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カテゴリ:上橋菜穂子
守り人シリーズもいよいよ佳境に入る第五作目。 バルサとタンダは国家を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。 序盤では折角二人が落ち着いてデートをしていたのに、またもや困難が襲い掛かる。 幾度目の別離か、しかしそれがまた再開の場面を盛り上げる。 やっと会えた二人にはペリクリーズ並の感動がある。 しかし物語は再開しただけでは終わらない。 上橋菜穂子はいつでも試練を与える。 それでもバルサは、ついこの間まで赤の他人であった子供達の為に命を賭ける。 シリーズをこれまで読んでいれば、この事が全く安く感じられない。 バルサには人を救う強烈な動機があるのだ。 バルサは国家の行く末等考慮しない。 一人の苦しんだ少女として、一人の苦しんでいる少女を救うのだ。 極々個人的な動機、これが良い。 目先の救いを求めれば良いのだ。 それは小さな流れがやがて大海となるように、いずれは大局的な救いをもたらす。 しかしいつも思うのは、誰よりもバルサに救われてほしいという事だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.04.21 07:52:00
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