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七代目ちぃのブログ

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SF小説

2019.11.30
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カテゴリ:SF小説






一九七九年発表の長編。
軌道エレヴェーターを初めて扱った作品である。
アジアの宗教王朝を叙情的に描きながら、一人の科学者による前人未踏の事業を克明に物語っている。
人類史上初の試みは幾多の困難に襲われながらも感動的な終着を見せ、クライマックスによる放心具合は氏の作品中でも屈指のものだ。
コーラ警報の響く中描かれる風景と、後世に残る先人の跡は忘れられるものではない。
圧倒的高位生命体をここまで簡潔に、且つ人間的に描いた例は少ないのではないか。






最終更新日  2019.11.30 06:09:11
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2019.03.04
カテゴリ:SF小説







ポーランドが生んだ鬼才の代表作。
SFオールタイムベストの上位常連。

惑星ソラリスの異様な海を描き、深遠な「未知との遭遇」を表現している物語だ。
序盤はあまりにも恐ろしい展開があり、恐怖小説として読める。
そこから見事なまでに痛々しい恋愛小説が示され、さらに精密なソラリスと海の描写によりハードSFの枝葉が繁る。
大いなる謎を含んだ物語は主人公をとことん苦しめ、やがて小さく大きな破滅を迎え恋愛サスペンスは終わりを迎えるのだ。
終盤は主人公の有るか解らない解決を模索する旅が描かれているが、結局解決には至らない。

様々な読み味を備えた作品であるが、特に印象に残ったのは、人間による人間という形態への盲信を否定するところ、そして人間の科学的物差しでは計れない埒外の存在があるというところ、主人公が最後に辞める事も闘う事もせず「残酷な希望」を遠く見つめて留まり進むところだ。
レムは既存のSFを否定し、人間の感覚の通用しない未知を描いた。
未知なるものを、こうではないかではなく、未知のままに描いている。
その謙虚な態度に恐れ入る。






最終更新日  2019.03.04 04:48:21
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2018.09.10
カテゴリ:SF小説
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サイバーパンクの金字塔。
電脳世界を駆けるハードボイルド作品。

抜群に読み難い文体である。
序盤はついていけたのだが、中盤からよく解らなくなってきた。
そもそもサイバーパンクの世界観が好きではない身としては辛かった。
冬寂<ウィンター・ミュート>が孤高の存在になろうとして、結局友達が欲しかった事に気付く結末は綺麗だった。
これは冬寂<ウィンター・ミュート>の青春小説である。






最終更新日  2018.09.10 02:47:45
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2018.07.02
カテゴリ:SF小説
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ミステリの女王がクリスティなら、SFの女王はル・グィンだ。
その代表作は異世界を舞台にした重厚な作品だった。

地球を含む人類同盟エクーメンからの使者としてやってきたゲンリー・アイは、惑星ゲセンと
エクーメンを繋ぐ為に奔走する。
両性具有の民であるゲセン人は、アイの常識ではなかなか計れない。
政治的な策謀に巻き込まれ生死を彷徨うそんな中、一人のゲセン人と行動を共にする事となる。
二人は過酷な旅を行う。
旅の中で大きく深い愛情とも友情ともとれる関係が生まれ、そして旅の終わりには感動が生まれる。

始めは随分読み難かった。
しかし終盤は怒濤の読み応えがあった。
二人の間で関係が育まれる様は実に美しい。
何とも複雑な気持ちにされながら、過去と未来を繋いで物語は結末となる。
世界を描く天才の書いた、世界に生きる人間の物語である。






最終更新日  2018.07.02 10:18:44
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2018.03.05
カテゴリ:SF小説
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SFの歴史に綺羅星の如く燦然と輝く傑作。
SF作家として抜群の知名度を誇る著者だが、間にスーパーマン等コミックの原作、テレビやラジオのドラマ脚本、旅行雑誌のライター等実に多彩な活動をし、SF小説家としては寡作な部類に属す。

本書は一人の男の復讐の物語である。
ジョウントと呼ばれる瞬間移動が可能な世界で、男は知識と力を向上させ敵を探す旅をする。
出会った人々を自身と同じ様に傷付け乍ら。
しかし復讐の事しか頭に無い男も旅の中で様々な事を知る。
人を愛する事も知り、贖罪の気持ちさえ芽生える。
物語は恐慌の内に最終場を迎えるが、男が最後に選んだ道は復讐ではなく、誇り高く皆と生きる事だった。
男の周囲にも彼を許す人が現れ始める。
そして許さない事で始まった物語が許す事で終わる。
人間は世界よりも大事ではないという男の言葉も良かった。
確かに人間は世界を好き勝手し過ぎかもしれない。






