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2018.06.11
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カテゴリ:クロフツ
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本格ミステリ黄金期を代表する巨匠F・W・クロフツの、長編三十四作品中の三十二作目に位置する作品。
後期の代表作と言える。
氏の後期の特徴として、前期に比べ社会性や人間が書き込まれているという点がある。
本作もまさにそうであり、小説として素晴らしい出来栄えとなっている。

先ず一組の貧しい恋人がいる。
男は欠陥に塗れており、目先の金の為に己は手を汚さず、女に詐欺を働かせる。
女は二人の未来の為に仕方なく引き受ける。
成果が挙がり男はより条件の良い職場に就職する。
一方女は、目的を達成した後もただだらしなく詐欺を続けさせられる。
女と離れた土地で就職した男は富豪の娘と関係を持つ。
自分の為に汚らわしい詐欺まで働いた女を捨て、莫大な遺産を相続する娘に寄生しようとするのだ。
或る日結婚するのに邪魔だった富豪が死ぬ。
どう見ても自殺である。
しかし男の不貞を知った女は、あまりに時機の良い富豪の自殺に疑問を持つ。 
ひょっとして彼が殺したのではないか。
しかしそれを暴こうとして、逆に自らの詐欺行為をバラされては堪らない。
しかも実行犯は自分だけで、男は罰を受けない。
どうにかして事件を調査出来ないか。

共犯と裏切りの構成が良く練られている。
そして視点人物である女が堂々と捜査に乗り出せないのが巧い。
男には悪党の自覚が無いのも良い。
そして事件はどう見ても自殺に見える。
見事な構成と人間関係、持続するサスペンス、堅牢な自殺説、そして捻られた結末。
素晴らしいミステリだ。
しかも相変わらずフレンチは好感が持てる。
氏のこれまで読んだ作品中でも、「クロイドン」に次ぐ良作。






最終更新日  2018.07.26 04:28:30
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