|
テーマ:読書(9890)
カテゴリ:本
2026年、最初に泣いた本。青山美智子『月の立つ林で』 「気づいたら、涙が止まらなかった。」 2026年に入って、 いちばん最初に心を大きく揺さぶられたのが、 『月の立つ林で』(青山美智子)でした。 私は、ほぼ毎日Podcastを聴いています。 家事をしながら、移動しながら、 声だけが流れる時間が、生活の一部になっている。 だからこの物語の世界は、 どこかとても身近に感じられました。 特別な事件が起きるわけではないのに、 日常のすぐ隣にある感情や孤独、 「言葉にできなかった思い」が、 静かに、でも確かに描かれていく。 「ああ、こういう気持ち、知ってる」 そんな瞬間が、何度も訪れました。 そして、もうひとつ。 この作品で印象的だったのが、猫の存在。 前に出すぎない。 説明もしすぎない。 でも、確かにそこにいる。 人と人の間に流れる空気を、 少しだけやわらかくしてくれるような存在で、 猫好きとしては、思わずうれしくなりました。 感情を語らないけれど、 ちゃんと寄り添ってくれる。 この物語の温度感に、猫がとても合っていたと思います。 青山美智子さんの作品は、 『リカバリー・カバヒコ』 『人魚が逃げた』 『赤と青とエスキース』 どれも大好きで、 読後にしばらく余韻が残る作家さん。 本屋大賞に5年連続ノミネート、 しかも今回は「最高傑作」と聞いたら、 読まない理由がありませんでした。 伏線回収が、静かに、でも容赦なく効いてくるこの作品のすごさは、 「気づいたら伏線の中にいた」こと。 派手な回収ではないのに、 最後にそれらが一本につながった瞬間、 感情が一気にあふれてきます。 「そういうことだったのか」 「ここにつながるんだ」 声を出して泣くわけじゃないけれど、 涙が止まらなくなる、あの感じ。 2026年、 初泣きはこの本でした。 泣かされるのに、読後はやさしい重たい話ではない。 でも、軽くもない。 誰かの人生を、 ほんの少しだけのぞき見して、 その人の「回復」や「受け入れ」に そっと立ち会わせてもらったような感覚。 猫の存在も含めて、 この物語はずっと 声を荒げず、静かに寄り添ってくる。 だからこそ、 最後に涙が出たのだと思います。 『月の立つ林で』を読んで、 改めて思いました。 好きな作家さんがいるって、幸せだな。 この人の本なら、 きっと裏切られない。 次はどれを読もうか、と考える時間まで含めて、 読書の楽しみなんだと思います。 今年の100冊チャレンジ、 また一冊、忘れられない本が増えました。 日常の延長線にあって、 気づかないふりをしていた感情を、 そっとすくい上げてくれる物語。 猫が好きな人にも、 声のある世界が好きな人にも、 そして少し疲れている人にも、 静かにおすすめしたい一冊です。 2026年の最初に出会えて、 本当によかった本でした。 ▼他にも楽天ブックスにはお勧めの本が沢山▼ ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.01.10 00:00:06
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|