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カテゴリ:海外ミステリ
怪盗もので抜群の知名度を誇るシリーズの第一弾。 ホワイダニットに主眼を置いた作品が並ぶ。 ベストは「プールの水を盗め」。 「斑の虎を盗め」 動物園から、わざわざ太陽の昇っている時間に虎を盗む謎が魅力的だ。 ドイルはこれを探偵の側から書いたが、氏は怪盗の側から書いた。 「プールの水を盗め」 ある邸宅のプールから水を一万九千ガロン盗む。 とても魅力的な謎に対して、とても魅力的な解決があった。 「おもちゃのネズミを盗め」 安価な玩具を盗むのに二万ドルの報酬。 犯人はあまり賢くないが、最後のニックが格好良い。 「真鍮の文字を盗め」 ビルの壁に書かれた社名から三つの文字を盗めという依頼。 盗った文字にしろ残った文字にしろ意味有り気な言葉になっているのがミソである。 「邪悪な劇場切符を盗め」 既に上演し終えた芝居の切符を盗めという依頼。 その芝居は確かに上演し終えているのに、切符はまだ売られている。 魅力的な謎だ。 「聖なる音楽を盗め」 教会の壁に取り付けられた巨大なパイプオルガンを盗めとの依頼。 ニック曰く、不可能だが出来ないとは言わない。 「弱小野球チームを盗め」 大リーグのチームを一つ盗めという依頼は魅力満点だ。 方法は些か拍子抜けで西村京太郎のそれには劣るが、ホワイダニットが派手で楽しめた。 「シルヴァー湖の怪獣を盗め」 UMAを盗めと依頼を受けたニック。 目撃情報は多数有るが、一体本当にそいつはUMAなのか。 今度はホワットダニットだ。 「笑うライオン像を盗め」 ミステリ性というよりも物語を楽しむ話。 「囚人のカレンダーを盗め」 ホワイダニットよりもハウダニットに主眼を置いたアクション作品。 「青い回転木馬を盗め」 同上。 「恐竜の尻尾を盗め」 価値の無い恐竜の尾骨に、如何なる価値があるのか。 「陪審団を盗め」 怪盗が探偵小説をやった。 「革張りの柩を盗め」 捻りを効かせた展開が良し。 「七羽の大鴉を盗め」 ニックを雇う必然性に疑問有り。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.09.20 03:09:43
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