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カテゴリ:SF小説
遥か未来動植物が異様な進化を遂げ、人が主役でなくなった世界。 そんな作品群の生みの親。 地球が自転を止めてしまった影響で植物が異常進化、異常繁殖し、地球の陸地を牛耳った未来。 僅かばかりとなった人間は、火を操る靫葛や、乱舞する剣となった柳、さらには地球と月を行き来する蜘蛛形植物や大地を求めて海を歩く移動植物等といった植物に怯えながら細々と生きていた。 植物が宇宙旅行とはなんという想像力だ。 しかも第一部では、ある人間のグループはそれにより月に行って、高次元の存在へと進化する。 第二部からは月に行かなかった人間の視点で物語は進み、なんと早々に茸に寄生されて体を乗っ取られる。 始めは共生関係にあったものだが、当然だんだんと人間の方が茸の存在を疎ましく思う。 しかし茸の意のままに壮絶な地球を冒険させられ、行く先々で必ず絶望的な困難に遭遇する。 そして最終的には滅亡の途にある地球の運命の中で、それぞれがそれぞれの選択をして物語は終わる。 道中は登場する連中の殆どが阿呆か外道かその両方なので、とにかくサスペンスフルだ。 冒険譚としては最高。 読んで想うのは、地球に於ける人間の価値と、無邪気な善悪、そして自己で選択する事の意義。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.07.01 08:00:02
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