000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

七代目ちぃのブログ

PR

X

全5件 (5件中 1-5件目)

1

クロフツ

2019.12.28
XML
カテゴリ:クロフツ






「ペンバートン氏の頼まれごと」
高級アクセサリー盗難事件。
上流階級のペンバートン氏が事件に巻き込まれ翻弄される。
短い話の中で様相が二転三転し楽しい。

「グルーズの絵」
代理業者に絵の購入の依頼があった。
依頼者はかなりの高額を出すと言うのだが、引き受けてみるとおかしな事実が明るみになる。
奇妙な依頼の意外な真の目的が楽しい一編。

「踏切り」
氏は本当に倒叙が巧い。
奇をてらう事無く、純粋に卑小な犯人の心理を描くその手腕は抜群だ。

「東の風」
珍しく動きの派手な作品。
列車を襲った犯人達を必死に追うフレンチが描かれる。
最後には格闘の場面もある。

「小包」
名手がまたやった。
氏の倒叙に外れ無し。
犯人の恐慌に、こちらもどきどきする。

「ソルトバー・プライオリ事件」
フレンチに休暇無し。
意外な犯人が光る佳作。

「上陸切符」
単純極まるトリックだが、氏の作品なら読める。
丁寧な描写が作品を向上させる。

「レーンコート」
引き続き倒叙の小品。






最終更新日  2019.12.28 04:16:09
コメント(0) | コメントを書く


2018.11.10
カテゴリ:クロフツ
rblog-20181110062725-00.jpg





記念すべきフレンチの初登場作品。

ロンドンで強盗殺人事件が発生し捜査に乗り出すフレンチ警部だが、事件は混迷を極める。
手掛かは新たに新たに見つかり、オランダ、フランス、スイス、スペイン、ポルトガルと大旅行を繰り広げるが、毎度行き着く先で謎が生まれる。
それでも諦めずに靴を磨り減らして捜査するフレンチ。
遅々とした捜査はそれでも徐々に真相へと近付いていき、やがて姿の見えない犯人との追走劇となる。

地味な事件、地味な犯人、地味な動機、地味な捜査と、本書もクロフツらしさが爆発している。
その堅い作風は退屈さと紙一重で成立している。
しかし上に挙げた要素がまとめて一つの美点に集約されるのもまたこの著者ならではである。
フレンチが魅力的なのだ。
なんと誠実な男だろうと思う。
名探偵としては魅力的とは言えないが、人間としてならH・M卿の五億倍は魅力的である。
これこそが氏の著作を読む最大の理由となっている。






最終更新日  2018.11.10 06:27:25
コメント(0) | コメントを書く
2018.06.11
カテゴリ:クロフツ
rblog-20180611055447-00.jpg





本格ミステリ黄金期を代表する巨匠F・W・クロフツの、長編三十四作品中の三十二作目に位置する作品。
後期の代表作と言える。
氏の後期の特徴として、前期に比べ社会性や人間が書き込まれているという点がある。
本作もまさにそうであり、小説として素晴らしい出来栄えとなっている。

先ず一組の貧しい恋人がいる。
男は欠陥に塗れており、目先の金の為に己は手を汚さず、女に詐欺を働かせる。
女は二人の未来の為に仕方なく引き受ける。
成果が挙がり男はより条件の良い職場に就職する。
一方女は、目的を達成した後もただだらしなく詐欺を続けさせられる。
女と離れた土地で就職した男は富豪の娘と関係を持つ。
自分の為に汚らわしい詐欺まで働いた女を捨て、莫大な遺産を相続する娘に寄生しようとするのだ。
或る日結婚するのに邪魔だった富豪が死ぬ。
どう見ても自殺である。
しかし男の不貞を知った女は、あまりに時機の良い富豪の自殺に疑問を持つ。 
ひょっとして彼が殺したのではないか。
しかしそれを暴こうとして、逆に自らの詐欺行為をバラされては堪らない。
しかも実行犯は自分だけで、男は罰を受けない。
どうにかして事件を調査出来ないか。

