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七代目ちぃのブログ

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綾辻行人

2018.07.21
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カテゴリ:綾辻行人
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全十作を予定されている国内本格ミステリ最重要シリーズ、「館シリーズ」の第九巻。
初期の作風に回帰したような、館シリーズに於けるど真ん中の作品だ。

今度の館は奇面館。
その館では全員が鍵の付いた面を付けて行動する。
クローズドサークルとなった館の中で起こる首斬り殺人。
鍵が盗まれ外せなくなった各々の面。
濃密な論理とトリックが示される解決編。
氏らしい本格ミステリの常識からの意識的な逸脱。
満足の一冊である。

一つ問題なのは氏の文体が抜群に読み易く、上下巻であるにも拘わらず尋常ではない速さで読みきってしまえる為に、かなり濃密な推理が重厚さを失っている事か。
もっと体力を奪われるように書いて欲しい。
突風のような読後感が得られるのは確かだが、もっと凄みが伝わる書き方があるのではないか。
リーダビリティが高過ぎるのも考えものだ。
もう今後全作「暗黒館」並の量を書いて欲しい。

でも凄かった。
その論理的推理、そして得意の大仕掛け。
まさか大見得切ってそんなトリックを使われるとは思わなかった。
無茶苦茶過ぎて笑ってしまった。
最終巻は一体どんな仕掛けで楽しませてくれるのか。
期待値がとんでもない。






最終更新日  2018.07.21 03:41:52
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2018.03.31
カテゴリ:綾辻行人
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館シリーズの第八作目。
「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」という叢書から出された。
一時間半もかからずに読める短い物語だが、その中には楽しい楽しいミステリがある。

不気味な人形、異常な老人、病弱な美少年、夥しい数のびっくり箱等、雰囲気は満点。
トリックは軽いものだが、ミステリを知らない幼い頃に読んでいたらどれ程驚いたことか。
そして何と言っても白眉は結末。
実に味わい深い余韻を残す。
作中人物の中で最も「普通」の人間であるあおいちゃんを効果的に使っている。

楽しかった。






最終更新日  2018.03.31 05:32:04
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2018.01.18
カテゴリ:綾辻行人
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新本格ムーヴメントを巻き起こした綾辻行人の館シリーズ、その第七作。
およそ二千頁にも及ぶ超長編小説だ。
これまでの館シリーズの総決算と言える濃厚な作品に仕上がっている。

夥しい程の謎と伏線には脱帽。
恒例である抜け穴や隠し通路だらけの館の使い方は面白いし、不老不死の一族やシャム双生児等の登場人物も魅力に溢れている。
どう考えてもオカルトな雰囲気に溢れ、それを成立させる為の仕掛けも素晴らしい。
これはミステリかゴシックホラーか、真相を読んでもよく解らない。
そして恐ろしいまでの力技で読者を騙す。

全四巻で、六百頁以上ある一巻ではまだ事件は起こらない。
焦れに焦れて頁を捲る手が重く、一巻を読むのに三日もかかった。
しかし不当な長さに感じた第一巻も、最後まで読めば納得の必要性を備えている事に気付く。
第三巻終盤から最後までは一気読みだった。
最終巻に於いてこれまでの膨大な謎や伏線が見事に回収される。
こんなに長い解決編は見た事が無いが、体感としては一瞬の内に読み終えたようだった。

毀誉褒貶相半ばする作品のようだが、個人的には大当たりだ。
「霧越邸殺人事件」でも幻想の部分に食指が動かずミステリとしての評価だけをしている私だが、これはミステリとしてもさることながら、その怪奇幻想趣味に圧倒された。

しかしこれはシリーズ最終作でなくて良かったのか。
最終作は一体どうなるんだ。






最終更新日  2018.01.18 07:28:31
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2017.11.19
カテゴリ:綾辻行人
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もう一人の中村青司へ献げられた幻想的な本格ミステリ。
吹雪の山荘で起こる連続見立て殺人という筋はあまりに蠱惑的である。

