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2022.01.09
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カテゴリ:音楽



夕飯の買い物をしていたスーパーで、​ジャック・タチ​の​『ぼくの伯父さん』​が流れた。



大学1年生になってすぐ、たまたま深夜まで起きていると、テレビで奇妙な古い映画をやっている。
背の高い奇妙な紳士が、あちこちでおかしな騒ぎを起こす。

これが『ぼくの伯父さん』というジャック・タチの映画だった。

翌朝、昭和11年生まれの母にその話をすると、母はこの映画の事を知っていた。

「不思議な映画よね、でも音楽が良いのよね」

特に映画好きというわけでもない母が知っていたのが、今でも不思議な気がする。

翌日大学に行って、スペイン語クラスで同級生の神谷君に、前の晩に見た奇妙な映画の事を話す。

「僕も見ていたよ、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』だよね」

神谷君、今はどうしているだろう。

それからずっと、この不思議な映画のことが印象に残っていた。
数年後、足繁く通っていた渋谷の WAVEで​ジャック・タチの映画のサントラ集のCD​を見つけて買った。
まだ見ていない​『ぼくの伯父さんの休暇』​の曲も収録されていた。

やがて、ジャック・タチ映画の小さなブームのようなものがやってきて、マガジンハウスの雑誌などで特集が組まれたりもした。
レーザーディスクを何枚か揃えた。
六本木の WAVEでやっていた上映会にも入った。
その頃にはもう、ある種の一般教養のような扱いというか、多くの人の知る映画になっていた気がする。

レーザーディスクプレーヤーが壊れて持っていたディスクが再生できなくなった頃 、DVD のボックスセットが発売された。

私の記憶は時系列が多少間違ってるかもしれないが、詳しいことは、こちらのサイトに書かれていると思う。

ジャック・タチの世界
こうして見てみると、やはり最初に観た『ぼくの伯父さん』の印象が強い。

「ノスタルジックな未来」が見事に映像化されている。
藤子不二雄作品や​『チビラくん』​で育った世代なので、こういう「懐かしい未来」にはとても弱い。

いとうせいこうさんの、この2014年のタチ映画についての文章はとても良くて、これを読むと、また観たくなってくる。

今必要な笑いとは? いとうせいこうがジャック・タチ作品を語る(CINRA 2014.04.11)






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Last updated  2022.01.09 23:31:06
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