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七代目ちぃのブログ

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有栖川有栖

2020.09.30
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カテゴリ:有栖川有栖






作家アリスシリーズにして国名シリーズの新作。
今度の舞台はインド・・・ではなく神戸だ。
アガスティアの葉によって命日が予言され、それに呼応したように殺人が行われる。
前世の記憶を語るインド倶楽部会員の間で予告殺人が起きたかという魅力的な事件に、火村とアリスが挑む。

相変わらず丁寧な論理的思考と、見事過ぎるホワイダニット。
著者は凄い事件を拵えたものだ。
このホワイダニットは忘れられない。






最終更新日  2020.09.30 04:29:44
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2018.11.03
カテゴリ:有栖川有栖
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国名シリーズ第四弾の短編集。
全作一発のアイディアに頼ったものばかりで、軽い箸休め的作品。
遊びの文学を地で行く玩具箱のような印象。
良い意味で。
ベストは「竜胆紅一の疑惑」。



「雨天決行」
意外な事柄が真相に導く。
単純な一発ネタではあるものの、巧みに論理付けされており、楽しめた。

「竜胆紅一の疑惑」
推理を絡めたサイコサスペンス。
絶対確実な論理性は無いが、それを利用してサスペンス色を押し出している。

「三つの日付」
アリバイ崩し。
そんな僅かな可能性の偶然に頼って・・・と思ったら、最後に一捻りがあった。

「完璧な遺書」
倒叙もの。
遺書偽装トリックを火村が暴く。
犯行の詰めが甘いのは始めから明らかだったが、決定打が意外だ。

「ジャバウォッキー」
精神異常者の言葉遊びの解明。
狂人には狂人の論理があるものだ。

「英国庭園の謎」
探偵小説の浪漫の一つである暗号もの。
暗号を用いた宝探しの最中、殺人事件が発生する。
捜査に訪れた有栖と火村が犯人に先んじて暗号を解き宝を探し当てると、犯人が明らかになる。
暗号って、やっぱり楽しい。






最終更新日  2018.11.03 06:15:32
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2018.10.21
カテゴリ:有栖川有栖
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作家アリスものの作品集。
ベストは魅力的なホワイダニットの「地下室の処刑」。



「不在の証明」
捻りのあるアリバイ崩しが主眼の作品。
被害者と加害者の関係が様相を変える展開は面白い。

「地下室の処刑」
ホワイダニットの作品。
テロリストに捕らえられた刑事の前でスパイの処刑が行われようとしていた。
その直前、スパイは何者かによって毒殺される。
何故放っておいても殺される運命にあった者を、その直前に殺さなければならなかったのかという魅力的な謎。
真相は成る程と膝を打つものだ。

「比類のない神々しいような瞬間」
ダイイングメッセージもの。
平成生まれには解けない問題。

「白い兎が逃げる」
中編。
ストーカー問題と鉄道によるアリバイトリックを扱ったフーダニット。
一見堅牢に見えるアリバイが、あまりにも簡単な心理トリックだったというのは面白い。






最終更新日  2018.10.21 07:25:37
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2018.08.22
カテゴリ:有栖川有栖
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二〇〇三年出版の国名シリーズ。
氏はこれまで短編よりも長編という印象であったが、これは度肝を抜いた。
表題作は作家アリスものの全作品中でも確実に一番だ。



「あるYの悲劇」
マイナーバンドのギタリストが、自宅に於いてギターで撲殺された事件。
ダイイングメッセージが自然に扱われていた。
多少無理があるダイイングメッセージだったが。
意外で難解なトリックも面白かった。

「女彫刻家の首」
女彫刻家がアトリエで殺された。
なんと、首を斬られて代わりに彫像の首が置かれていた。
魅力的な謎だ。
彫像の首を置いた真相は少し必然性不足に感じられたが、首を斬った理由は手掛かり不足ながら意外なもので面白かった。

「シャイロックの密室」
倒叙もの。
興味はハウダニットに尽きる。
密室トリックには二つの物が使われている。
一つは密室の現場に残されたものであるが、これは盲点だった。

