拱手抱拳礼:その3
さて武術の表演などで必ず使用される“抱拳”ですが、こちらは“挨拶での抱拳”とは形が違います。これを挨拶と間違える人はいないと思いますが、この“武術抱拳”も正しい形があります。表演大会などを見学していても、あまり注意を払っていない人が以外と目に付きます。 悪い例です。 私は私の老師のほか、北京で表演・武術大会の開催に関わっていらっしゃる先生方からも指導を受けました。 この“武術抱拳”の時の注意点は 「左手の全ての指をピンと伸ばし、親指を人差し指の付け根から離さない」 「右手の“ゲンコツも親指を離さない・立ち上げない、親指の爪の辺りを中指に付ける」 「両手で繋がれた腕の“輪”を胸の前でしっかり保つ(円では開き過ぎなので、楕円です)」 「組まれた両手をやや下回転させ、ゲンコツの指を相手に見せるようにする」 などです。また、この動作に入る時にも注意が必要です。両腿外側にある両手を自然に持ち上げるわけではなく、 「姿勢をしっかり正す」 「伸ばされた両腕(両手は両腿の外側)から大きな“輪”を描くように持ち上げ、両手が組まれたあとに、やや下回転させ相手にゲンコツの指を見せるように“グッ”と突き出し、“ピタッ”と静止する」 などです。私はほとんど表演大会には出場しませんが、主催の先生方から 「この“武術抱拳”も大事な審査項目に入っていることもある。」と伺いました。 正しい抱拳です。