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2018.04.01
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カテゴリ:国内ミステリ
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加納朋子氏による処女作で、鮎川哲也賞受賞の一作。
所謂日常の謎を扱ったもので、全編通して柔らかな印象を覚える。
作中では主人公の駒子が偶然手にした「ななつのこ」という日常の謎を扱った小説が登場し、その作中作の謎と本筋の物語で起こる謎めいた出来事が各話でそれぞれ語られていく。
その為謎の数はかなり多く、それがこの作品の最も楽しいところだ。
但し、物語としては抜群に温かいが、ミステリとしては少々薄味に感じられた。
本作はミステリとして読むよりは、駒子を中心とした良質な「お話」として読むのが良いだろう。

「スイカジュースの涙」
作中作のスイカ泥棒の謎も、近所に点々と続く血痕の謎も、どちらも些細な謎が苦い後味を残して解きほぐされる。
どちらかというと盲点を突く前者の方が良く出来ているか。

「モヤイの鼠」
作中作の金色鼠、画廊の絵画のすり替え、両方共に謎は面白いが真相は小粒であった。

「一枚の写真」
作中作の青色の絵具紛失事件は実に爽やかなものだった。
真相は意外でもないのだが、ここへ来て初めて問答無用の良い話だ。
一方紛失したはずの一枚の写真が突然送られてくる謎は、物語としては良いものの、論理展開に疑問がよぎる。

「バス・ストップで」
やっぱりお話は良いがミステリとして読んだら論理展開に難がある。
作中作の方も本筋の方も両方物足りない。

「一万二千年後のヴェガ」
盗難事件が起こる為、それまでの物語よりもミステリとして期待してしまう。
盲点を突いたトリックは面白い。
作中作の方はやっぱり良い「お話」。

「白いタンポポ」
お話としては今作中で最良のものだ。
ミステリの方も作中作、本筋共に物語の温かみに寄与している。
巧いこと彩りを添えるものだ。
想像力の無い奴だけが想像力を否定する。
人と違うという事は即ち豊かであることなのだ。

「ななつのこ」
この話にてこの一冊が連作集だという事が解る。
お話としては実に爽やかな結末だ。
皆幸せ。





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最終更新日  2018.07.26 04:30:19
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