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七代目ちぃのブログ

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アガサ・クリスティ

2020.07.04
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これは本格ミステリではない。
ノンシリーズのサスペンス小説だ。
理想主義の主人公が最善の人生を歩む完全無欠の恐怖小説でもある。
関係性の構築を諦めて関係性を構築していく事の、何と穏やかで恐ろしい事か。
また、最後の場面では亭主の恐ろしさも露わになる。
諦めと愛情と嘲りと復讐が一度に姿を見せる。
本書の恐ろしいのは、その恐ろしさが世に溢れたものだというところである。
即ち、自己を視ずして自己を全肯定するという事。
疑心暗鬼になり、目を背けたくなり、そんな自分をクリスティがにやけながら見下しているように感じられる作品だ。






最終更新日  2020.07.04 06:04:19
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2020.06.01






ミス・マープルものの長編。
探偵の造形としてはポアロよりもマープルの方が好きだ。
事件の方は、マープルの策略は楽しめるとしても肩透かしが否めない解決である。
これはクリスティ以外の同時代の作家が書いていたら、とんでもない駄作になったのではなかろうか。






最終更新日  2020.06.01 23:53:46
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2018.04.03
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ミステリを偉大なものにした傑作群の、その内でも最上位に座を構える一冊。
数あるクリスティの代表作の中でも最も影響力を持った作品ではないか。
童謡による見立て殺人という発想自体はヴァン・ダインが先に「僧正殺人事件」によってその効果を知らしめていて、本作はその影響下で書かれているものの、どちらがより効果的であるかというとやはり軍配が上がるのは本作であろう。

圧倒的に小説が巧い。
先ず冒頭で十人の主要人物を全員紹介させておき乍ら、全く混乱させないのは見事としか言い様がない。
全員が全員、綺麗に印象付けられるのだ。
そして始まる絶海の孤島での日々。
マザーグースの童謡をなぞって連続する死、また死。
姿を見せない主催者U・N・オーエン氏、実は招待客の中に紛れているのではないか、誰が殺人鬼か、一人亦一人と容疑者が減っていく、同時に減っていくインディアンの人形・・・。
全編を尋常でないサスペンスが支配していて、且つ悪趣味にならない「程良さ」を兼ね備えている。
過不足の無い事は実に美しい。

中でも絶品は童謡の最後の句「小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら 自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった」の見立てである。
残された一人が自ら首を吊る為、抜群の演出が仕掛けられている。
ぞっとする美しさがそこにある。
ヴァン・ダインの影響を受けて書かれた物語だが、クリスティは類例の無い演出力で独自の頂きを創造した。

この作品が無ければ私が史上ベストミステリと信じる西村京太郎氏の「殺しの双曲線」も書かれなかったし、綾辻行人氏の「十角館の殺人」も書かれず新本格の流れは有ったとしても大きく形を変えたものとなったかもしれないのだ。
その影響力は推して知るべし、である。






最終更新日  2018.04.03 01:53:11
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2018.01.22
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「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺し」「ABC殺人事件」と並んであまりに有名なクリスティの作品。
その掟破りの度合いは「アクロイド殺し」と双璧を成す。
スタンダードな本格ものを数作品しか読んでいない頃に読めばどれ程驚いただろう。

ネタは完全に知って読んだが、それで尚面白いのもクリスティなればこそ。
列車(しかもオリエント急行)内という雰囲気、登場人物達の造形、ポアロの変わらぬ探偵ぶり、何れも魅力的だ。
そしてトリックもさることながら、何と言っても結末である。
ポアロもの、クリスティの作品群に限らず、古今のミステリの内でも最高位に慈悲深いものとなっている。
何て楽しい読書体験だ。
クリスティはそれを常に保証してくれる。
正に女王。
風格が違う。

こういった作品でミステリを覚える少年時代に憧れる。






最終更新日  2018.01.22 09:27:44
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2018.01.21
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ミステリの女王クリスティの代表作。
クリスティの代表作(アクロイドやオリエントや誰もや本書)は有名過ぎてネタバレが溢れているのが辛いところ。
あまりにも有名で読む優先順位が下がる。
本書なんかはミッシングリンクと聞くと真っ先に思い付く作品だ。
しかし、ネタを完全に知っていても充分に楽しめるのがクリスティ。
トリックだけどこかで知っていようが、映像で観ていようが関係無い。
単純に小説が巧いのだ。
ポアロとヘイスティングズの関係は何時も美しい。

クリスティはミステリの歴史上でも最高位の騙し屋だ。
本書でも華麗な騙しの技巧が冴えている。
チェスタトンに前例が見られる発想でもあるが、その使い方に差を付けて鮮やかさを保っている。

巻末の法月綸太郎による解説も素晴らしく、全頁が楽しかった。
個人的には「アクロイド殺し」よりも凄い作品だと思う。






最終更新日  2018.01.21 07:51:28
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