幻想的ではあるが、勿論真相は論理的に看破され、抜群に優れた本格ミステリとして仕上がっている。
軽いネタバレだが、本格ミステリとしては倉知氏の例のやつに若干近いようにも思える。
仕掛けられた二重のトリックは巧妙で、これだけしっかりとした本格ミステリに、発表当時本格ミステリとしての欠点を指摘するとんちんかんな声があったとは驚きである。
個人的には幻想怪奇な部分の印象は殆ど残らず、本格ミステリとしての印象ばかりが残ったのだがこれは読んだ時代もあるのか。

流石は新本格の旗手といった作品。





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最終更新日  2017.11.19 08:15:19
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2017.10.08
カテゴリ:綾辻行人
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現代の本格ミステリに於ける最重要シリーズと言える「館シリーズ」の第六作目。
消える魔球とも評されるトリックに愕然とする。
ぼんやりとは察したのだが、まさかそこまでするとは。
本当に派手なトリックである。

さあ、次は二千頁越えの「暗黒館」が待っている。






最終更新日  2017.10.08 02:26:57
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2017.03.23
カテゴリ:綾辻行人
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新本格ミステリの歴史は綾辻行人の歴史である。
本格ミステリは長い冬を過ぎて、綾辻行人の「十角館の殺人」で春を迎えた。
館シリーズは国内ミステリの歴史上でも最重要のシリーズと言えるだろう。
その第五作目にして人によっては最高傑作に推すのが「時計館の殺人」である。

十角館以来となる江南君の登場は嬉しかった。
彼と初めて出会った時の記憶が蘇る。
この作品で彼はやはり凄惨な連続殺人に巻き込まれる。
しかも被害者の内数名はまたしても大学生というのが何とも運命的だ。

メイントリックは中盤で概ね解ってしまった。
隠し通路等のギミックが公然の秘密となっているこのシリーズに於いて、密室というのは意味を為さない。
大技が炸裂しても予想の範疇であったから、それ程衝撃は無かった。
解説でも書かれていたが、綾辻行人は伏線を堂々と巡らす。
今作ではそれがまた顕著であった。
物語性はこれまでで最高のもので、トリックが解っても楽しめた。

骨太な本格ミステリで、個人的には迷路館には及ぶべくもないと思っているが、充分傑作の部類に入る作品だった。






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最終更新日  2017.03.23 07:04:16
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2017.03.18
カテゴリ:綾辻行人
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綾辻行人による超難解なフーダニットの短編集。
最初の「どんどん橋、落ちた」を読んでえげつない騙され方をして、二本目の「ぼうぼう森、 燃えた」以降ひねくれ倒して推理するも全く当たらず。
こんなもん当たる奴おらん。
何じゃこりゃ。
ミステリの終末を見た気がする。

最後の「意外な犯人」はそれでもまだ当たる可能性があると思う。
大傑作「伊園家の崩壊」も著者の挑戦の仕方こそひねくれているが、比較的まっとうなミステリと言える。
まあ比較対象が「どんどん橋、落ちた」「ぼうぼう森、燃えた」「フェラーリは見ていた」なら大抵の作品はまっとうに見える。
この三つはフェアであるのが腹立たしい。
アンフェアであってほしかった。
最高。

さて、五編の中で最も印象深かったものはというと、何と言っても「伊園家の崩壊」だろう。
誰もが知っている国民的小市民、幸せな家庭の日本代表、家族の理想像、そんな彼等一家が崩壊していく様を描いたミステリだ。
平和の象徴が擦り切れていく様は笑いを誘う程で、抜群のブラックユーモアである。
ミステリとして伏線の巡らし方も巧みで素晴らしい。

綾辻行人は人を騙す天才だ。






最終更新日  2017.03.18 06:58:34
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