013717 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

☆★pental式★☆

☆★pental式★☆

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

ペンタル

ペンタル

Freepage List

Apr 16, 2004
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 「コウー!おはよ。」
「おはよ。来るの早かったんだね。」
「お義母さんに送ってもらったから。」
蒼は白いタイトなTシャツに、細身のGパン姿で現れた。普段以上に足が長く見える。
 私たちはターミナルの近くの自販機で飲み物を買うことにした。2人とも暑さで喉がカラカラだった。海のほうへ行くバスは、後20分しなければ来ない。強い陽射しの下を、肌を焼かれながら歩いた。
 自販機で買った物は2人とも冷たいお茶だった。私たちは昔からあまりジュースを好まない。施設にいた頃からずっとそうだった。他の子供がジュースを欲しがっても、私たちはいつもお茶ばかりを飲んでいた。
 待合室のベンチにもたれて、2人とも黙って座っていた。冷たいお茶が喉を駆け下りていく。扉は開け放たれていたが、風はほとんど入ってこなかった。室内にある扇風機がぬるい風を送ってくる。口から出てくる言葉といえば、「暑い」だけだった。
 「私ね、昨日帰ったらお義父さんたちに話があるって言われたの。」
ゆっくりと、ボトルを見つめたまま蒼が言った。私は何も言わなかった。
「本当の両親がね、私を施設に放り出した人たちが名乗り出てきたって言うの。」
 蒼は、まだよちよち歩きの頃に施設の前に置き去りにされていた。彼女の名前や年齢を書いた紙とクロスのペンダントが、蒼の背負ったリュックサックの中に入っていたそうだ。どうやら本当の両親はクリスチャンなのではないかと、以前に蒼がいっていた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Apr 27, 2004 10:26:32 PM
コメント(0) | コメントを書く


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

(株)カプセルコー… 歌○5740さん
☆桜葉☆の” 小幸せ日… ☆桜葉☆さん
気のみ気のまま alwaysblackさん
○●絵空事●○ 空人☆さん
スメラギ処 +スメラギ+さん

Comments

 *スメラギ*@ Re:くーるまっくーるまっ!!(09/11) 車かぁ、免許を持っていないスメラギとし…
 ハシブト@ ハシブト宅のお返事ー。 ハシブト母も、数年前まではペーパードラ…
 ハシブト@ 車。 ハシブトも車欲しいよー。 しかもクラウ…
 ハシブト@ ハシブト宅のお返事。 ハシブトも小さい時は平気だったんだけど…
 ハシブト@ mimpi(インドネシア語・夢) ペンタルさんへ。 一時期夢日記を付けて…

© Rakuten Group, Inc.
X