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七代目ちぃのブログ

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2018.11.02
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特殊設定の使い手として名声を得ている我が同郷の人気作家の最新刊。

入院中の作家横江継実の下に刑事が訪ねてくる。
殺人事件があり、犯人が自首してきたが、動機だけは頑なに語らない。
どうしてもと言うなら横江継実に聴けという。
犯人は少年時代の友人ヒロの息子だというが、彼とは四十年も会っておらず、ましてやその息子とは一度の面識も無ければ存在すら知らなかった。
そして被害者はこれまた四十年没交渉である少年時代の友人、ジミタである。
一体どういう事なのか、横江は「幽霊」と相談してミッシングリンクを解き明かす。

幾つかの視点で少年時代が描かれるが、これが亦事件に満ちた過去である。
狂った叔父による殺人事件、迷宮入りの放火とそれによって死んだ少女、アブノーマルで複雑な婚姻関係、友人の過去を暴く為の罠、淫靡な継母の事故死等、一族を錯綜した出来事が覆っている。
しかも語られる視点によって記憶が違っているのだ。

冒頭で訳の解らない謎が提示され、中盤では信用性の無い複雑な過去が語られ、何がどう問題になってどう繋がりどう解決するのか全く解らない。
著者は幽霊が見えるという設定を巧く使って、意外な真相を描いている。
トリックそれ自体は前例の無い訳ではないだろうが、それを巧く扱っているのだ。
このトリックは非常に危ういもので、使い方が悪ければ非難囂々となること請け合いで、良くて賛否両論といったところである。
本書に於いては、その危うさを物語性という鎧で保護している。
この物語にはこのトリックは合う。

特殊な設定、軽やかで愉快な文体、意外な真相という著者の持ち味がよく発揮されており、尚且つ横溝正史を思わせるところもあるという、お得な作品だ。
アキーム・オラジュワンのドリームシェイクよろしく何が出て来るか解らない氏の作風は、本当にわくわくさせられる。
氏の作品中でも特に傑作の「七回死んだ男」「人格転移の殺人」「聯愁殺」の牙城を崩す程とまではいかないが、本書も楽しい一冊であった。






最終更新日  2018.11.02 07:27:36
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2018.08.05
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船の上で起こる不思議な殺人事件を描いたH.M卿の活躍譚。

乗客の一人が、船室で首を掻き切られて殺された。
現場には被害者の血で作られたよく目立つ指紋が幾つも残されていて、犯人はすぐに判明すると思われた。
しかし乗員乗客全員を調べても現場の指紋と一致する者は見つからなかった。
存在しない殺人者の存在する指紋。
そのトリックも面白かったが、何より面白いのはトリックを仕掛けた犯人の意図と全く違う効果を発した事である。
犯人の予期しない事が起こり、その為に事件は混迷の一途を辿る。
この謎はかなり特殊で面白い。

カーの特徴の第一と考える魅力的な謎は今度も素晴らしく、軽やかにサスペンス溢れる道中もまた安心安全のカー印、あとは解決が見合うかどうかだがそれは本書の場合申し分なかったと思う。
H.M卿シリーズの中でも上位に位置する作品と言えるだろう。






最終更新日  2018.08.05 05:09:17
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