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七代目ちぃのブログ

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海外書評

2019.05.04
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カテゴリ:海外書評






「マダム・エドワルダ」
何と惨めな作品か。
崇拝する神は愚か者だが、その愚か者を崇拝する男は果たして愚かか。
崇高と信じる己が、崇高なる憧れを安物に掠め取られる現実。
惨めさを慰めるのは、惨めさの上塗りと想像力しかない。

「死者」
死ぬ前の饗宴(狂宴)。
どれだけ乱れても恥をかいても死があるから安心という訳だ。
昔、エイズ患者が絶望して行きずりの相手と体を重ねて回ったという話があったが、それを思い出した。

「眼球譚」
倫理観は脆い。
それは全体の為のものだからだ。
人間は全体主義になりきれない為に倫理に刃向かう。
倫理的でない事には悍ましさと同時に美しさもあるから、刃向かう欲求を捨て去れない。
汚い事や酷い事は楽しい事である。
それは単に加虐趣味や被虐趣味といった事ではなく、人が人類として社会を形成するにあたって必要な要素なのかもしれない。
蜂や蟻には必要の無い要素。

「エロティシズムに関する逆説」
以下、気に入った文。
エロティシズムについてけっして真実を語ることはできない。
エロティシズムの描写には更新の可能性がない。

「エロティシズムと死の魅惑」
以下、気に入った文。
エロティシズムは禁制のうえに基礎づけられる。(でなければ)動物とおなじかたちでしかエロティックでありえず、そして私たちにとって本質的なものに到達することはできないでしょう。






最終更新日  2019.05.04 04:33:16
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2019.04.14
カテゴリ:海外書評







名著の誉れ高い一冊。
魔術的リアリズムという手法によって書かれたという事くらいしか知らなかったが、読んでみて納得である。
確かに魔術的だ。
しかしながら、読み終えた今思うのはそんな文学的な事ではない。
とにかく楽しかったという事だ。
一つ一つが豊かな小さな物語が群れを成して、大きく豊かな一つの物語を形作っている。
物悲しさや惨めさ、残酷さ等が散りばめられているが、無惨で可愛らしい愛の失敗とも読めた。
何はともあれ、一時の蜃気楼のような作品である。






最終更新日  2019.04.14 06:00:34
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2018.10.09
カテゴリ:海外書評
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ドイツが産んでアメリカが育てた無頼の作家。
「酔いどれ詩人」だとかそういう言葉はこれまでの人生で何度か耳や目に入ってきていて、氏の事は知っていたし、何となく迫力のある凄い作家なんだなと思っていた。
本書も近くの書店で目にして以来、史上最低の私立探偵という文句に惹かれ、時々購買の意欲を見せていた。
何がきっかけか、買ってみた。

主人公は私立探偵。
以来の電話が女からなら声をおかずに抜き乍ら聞くような奴で、仕事が立て込んでいてもとりあえず競馬場に行くような奴だ。
素寒貧の男の許に突如として殺到するようになった依頼は、どれもがおかしなものだ。
何年も前に死んだ筈の男が本当に死んでいるか調べろという依頼に、赤い雀を探せというただそれだけの依頼、かと思えば単純な素行調査、果てには宇宙人まで登場してちんぷんかんぷん。
競馬場と酒場を間に挟み乍ら調査をするが、この男、全く巧くいかない。
失敗に恥を塗って徒労する。
だらだらとし乍らも漸く解決したかと思えば、それは全く男の実力ではない。
偶然によって無理矢理何とかなるのだ。
そうして誰でも解る罠に自身気付き乍ら、何の手立てを構える事もなくはまっていき、物語は異様な終幕を迎える。

男は駄目人間として描かれているが、途轍もなく優しい感性を持った人物としても描かれている。
この世で唯一の良識として。
氏はなんと優しく暖かい物語を書くんだと思った。
物語全体の流れは無茶苦茶なものだが、端々に男の人間賛歌が見える。
夢野久作の「少女地獄」を読んだ時にも感じたものと同じものを感じた。
あまりに優しくて、だからこそ優しくない有象無象に対して厭世観や怒りが湧いて、しかし世の中有象無象の方が圧倒的多数なのだから自分の方が脱落していくのだ。
この世ではこの主人公のような男こそ認められないのだ。
人間世界は本来素敵なものなんだと声を張り上げている作品。