最終更新日  2018.07.26 04:32:20
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2017.12.29
カテゴリ:SF小説
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日本SF屈指の名作。
途轍もない規模の物語である。

伝説の都市アトランティスを見つめたプラトン、婆羅門の教えの先を見つめた悉達多、永劫の闘いの先を見つめた阿修羅王、神の意思を見つめたナザレのイエス達が、遥か未来サイボーグと化して闘い真実を目指す壮大さに圧倒された。
神とは、この世界をこの世界の外から操る者とは誰なのか。
一体幾つのこの世界の外があるのか。
何の為に破滅は造られるのか。
あしゅらおうが物語の果てに見つけたのは喪失だった。
我々は喪失があるから闘えるのだろうか。
そのままではどうにもならないから闘うだけなのだろうか。
喪失こそが原点で、行動の生みの親というのか。
生が有るから死が有り有が有るから無が有るのではなく、死が有るから生が有り無が有るから有が有る。
探し求める為に真相が有るのだとしたら、一体目的とは何で手段とは何なのだ。

著者が影響を受けた作品に、クラークやヴァン・ヴォートの作品があるのに納得。






最終更新日  2017.12.29 08:51:09
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2017.11.29
カテゴリ:SF小説
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SFビッグ3の一角ハインラインの代表作。
勝手にパワードスーツを着た兵士の凄絶戦闘物語と思っていたが、そんな事はなかった。
実に思索的な作品だ。
少年が軍属となり、甘さが消え一人前の兵士になる話である。

延々と語られる国家や権利、戦争等の在り方についての考察は、賛否は別にして実に興味深く読んだ。
一理は有る。
しかし同時に怖さも感じた。
これは成長の物語ではなく、個人の消失の物語と読めるのだ。
これはハインラインの絶対唯一の思想ではなく、あくまでも一つの考え方を物語化したものだとは思う。
しかしこれが人類の未来なのだとしたら、そうでなくては発展も無く生き残れもしないとしたら、果たしてどうなのだろう。
こうでなくては組織的なものを守れない気はするのだが。

ハインラインの残した問題作は未来に何を残すか。






最終更新日  2017.11.29 04:08:05
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2017.10.26
カテゴリ:SF小説
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国内SFの名作で調べると必ず目にしていた短編集。
ピアピア動画とはニコニコ動画を捩ったもので、さらに初音ミクを捩った小偶レイというヴォーカロイドも登場する。
そういったものにある魅力は認めつつも何となく好きになれなかった私の印象は、このハードSFの読書体験で粉微塵に粉砕されてしまった。

「南極点のピアピア動画」
ある大学院生の青年は帰宅すると「飽きた、去る」という恋人の残したメモを発見する。
途方に暮れる青年は彼女への想いを小偶レイに歌わせ、ピアピア動画へアップロードするしかなかった。
そんな導入から話は、彼女に振り向いてもらう為に宇宙への有人飛行を敢行するところまでいく。
君を宇宙のランデヴーに連れて行ってあげるから戻ってきてよという訳だ。
寄りを戻す為にピアピア動画のユーザー達と協力して二人だけの宇宙旅行を計画するというのが抜群にロマンティック。
愛と希望に溢れたロマンティックハードSF。

「コンビニエンスなピアピア動画」
殺虫器を設置しているのに蜘蛛が巣を張るという田舎のコンビニでの小さな小さな出来事から、軌道エレヴェーターの開発とコンビニの宇宙店出店というセンスオブワンダーな話。
それと少しのロマンス。
見事なSF的発想で、そしてまたしてもピアピア動画が上手く絡んでいる。
この話は凄い。

「歌う潜水艦とピアピア動画」
本当にロマンと希望が溢れている。
廃棄される潜水艦を何とかして救えないかという潜水艦乗りの想いがまず美しい。
神秘的な鯨達との親交を夢見る主人公の豊さ。
小隅レイが結ぶ人と鯨の交友は本編の白眉であり、鯨達との会話はきらきらと輝いていて胸熱である。
そしてそれだけで既に大満足しているところに異星人との邂逅という一大ロマンスが描かれ、鯨達と同様に小隅レイを媒介に会話する場面が抜群に優しいものとなっている。
そして初めてみる異星人の姿と言ったらもう・・・。
どうしようもなく夢と希望に溢れている。

