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2018.04.25
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カテゴリ:ミステリ書評
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異色の探偵作家の作品。
この女史は探偵小説というものが普通探偵が犯人を捜すものであるものを、一作目で被害者当てをやり、二作目で犯人と被害者当て、四作目では目撃者当てと、実に楽しい試みをしている。
三作目である本書での試みは、題名通り探偵当てだ。
つまり倒叙ものである。

ある若き美貌の夫人が病気がちで田舎の雪山でホテルを経営する夫を殺害した。
夫は今際の際に、妻の殺意に勘付いており探偵を雇って、その探偵がこれから証拠を携えて訪ねて来る事を言い残す。
そうしたところにホテルは休業中であるにも拘わらず、なんと四人もの客が訪れる。
夫は自然死に見えるように殺してある。
この場を切り抜けるには誰が探偵であるかを突き止め、始末してしまうしかない。
一体誰が、という話。
夫人はこいつが探偵だと当たりを付けて殺してみるも、殺した後で別の人物に探偵である根拠を見付けてしまう。
殺害、また殺害。
ついには常に寄り添い心配し引き留めてくれていた、共犯者の心優しき老女中まで殺害してしまう。
狂い転げる夫人。

夫人はあまりにしょうも無い理由で殺人を犯す。
それでいて自分の行為は全て正しいものと、典型的な確信犯の道を直走る。
この夫人の強烈な人物描写が素晴らしい。
とんでもない勢いで事態を悪い方へと展開させていく。
マクベスにもマクベス夫人にもなれなかった夫人は、およそ考え付く限りでは最低の惨めさに塗れて最期を迎える。
直向きに狂った女傑が物語を支えているのだ。
薄ら寒く笑えてくる。

ヒッチコックなんかが映画化したら面白そうな作品だ。
昨今の映画界もくだらん実写化などしてないで、どうせならこんな作品を実写化しなさい。
抜群のサスペンスだ。






最終更新日  2018.04.25 07:36:11
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