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七代目ちぃのブログ

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全7件 (7件中 1-7件目)

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青崎有吾

2019.12.17
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カテゴリ:青崎有吾






シリーズ第二弾。
このシリーズで、長編は書かないのだろうか。

「穴の開いた密室」
扉も窓も閉じられた一室で男が殺された。
なのに部屋の壁には大きな穴が開けられ、密室を為していなかった。
魅力的な謎。
このシリーズは島田荘司並に謎が魅力的だと思う。
しかも答えは単純明快。

「時計にまつわるいくつかの嘘」
殺された女の腕時計はある時間で壊れて止まっていた。
一見アリバイ崩しに思われる事件が、見事な論理展開から様相を変える。

「穿地警部補、事件です」
穿地ちゃん活躍譚。
これが決定的な手掛かりだと思ったものは全く関係無かった。
東京二十三区に於いて星を観るのが趣味だなんて、そもそも見えないじゃないかと思ったがそうでもなかったらしい。
悔しい。

「消える少女追う少女」
派手な真相。
氏の作品にしては珍しく、新鮮で良かった。
青春時代とは痛々しいものである。

「最も間抜けな溺死体」
間抜けに殺すというのは凄惨だ。
恐ろしい殺害方法だと思う。
数有るアリバイトリックの中でも特筆為べきものだろう。
本書中でも最も見た目に鮮やかなトリックである。

「ドアの鍵を開けるとき」
最終回か。
何とでも続けられそうだが、どうなるのだろう。
読み始めてすぐに嫌な予感がした。
それは当たった。

ベストは「穴の開いた密室」。
謎の魅力と解決の簡潔さが秀逸。






最終更新日  2019.12.17 08:54:42
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2019.07.26
カテゴリ:青崎有吾







「早朝始発の殺風景」
ガラガラの始発電車に偶然乗り合わせた二人。
お互いが何故こんな時間に乗っているのかを推理する。

「メロンソーダ・ファクトリー」
ファミレスで学園祭のクラスTシャツのデザイン会議をする女子高生三人。
A案とB案どちらにするかという評決に於いて、明らかに優れたB案に二票入るが、一人だけが面白味の無いA案に票を投じる。
ミステリにはよく見られる定番の仕掛けだが、手掛かりが丁寧に描かれていて好印象だ。

「夢の国には観覧車がない」
後輩と二人っきりの観覧車。
偶然性に頼り過ぎてはいるが、論理が楽しめる話である。

「捨て猫と兄妹喧嘩」
これは読めすぎた。
兄の方も、妹の方も。
どう考えても他に無い結末。

「三月四日、午後二時半の密室」
面白い目の付け所だと思う。
現代を巧く活かした仕掛け。

ベストは手掛かりの示し方の優れていた「メロンソーダ・ファクトリー」か。






最終更新日  2019.07.26 05:22:16
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2019.05.01
カテゴリ:青崎有吾







名探偵と怪盗紳士と凄腕戦闘集団と悪の組織が入り乱れる。
怪盗もののミステリとしても楽しませてくれるが、後半は殆ど戦闘が描かれる。
ミステリとしては前巻の方が面白かった。






最終更新日  2019.05.01 04:35:34
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2019.04.29
カテゴリ:青崎有吾







論理魔人青崎有吾による伝奇探偵小説の第一巻。
吸血鬼や人狼等怪異が跋扈する中世の欧州を舞台に、怪物専門の探偵と江戸っ子助手が活躍する。

ー第一章ー
人類親和派の吸血鬼が殺された。
凶器は銀の杭と聖水。
探偵の披露する推理は見事なもので、吸血鬼という設定による盲点と普遍的な論理が融合している。
真っ当な論理展開をしていれば意外な結論が導き出されるという巧さに喝采。

ー第二章ー
人造人間を完成させた天才博士が密室で殺された。
その密室には殺された博士と生まれたばかりの人造人間しかいなかった。
人造人間は論理的に犯人たり得ない。
さらに、博士は首を切り取られていた。
首斬り密室殺人事件。
甘美な謎。
これは解決編の直前で種が読めた。
第一章と同様に特殊設定を巧く活かした論理展開でありながら、第一章に比べて解り易かった。
たった一つの事に気付いてしまえば、というやつだ。
怪物の苦悩を描いた物語性は第一章よりも優れていたように思う。