「星間文明とピアピア動画」
前編から続いて星間文明からの使者あーやきゅあ移動体との物語。
危険性や異星人の侵略の可能性を考える国家を出し抜いて、先に管理出来ない程にあーやに複製を創ってもらうという攻防が楽しい。
しかも複製を迅速に全国に置く為に使われたのが、先で出てきたコンビニの配送システムというのがまた面白い。
著者の描く未知との遭遇はこの上もなく暖かいもので、分裂した無数のあーやという冷たい無機質な印象を抱くものに対して抜群のフォローを入れている。
最終場であーやは人間との交流の記録を星間文明に伝える為に、宇宙空間の彼方へと飛び立って行く。
それは確かに「心」を感じるもので、涙が出る程美しい。
もしも異星文明との交流があった時に、こうして貰えるような人類で在りたいと強く思った。

全編が最高の読後感を携えるこの短編集は、人類の希望溢れる未来を描いた素晴らしいものとなっている。
本当に全人類必読の書だ。
連城三紀彦の「戻り川心中」とは全く違う色を持ちながら、それでいて並ぶ程に美しい傑作短編集。
抜群!






最終更新日  2017.10.26 07:39:01
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2017.10.12
カテゴリ:SF小説
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現代国内SFの大家である山田正紀の代表作。
題名が魅力的で手にした。

その世界観はオールディスの「地球の長い午後」を彷彿とさせるもので、第一章では密林と怪生物が描かれる。
第二章では舞台が草原になり、第三章では砂漠となる。
素晴らしい世界観だ。

甲虫の戦士であるジローは或る日、従姉妹のランを愛するという禁忌を冒す。
それは禁忌故に到底許されるものではなく、ジローは激しく懊悩する。
関係を許される為の唯一の道として示されたのは、空なる螺旋<フェーン・フェーン>へ行き宝石を盗み出す事。
宝石とは即ち、月である。
ジローは旅立つ。
狂人チャクラと女呪術師ザルアーと共に。

三人の冒険は試練の耐えない過酷なもので、これだけでも抜群に面白い。
何と言ってもザルアーがめっちゃ可愛いし、過酷な試練も手に汗握り、最高の異世界ファンタジー冒険小説である。
しかし、この物語の凄いところは旅の果てに明らかになる知られざるこの世の仕組みなのだ。
実に壮大なSF的設定が隠されている。

最後の試練を終えジローはありとあらゆるものを喪失して、それでも前に進む。
否、前に進む事しか残されなかったのだ。
あまりに残酷で、想像力をかきたてる結末。

神への挑戦。
覆せない世界の仕組み、確固たる絶対的運命に対する自由意思。
変えられない事に嫌だと言い続ける事。
それを見事に、見事過ぎる程に書き込んでいる。
宝石泥棒、人の本質は奪い取る事なのかもしれない。

最後にもう一度。
ザルアーほんと可愛い。






最終更新日  2017.10.12 07:38:26
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2017.07.01
カテゴリ:SF小説
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遥か未来動植物が異様な進化を遂げ、人が主役でなくなった世界。
そんな作品群の生みの親。

地球が自転を止めてしまった影響で植物が異常進化、異常繁殖し、地球の陸地を牛耳った未来。
僅かばかりとなった人間は、火を操る靫葛や、乱舞する剣となった柳、さらには地球と月を行き来する蜘蛛形植物や大地を求めて海を歩く移動植物等といった植物に怯えながら細々と生きていた。

植物が宇宙旅行とはなんという想像力だ。
しかも第一部では、ある人間のグループはそれにより月に行って、高次元の存在へと進化する。
第二部からは月に行かなかった人間の視点で物語は進み、なんと早々に茸に寄生されて体を乗っ取られる。
始めは共生関係にあったものだが、当然だんだんと人間の方が茸の存在を疎ましく思う。
しかし茸の意のままに壮絶な地球を冒険させられ、行く先々で必ず絶望的な困難に遭遇する。
そして最終的には滅亡の途にある地球の運命の中で、それぞれがそれぞれの選択をして物語は終わる。
道中は登場する連中の殆どが阿呆か外道かその両方なので、とにかくサスペンスフルだ。
冒険譚としては最高。

読んで想うのは、地球に於ける人間の価値と、無邪気な善悪、そして自己で選択する事の意義。






最終更新日  2017.07.01 08:00:02
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