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カテゴリ:笠井潔
矢吹駆シリーズ第三弾。 はらばらにした複数人の部位を結合させて、両性具有の肉人形を造るという猟奇殺人が扱われる。 バタイユの普遍経済学による聖なる悪と、駆の語る悪なる悪の哲学論は大変興味深かった。 手段の目的化は危ういものだ。 ミステリとしても本書も一級品であった。 不在証明の必要の無い人物が、何故不在証明を偽装しなければならなかったかという魅力的な謎。 駆の語る推理は論理的で読み応え充分である。 殺害方法を凝らしたアリバイトリックが出来が良く、ミスリードも巧く犯人は意外な人物となっている。 狂気と正気の融合によって起こる事件は、たった三百五十頁とは思えない程の読後感を残してくれた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.18 07:03:58
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