氏の作品は初めて読んだが、これが遺作との事である。






最終更新日  2018.10.09 06:22:23
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2018.02.15
カテゴリ:海外書評
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近代ロンドンに於いて、魔術師養成学院を主席で卒業した少女が不本意乍ら人気の無い「紙の魔術師」になるところから物語は始まる。
卒業後、冴えない奇人の若先生の下で研修が始まるが、紙の魔術も先生も何だか気に入らない。
然し、気の進まない研修を続ける内に、紙の魔術と先生の魅力に気付き始める。
そして或る時事件が起こる。

魔術学院、人気の無い役立たずの魔術系統、おかしな師匠、禁断の魔術師との闘い等、お約束のような設定と展開。
折り紙に命を吹き込む紙の魔術という設定は面白いが、何か深みが足りない。
魔術師との戦闘も意外な闘い方で登場人物の掘り下げに効果を上げているが、掘り下げられたものはあくまでも想像の範疇。
魔法有りロマンス有り闘い有りで、軽やかで読み易いのは良いのだが、深い感動をもたらす作品とは言えない。
二作目「硝子の魔術師」三作目「真実の魔術師」と続く三部作で、三作共にディズニーが映画化権を得たという事であるが、良くも悪くもそういう作品である。
確かにディズニーにはお似合いの、深くはないが解り易い話だ。
頁数も少なく、ハリー・ポッターが軽くなってロマンスを強めたらこんな作品になるだろうといったところ。
紙の魔術という設定は面白いし、極々軽い読み物が暇潰しに欲しいそんな時、次作を手にするかもしれない。
少年少女達には良いと思う。






最終更新日  2018.02.15 06:10:33
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2017.11.16
カテゴリ:海外書評
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「レッドクイーン」に続いてハーパーBOOKSの海外ファンタジー。

舞台は王政を倒したクーデターによる国家。
厳格な行動規範によって秩序が取り締まられている。
主人公は女性殺人犯。
死刑執行か最高司令官の毒見師となるかの選択を迫られるところから物語は始まる。
毒見師イレーナの物語は陰謀、冒険、疑心暗鬼、サスペンス、友情、ロマンス等に彩られ、抜群に豊かなものとなっている。
人の恐ろしさと温かさが実に濃厚に描かれている。
皆が苦しんでいるのだ。
皆が闘っているのだ。

ここ最近、とにかく良質なファンタジーに出会う。
ファンタジーは想像力の根源だ。
次はどんな物語が僕を待っているのか。

ハーパーBOOKS、要注目のレーベルだ。






最終更新日  2017.11.16 07:30:02
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2017.09.15
カテゴリ:海外書評
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ドイツの文豪ヘッセによる半自伝的に反抗や教育、人間関係を描いた作品。
周囲に順応出来ない少年ハンスの気持ちがよく解り切なくなった。
題名がまた涙を誘う。
現代に於いても未だ解決していない人間関係の問題を扱っている。
必読の一冊。






最終更新日  2017.09.15 09:18:58
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2017.05.07
カテゴリ:海外書評
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アメリカを始めとしてベストセラーとなった傑作ファンタジー小説。
著者は大学でシナリオを学ぶと卒業後この作品を書き上げた。
それは差別階級の少女が駆ける支配階級への反逆の物語だ。

徹底的な人種差別が横行する世界で悲しみを背負い生きてきた少女は、ある日支配者階級だけが持つ能力、否、誰も持ち得ない程の能力に目覚める。
そして王族達の策謀にまみれて、突然王女として生きていく事となる。
差別、謀略、革命への蠢きの中で翻弄される少女。
愛した人を裏切り、愛した人に裏切られ、少女は闘う。

これは単純な苦悩する主人公を応援しながら読むような話ではない。
何が正しいのか、誰が正しいのか解らない中で、ただ必死に足掻く主人公を見つめる話だ。
何もかもが間違っている。
とても辛い話。
こんな世界に誰がした。






最終更新日  2017.05.07 06:53:23
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