「スイス時計の謎」
~ネタバレ有り~
和製エラリー・クイーンの真骨頂。
論理の美しさがこれでもかと描かれている。
容疑者は被害者と高校時代に同好会を作っていた五人で、全員会員の証として同じスイス製の腕時計をしている。
容疑者の一人が腕時計の裏にイニシャルを彫ったが、それは賛否両論であった。
この事件は論理的に、明快に解決される。
被害者は腕時計を奪われており、現場には割れた風防の破片があり、件の一人以外はイニシャルの彫ってある腕時計は嵌めていない。
たったそれだけの事で。
氏の最高傑作と信じて疑わない第二長編「孤島パズル」を彷彿とさせる明快なロジックだ。
長編のベストが「孤島パズル」だとすると、短編中編のベストは間違いなく本作である。
古今東西の短編のオールタイムベストでも上位に入る。
大傑作。






最終更新日  2018.08.22 06:39:07
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2018.08.15
カテゴリ:有栖川有栖
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作家アリスものの長編。
無の烏飛び交う孤島が舞台となるクローズドサークルミステリだ。
クローン技術や、ポーが物語を彩る。

人々の秘密も、悪巧みも、火村が論理の力で打ち破る。
本書では珍しくアリスも格好良かった。
容疑者達と明確に対決の様相を呈し、サスペンスフルで楽しかった。






最終更新日  2018.08.19 11:18:52
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2018.07.26
カテゴリ:有栖川有栖
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国名シリーズ第三作目。
短編集である。
ロシア紅茶よりも良かった。
ベストはシリーズ初短編となる「人喰いの滝」。
次点で「彼女か彼か」。

「ブラジル蝶の謎」
殺害現場の天井に、蝶が飾れていた。
美しい謎。
携帯電話の論理は明快だ。

「妄想日記」
ある家の庭での焼死事件。
精神病を患っていた被害者は自ら創作した文字を用いて日記をつけていた。
そして部屋には密かに家中から持ち込んだ米、塩、玉葱、手鏡、財布があった。
床には無秩序な線だらけの落書き。
日記の解読、家中から持ち込んだものの共通点、落書きの意味・・・謎が目白押しだ。
特に家中から持ち込んだものの真相は魂消た。

「彼女か彼か」
誰が見ても美少女にしか見えない女装した美少年が殺された。
容疑者の供述を聞く内に火村はある矛盾に気付く。
呆れる程簡単で、それでいて巧みなミスリードによって盲点となる矛盾。

「鍵」
何じゃその落ちは。
発見された小さな鍵は何の鍵か。
もう一度、何じゃその落ちは。
ふふっ。

「人喰いの滝」
人を次々に飲み込む滝。
滝の手前にある崖で墜死した老人。
雪の積もった崖までの道には、老人の片道の足跡しかなく、しかもその足跡は誤って滑り落ちた形跡も無かった。
では自殺かというと、それまでの老人の言動からどうしても自殺したとは思えない。
事故にしては足跡に問題が有り、自殺にしては生前の言動に問題が有り、他殺だとすると足跡から方法に問題が有る。
本当にこんなに綺麗に出来るかどうかは疑問だが、このトリックは面白かった。

「蝶々がはばたく」
大阪圭吉の「とむらい機関車」のように電車内で出会った人から不思議な話を聞くというもの。
その人は途中で降りてしまい、問題編だけ聞かされた有栖は火村に相談する事となる。
トリックは大技であるが、完全に偶然の産物である。
白眉はこのトリックを活かして描かれる物語性にある。
書くのが辛かったという氏。
しかし考え得る限りで、最高の締め方ではないか。






最終更新日  2018.07.26 10:56:40
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2018.07.15
カテゴリ:有栖川有栖
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作家アリスものの作品集。
ベストは表題作。

「長い廊下がある家」
東西に別れた家を繋ぐ長い地下の廊下道。
曰く付きの心霊スポットにやってきたオカルト記者達と、道に迷って辿り着いた大学生。
大学生を交えて取材を行った翌朝、「長い廊下」で屍体を発見する。
しかし廊下の真ん中にある扉は片側から施錠されており、現場は密室となっていた。
密室の謎と、アリバイの謎。
有栖が大胆な推理を働かせ、火村がそれを現実的なものに整える。
大胆なトリックは面白かった。

「雪と金婚式」
雪の足跡の問題。
アリバイ崩し。
こんな簡単なトリックが判明しない為に、一工夫がある。
お洒落な結末。

「天空の眼」
心霊写真から始まる不幸の連鎖は、一人の男の転落死へと繋がる。
珍しく有栖が一人で解決する話。
殺人の動機が面白い。

「ロジカル・デスゲーム」
数学の問題。
当たりが一つある三つの中から一つを選ぶ。
次にまた選ぶ。
当たる確率は如何程に。
デスゲームを展開させる事で、ただの数学問題をサスペンスフルな物語にしているのが良い。
火村、格好良い。






