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2018.07.17
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カテゴリ:鮎川哲也
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鬼貫警部ものの短編集。
魅力的な謎有り、精緻なアリバイ崩し有り、練られた顔の無い屍体有りと、背筋の伸びる作品集である。
「誰の屍体か」「五つの時計」「首」が特に面白かった。
ベストはトリックが楽しかった「五つの時計」。

「白昼の悪魔」
中川透名義最後の作品。
湿原で一人の女性が殺された。
現場にははっきりとした手掛かりが残されており、犯人と目される男が浮上する。
一挙に解決かと思われたが、ここに私立探偵や新聞記者からのたれ込みが出てきて事件は錯綜する。
アリバイトリックは少々物足りない。
結末も取って付けたようなものだ。

「誰の屍体か」
或る三人の美術家のもとに硫酸の空き瓶、発射された拳銃、ビニール紐が送られてきた。
送り主を訪ねるがそんな物は知らないと言う。
そして或るビルの地下で、首の無い屍体が発見される。
屍体には硫酸で指紋が焼かれ、拳銃で撃たれ、紐で首を絞められた跡があった。
屍体は誰で、犯人は誰なのか。
魅力的な謎、練られた顔の無い屍体のトリック、巧みな構成、良く出来た作品だ。

「五つの時計」
緻密なアリバイ崩し。
複雑にして明朗なトリックが使われている。
犯人の解りきったアリバイ崩しの作品で、これだけ興味を持続させる著者の力量に感服だ。
サスペンスの巧みな使い方が冴える。

「愛に朽ちなん」
「黒いトランク」を彷彿とさせる作品。
現代人には推理し難いトリックが使われている。
勉強になる。
不可能性と意外なトリックの組み合わさった秀作。

「古銭」
箸休めの小品。
さりげない手掛かり一つをもとに、アリバイが簡単に崩れる。

「金貨の首飾りをした女」
凝ったアリバイ。
トリックに大勢の人間が絡み過ぎである。

「首」
顔の無い屍体の問題。
凝っただけでなく解り易いトリック。
序盤の連続する不可解な悪戯電話が泡坂妻夫っぽくで面白い。





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最終更新日  2018.07.17 15:11:08
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