サンザシ(赤花八重咲き)
今日は久しぶりに花を紹介する。赤花八重咲きのサンザシ、八重と云うのは本来私の趣味ではないが、シジミバナやこのサンザシの様な小さな花の場合は余り気にならない。赤花八重咲きのサンザシ.アカバナサンザシと云う品種らしい(写真クリックで拡大表示)(2010/05/03) 8年程前に園芸店から安く買って来て、鉢植えにしてある。変な盆栽崩れの株で、台木の直ぐ上には棘が生えているが、その上に棘のない種類が更に接いである。 サンザシはバラ科サンザシ(Crataegus)属に属す。講談社の園芸大百科事典を見ると、この属は北半球に1000種余りが分布するとある。しかし、保育社の図鑑には「北半球の温帯に200種」と書いてある。文献により酷い差!!、分類が混乱しているのだろう。花は小さく、直径1cmより少し大きい程度(写真クリックで拡大表示)(2010/05/02) それでは、我が家のこのサンザシは何と云う種なのだろうか。よく分からないが、先の大百科に拠ると、八重の赤花で棘がない園芸種は、メイフラワーとも呼ばれているセイヨウサンザシ(Crataegus oxyacantha)の変種で、アカバナサンザシと言うらしい。多分この辺だろう。私には、園芸品種の学名を調べる趣味はないから、これ以上は追求しないことにする。花を拡大.中央に雌蕊が1本見える(写真クリックで拡大表示)(2010/05/02) 八重だから、実は着かない。しかし、昔の我が家には白の一重のサンザシがあって、毎年赤い丸い実を沢山付けていた。見た目には中々風情があるが、食べても渋味があり美味しくない。しかし、支那ではこれを食用として珍重する(食用改良品種)。中国林業出版社の「中国果樹誌」シリーズには「山?巻」があり、142品種について詳細な解説がある。 支那のサンザシ加工品としては、実を潰して砂糖を加え乾燥させたもの(山?片、或いは、山?条)がよく知られている。何ともクドイ味だが、支那人はこう云う味が好きらしい。糖醋肉(酢豚)も、北京などで食べると、矢鱈に味がクドイ。蘇州明菜(有名料理)の松鼠魚も甘酸っぱい料理だが、もっとキョクタンに甘味が強く、日本人は閉口する。別の花.雌蕊は中央に2本?(写真クリックで拡大表示)(2010/05/03) 八重咲きと云うのは、雄蕊や雌蕊、特に雄蕊が花弁に変化したもの、と言われている。この八重のサンザシの花を拡大してみると、雄蕊は見えないが、雌蕊は多いものでは5本もある。図鑑の解説を読むと、サンザシ属は「心皮は1-5、合生するが、腹面と上部で離生する」とある。5本雌蕊があってもおかしくないことになる。5本の雌蕊があるが、1本は柱頭が隠れている(写真クリックで拡大表示)(2010/05/03) このところ天気はよいが気温は低い。水曜日の夜などは「木枯らし」が吹いていた。5月半ばと云うのに、今だに暖房を入れ、衣類も冬と殆ど変わりがない。もっと暖かくなって欲しいものである。