマキリの翅芽とよく似ているが、後翅の先端は、オオカマキリ程尖っていない。横から見たハラビロカマキリの翅芽オオカマキリとよく似ているが比率として幅がかなり広い(写真クリックで拡大表示)(2011/08/11) 後翅の形の違いは、横から見ると、もっとハッキリする。前翅の方も、横から見ると、オオカマキリよりかなり幅が広く(比率として)、成虫の形態を反映していることが分かる。 このこのカマちゃん(我が家では、ハラビロカマキリは個体に拘わらず「カマちゃん」と呼ぶことにしている)が留まっているカラミンタは、庭の中でも、陽を最も長く強く受ける場所にある。そのせいか、酷暑になってからは余り虫も来ず、カマちゃんも何処かへ行ってしまった様である。 尤も、御覧の様に植物と殆ど同じ色をしているので、何処かに潜んでいて、こちとらが気がつかないだけなのかも知れない。 尚、ハラビロカマキリに関する他の記事に御関心の向きは、「昆虫(カマキリ)」と云うカテゴリーを設けてあるので、そちらを参照されたい。