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2018.06.22
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カテゴリ:島田荘司
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大好きな吉敷シリーズの第二作目。
大阪から山陰の駅に流れ着いたバラバラにされた女の四肢と胴体。
首以外の部位が切断されて列車に乗せられるという猟奇殺人を警視庁の吉敷竹史が捜査する。
相変わらず現実的な世界観の中にとんでもない謎を設定する。
濃密なトラベルミステリは、今度も抜群の面白さを誇った。

山陰は出雲が事件の鍵となる今回の事件は、出雲の神話が重要な役割を持つ。
出雲伝説と言えば誰もが知る有名なものであるが、だからこそわざわざ詳しくは調べてはいず、とても興味深い読書体験となった。
今度の謎は幻想的というよりも猟奇的であり、いつもの著者お得意の幻想味は始め薄いように感じられたが、神話を絡ませる事でただのサイコミステリとは一線を画している。

トリックも非常に練られたもので、氏独特の切れ味鋭い一発大技トリックではないが、その分より周到な緻密なものになっている。
それでいて難解でもない。
氏の著書はどれだけ複雑な物語となろうと、いつも読み易い。
壮大な謎、圧巻のトリック、優れた人間関係の描写、豊穣な物語性、それらを保証しながら常に平易であるとは、如何に凄い事か。

吉敷シリーズ、堪らない。





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最終更新日  2018.06.22 08:05:40
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