最終更新日  2019.04.29 04:27:13
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2018.09.16
カテゴリ:青崎有吾
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若手最注目の氏。
処女作から始まった裏染天馬シリーズ。
エラリー・クイーンばりの論理の遊戯を魅せてくれる傑作シリーズだ。 一作目が「体育館」二作目が「水族館」ときて、短編集を挟んでシリーズ第三長編は「図書館」でダイイングメッセージもの。
文庫発売日に即購入。

本作でもやはり論理の輝きは失われてはいなかった。
閉館した町の図書館で山田風太郎「人間臨終図巻」の上巻で撲殺されていた常連客。
天馬による論理展開が全編に渡って散りばめられている。
ダイイングメッセージものでありながらダイイングメッセージについての思考を放棄。
折れたカッターの推理。
不自然な血痕の推理。
被害者と犯人以外に現場に存在した第三の人物。
関係者の秘密。
結局重要になってくるダイイングメッセージの推理。
どれもこれも素晴らしいが、とりわけ折れたカッターの推理は絶品である。
後期クイーン的問題さえも抑えての論理は筆舌に尽くし難い。

さらに犯人設定もシリーズ中で最も衝撃的なものとなっており、意外な犯人ものとしても傑作である。
動機に関しては毀誉褒貶相半ばしそうであるが、個人的にはありだと思う。
基本的には殺人者は殺人者である時点で異常であるのだから、動機なんてものは本来共感が得られる方が珍しいと思う。
寧ろ共感が得られない方が衝撃的で良い。

天馬の過去も、小出しではあるものの、次第に明らかになってきた。
次作では柚乃は一体どんな天馬の過去と向き合う事になるのか。
興味は尽きない。






最終更新日  2018.09.16 09:10:58
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2018.04.24
カテゴリ:青崎有吾
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今一番熱い作家(主観)の短編集。
不可能(How)専門と不可解(Why)専門の二人の探偵が事件に挑む。
氏と言えば論理的な作風であるが、本作ではトリックメーカーとしての才能も見せ付けている。
ベストは単純明快で鮮やかな「ダイヤルWを廻せ!」を選びたい。
次点で「限りなく確実な毒殺」が来て、次に「髪の短くなった死体」「チープ・トリック」が並び、「ノッキンオン・ロックドドア」「十円玉が少な過ぎる」「いわゆる一つの雪密室」の順で続く。

「ノッキンオン・ロックドドア」
高名な画家が密室のアトリエで殺害された。
現場には被害者の描いた六枚の風景画が、額から外されて散らばっており、何故か一枚だけが赤く塗り潰されていた。
密室のトリックは面白く、亦最後に浮かび上がってくる動機は奇抜。

「髪の短くなった死体」
劇団員の女性が下着姿で絞殺されていた。
しかも、何故か髪を切られて。
犯人は何故髪を切ったのか。
抜群に面白いトリックが捨てトリックとして用いられる。
真相も面白い。
捩れている。

「ダイヤルWを廻せ!」
祖父の遺品の入った金庫が遺言書に記された方法では何故か開かないから、開けてほしい。
父が深夜煙草を買いに行く途中で転倒し頭を打って死んだが、実は殺人事件だと思うから調査してほしい。
二つの依頼が飛び込んで、それぞれ分担して調査しようとしたら、それはどちらも一つの家庭内での出来事だった。
二つの依頼が絡み合い、一つの真相を導き出す。
金庫の謎は実に単純で、その分切れ味鋭く印象的だ。

「チープ・トリック」
遮光カーテンを閉め壁際には絶対に近づかなかった被害者を如何にして狙撃したかという謎は魅力的だ。
そのトリックは成る程と膝を打つもの。
実に単純明快。
それを解き明かす為の、被害者が倒れた音という手掛かりも巧く出来ている。
しかもトリックが解っただけでは解決しないようになっているのがまた凝ったところだ。

