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カテゴリ:鮎川哲也
鬼貫警部ものの長編。 氏の作品中でも有名なものだ。 社会派ミステリ全盛の時代に上梓された、社会派ミステリの流れを汲んだ本格ミステリである。 偽装心中に端を発する物語は見事なアリバイ崩しの傑作となっている。 鉄壁のアリバイが幾度も現れ、現れる度に捜査は暗礁に乗り上げ、その末に漸く訪れる崩しは実に爽快だ。 真相は本格ミステリの醍醐味を感じさせるもので、地味で退屈とも形容される作風の物語の最後に一際輝く彩りを添えている。 しかも、そのまま読んでも良し、勘繰っても良しな要素も用意されているのだ。 読後感も、氏の作品中でも屈指のものとなっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.10.14 04:59:42
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