共犯と裏切りの構成が良く練られている。
そして視点人物である女が堂々と捜査に乗り出せないのが巧い。
男には悪党の自覚が無いのも良い。
そして事件はどう見ても自殺に見える。
見事な構成と人間関係、持続するサスペンス、堅牢な自殺説、そして捻られた結末。
素晴らしいミステリだ。
しかも相変わらずフレンチは好感が持てる。
氏のこれまで読んだ作品中でも、「クロイドン」に次ぐ良作。






最終更新日  2018.07.26 04:28:30
コメント(0) | コメントを書く
2017.11.11
カテゴリ:クロフツ
rblog-20171111065111-00.jpg





本格黄金期を代表する作家クロフツの長編。
相変わらずフレンチ警部が地味な事件を地道な捜査で解決する。
天才的な閃きも無く、派手な殺害も行われず、トリックも地味なこのシリーズである。
本来なら趣味じゃない筈なのに何故か大好きF・W・クロフツ。

今作では「船から消えた男」のように、またしても世紀の化学的発見が事件を彩る。
そしてやっぱり最後にはその大発見は無に帰す事となる。
クロフツ化学大好きだなあ。

主要な登場人物の殆ど全員が容疑者で、誰もが動機を持ち、誰もが殺害したと確信を許さない。
フレンチ警部は新人ロロを携えて、その地道で堅実な捜査を新人教育とする。
ロロには本当に貴重な経験となった。
若いが故に簡単に結論を出そうとするロロに、それは彼が犯行を為し得たというだけで為した事にはならないと諫めるフレンチは、抜群に格好良い。

代表作とは呼べずも、クロフツの特色の色濃く出た典型的クロフツミステリ。
近頃のクロフツ復刻の流れ、素晴らしい。
これからも宜しくお願い致します、創元さん。






最終更新日  2017.11.11 06:53:14
コメント(0) | コメントを書く
2017.08.27
カテゴリ:クロフツ
rblog-20170827064733-00.jpg





本格ミステリ黄金期を代表する巨匠クロフツの長編。
お馴染みフレンチ警部を探偵役とした密室ミステリだ。
クロフツと言えば天才肌でない足の探偵、堅実なアリバイ崩し、現実離れしていない作風といった印象がある。
この作品でも途中密室ミステリと言いながら、やはりアリバイ崩しなのかと思わせるところもあり、その印象は変わらない。
幻想的な玩具の様な本格ミステリを愛する私としては、本来この様な作風は好みではない筈なのだが、何故だか初めてその著作に触れた時からこの作家に心酔している。
中でも「クロイドン発十二時三十分」には惚れ抜いた。
何だか合うのだ。

ミステリとしての出来は傑作とは言えない。
構成はばっちりなのだが、如何せんこの作品の主眼となる二つの密室トリックが前例のあるものなのだ。
それもかなり有名な。
クロフツにそんな事は期待しなくても良い気もするのだが、やはり衝撃は皆無。
一つは最早使い古されたという言葉すら必要の無いトリック。
現代ではこれをそのままメイントリックに据えては、出版さえ許されないのではないか。
もう一つは密室ミステリの嚆矢にして金字塔とも言える古典作品と同じもので、密室の謎が現れた時真っ先に思い浮かんだ。
クロフツの作品自体が古典なので、時代を思えばそれ程問題にするべきものではないのかもしれない。

しかしながらやはり造作が美しいので、読書体験はそれなりに楽しいものであった。
これが相性か。
恐らく現代のミステリに慣れ親しんだ者にとってこれは凡作であろう。
造作が美しいというのも、単に私がクロフツに惚れているので思うだけの事かもしれない。
それでも私は楽しかった。
直向きなフレンチ警部が好きなのだ。

今クロフツの作品は殆ど書店に並ばない。
名作「樽」がたまにあるくらいで、傑作の誉れ高い「クロイドン発十二時三十分」でさえ殆ど見ない。
どんどん復刊して欲しい。
クロフツを愛しているのだ。






最終更新日  2017.11.11 06:54:19
コメント(0) | コメントを書く

全5件 (5件中 1-5件目)

1


© Rakuten Group, Inc.