「いわゆる一つの雪密室」
積雪の夜、岩手のある工場主が雪の中で包丁が胸に刺さった状態で死んでいた。
足跡は工場主が歩いた片道一本と、第一発見者の往復二本だけ。
雪密室である。
包丁には指紋は無く、その事実から殺人事件と目されて、探偵の二人が東京より呼び寄せられる。
明かされる真相はそれまでの様相から反転を見せ、一度は間違ってしまう推理も、凶器に指紋が無いという手掛かりから解決に至る。
雪密室を扱って指紋に最大の眼目を置くところは面白い。
但し本当にそれで指紋の問題が完全に解決されるのかは疑問である。

「十円玉が少な過ぎる」
ケメルマンの大傑作「九マイルは遠すぎる」に挑戦した意欲作。
暇潰しに「十円玉が少な過ぎる。あと五枚は必要だ。」という言葉だけを頼りに推理を働かせ、意外な事実を導き出す。
今の子供達には盲点となるかもしれないが、十円玉が何故必要だったのかという問題はかなり読めてしまう。
しかしながら丁寧な推理は好印象。

「限りなく確実な毒殺」
奇想天外目から鱗が落ちる毒殺トリック。
それは思い付かない。
絶対確実とは言えないトリックも、この設定なら納得出来る。
トリックだけを論じるなら本作品集中一番かもしれない。






最終更新日  2018.04.24 07:18:56
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2017.08.13
カテゴリ:青崎有吾
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有栖川有栖と並ぶ平成のクイーン青崎有吾。
衝撃の処女作「体育館の殺人」で屈服させられてからというもののめり込んでいる。
「体育館の殺人」で探偵役を務めたアニメオタク裏染天馬を主人公とした一連のシリーズは、抜群の論理展開を武器に今のところ全作がオールタイムベスト級の傑作となっている。
そんなところも有栖川有栖と似ている。
この日常の謎を扱った短編集は、二作目「水族館の殺人」とシリーズ最新刊の三作目「図書館の殺人」の間に出版されたものだ。
長編三作の間を埋める造りとなっている。
アニメオタクの探偵役、レズビアンの妹、学生もの、軽い文体等の要素では誤魔化せないミステリ的企みの凄みが、今回も輝きを放っている。

「もう一色選べる丼」は校内に置き去りにされた学食の品を巡る物語。
何故二色丼のうちの一色であるカツだけがまんま残っているのか、何故箸が無いのか、何故ゴミ捨て場で食べていたのか、そんな謎が天馬によって鮮やかに解かれる。

「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」は有名な、若竹七海実際に体験した謎に対する挑戦。
これまでに法月綸太郎らが挑戦したテーマに氏も挑戦している。
真相は夏の暑さに頭をやられたような阿呆で可愛い悪さ。

「針宮理恵子のサードインパクト」は不良女と童顔少年の恋愛譚。
クズ野郎天馬が珍しく優しい。
日常の謎にしても真相は細やかなものだが、これは不良娘の恋心が白眉。
自分もつい最近まで喝上げ等の悪さをしていたから、他人の悪さを責められなかったり、濡れ衣を着せられても諦めてしまうところが良い。

「天使たちの残暑見舞い」は日常の密室消失もの。
教室で抱き合っていた女生徒二人が突如として消えてしまうというもの。
まさかの大トリックだった。

「その花瓶にご注意を」は妹ビアンが探偵役を務める一編。
音も無く割れていた花瓶の謎を解き明かす物語で、真相はこの作品集中で最も悪意に満ちたもの。
犯人も性格が悪く、妹ビアンが追い詰める場面は気持ち良かった。

「世界一居心地の悪いサウナ」はおまけの掌編。
絶縁中の天馬と父親が偶然サウナで二人きりになり、罵倒を繰り広げる。
ファン用の特典といった感じ。

ベストは論理展開の見事な「もう一色選べる丼」と「その花瓶にご注意を」で悩む。
若干の差でよりすっきりしている「もう一色選べる丼」か。
でも真相の衝撃度は「その花瓶にご注意を」が大きかった。
これはもうその日の気分次第だ。
他の作品も総じて出来が良く、平均点の高い外れの無い一冊と言えよう。
もっともそれはこの作品集に限った事ではなく、 この作者自体が外れの無い作家なのだ。
本当に天才だと思う。
新本格以降では一番の才能の持ち主だと信じている。
これからも抜群に楽しみだ。






最終更新日  2017.08.13 07:38:34
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