最終更新日  2018.07.15 06:51:46
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2018.01.23
カテゴリ:有栖川有栖
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作家アリスものの最新長編。
学生でも作家でもアリスはいつも瑞々しい。
著者は常に真っ向勝負の本格の良心である。
現役最高のパズラーだと信じている。

第一の被害者は首に矢が貫かれており、尚且つ右手が切り取られていた。
第二の被害者は左手が切り取られていた。
一見して異常なそんな状態に何故しなければいけなかったのか、論理の光が鮮やかに照らし出す。
また、犯人特定の場面に於いて、他の誰もが物理的に可能だったが他の誰もがそんな事をする必要がなかったというのが、非常に魅力的だった。

著者の作品群ほぼ全てに当て嵌まる事であるが、犯人との対決の場面が実に素晴らしい。
今作もアリスの熱い想いが感動を誘った。






最終更新日  2018.01.23 07:31:37
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2018.01.01
カテゴリ:有栖川有栖
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敬愛心酔する有栖川有栖氏の作家アリスシリーズの長編。
但し長編と言っても二年の間を空けて別々に同誌に掲載された二つ中編に、「幕間」を挟んで一つの長編としたものである。
しかし連作の感は全く無く、二つの事件は見事に有機的に絡み合い素晴らしい繋がりを見せている。

二つの事件のどちらにも中心人物として関係してくる「妃」こと妃沙子は、第一の事件を読んだ後と最後まで読んだ後ではその印象を少なからず異にする人物として描かれている。
始めは好色な中年年下好きイカれ女としか見られない。
若い男達を何人も囲っているのだから当然だ。
そんな性質が災いして、どちらの事件でも悲劇が起こるのだ。
第一の事件の真相は古典的なトリックを巧く使ったもので、読後感最悪の人間的捩れが面白い。
第二の事件は氏の真骨頂である論理展開によって導かれる。
たった一つの手掛かりから、あれが必要だったのはあなた以外にいないという解明編は、実にすっきりと纏まっている。

また新キャラの高柳真知子巡査長が良い味を出していて、これからもちょくちょく登場させて欲しいと思った。






最終更新日  2018.01.01 06:00:39
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2017.12.06
カテゴリ:有栖川有栖
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和製エラリー・クイーンこと私が信奉心酔する有栖川有栖による長編本格ミステリ。
「作家アリス」もので、国名シリーズの第六弾だ。
文庫で約五百頁と氏の作品としては比較的長大な部類に入る。

舞台はマレーシアの楽園、キャメロン・ハイランド。
物語は列車事故から始まる。
旧友の営むゲストハウスに招かれたアリスと火村は暫しのバカンスを謳歌する。
そしてやっぱり遭遇するのだ、事件に。

今度の事件は三つの連続殺人事件で、しかも第一の事件はカーばりの目張りの密室だ。
現場のトレーラーハウスは全ての扉と窓に内側からテープが張られていた。
このトリックは面白かった、それも抜群に。
けっこうな大技である。
そして第二第三の事件も、単発で見ると大したものではないものの、第一の事件と絡み合って非常に魅力的なものとなっている。
しかしこの作品の素晴らしいのは何もハウダニットだけではない。

フーダニットとしては私が想像した解決は呆気なく否定されて、最後に明らかにされた犯人は予想もしていない人物だった。
そして語られるホワイダニット。
まさかこんなに悪辣な真相とは。
それまでキャメロン・ハイランドの人々がとても良く描かれていた為、裏にそんな事があったのかと大きな印象を残した。
悪辣な犯人の最期も実に味わい深いものだったし、最後の最後にはさらに一捻りがあった。

とにかくトリックと物語性の優れた作品だった。
氏の作品は登場人物達が魅力的で困る。
いつも読後感が良い。
作中で言及された藤村操のように不可解を不可解として終わらせず、またジム・トンプソンのように雲散霧消する事無く真相を明らかにし、正に「ただの本格ミステリ」を現代に提供してくれる貴重な作家だ。
Alice in Mysteryland .






最終更新日  2017.12.06 07:20:58
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