山海屋本舗

参院選を前にしてのビッグイベントになるはずだった党首討論だが、なんとも緊張感にかける結果となってしまったようだ。

　それが証拠に、問責決議だの不信任決議案だのを上げ荒れた当の安倍首相や麻生大臣は笑顔で談笑していたではないか。

　内閣支持率もほとんど下がらず。

　麻生大臣にその点を逆質問された記者は答えに窮していたものな。

　つまり、自民党からすると今の野党はまったく脅威ではないとみているということだ。

　多少、議席を落とすことはあっても政権交代は絶対にありえないとね。

　それもこれも民主党のおかげだ。

　大多数の国民が、かの政権交代のようなことはもうあってほしくないと考えているのだ。

　結局のところ、野党は批判ばかりで政権運営などできないのだとね。

　アメリカが２大政党制でありながら政権交代が可能であるのは、根っこのところで目指す方向が同じだからだ。

　最近は少し幅が広がったようだけどな。

　それでも「強いアメリカ」がその根本にあるのは間違いない。

　日本にはそれがないのだ。

　政権党は自民党だけで、後の政党が政権を担う能力が絶対的に欠けている。

　野党はまず、その点を素直に認識しなければなるまい。

　安倍政権を倒せといったところで、次も自民党政権には変わりないのだからな。

　そういう意味では自民党一党がアメリカでの共和党、民主党を兼ねていると言える。

　自民党も一枚岩というわけではないが、ゆるく求める方向性が同じ方向を向いているのだ。

　その中で、上手く人を回しているわけで、もはや、日本には自民党しか必要ないのかもしれない。

　もちろん、批判勢力としての野党は必要だと思うが、政権を担える野党が存在しない以上、野党が多数の議席を占めることは国政の停滞を招くので望ましくない。

　しかし、自民党にお灸をすえる絶好のチャンスがやってきている。

　それが年金と消費衛の問題だ。

　消費税は多くの識者が、増税により日本経済が致命的ともいえる打撃を受けると警告している。

　野党はなぜ彼らの声を利用しないのだ？

　年金だって、それだけでは生活が成り立たなくなることは分かっているのなら、それがどういう状態を招くのかを訴えないのだ？

　まさに党利党略に縛られて、攻め込むことすらできずに、気の抜けた党首討論でお茶を濁してしまった。

　そんな状態で内閣不信任案だなんて、そりゃ首相も財務相も談笑しているはずだよ。

　参院選で自民党にお灸をすえたいなら、もう少し考えて選挙に臨んで欲しいなあ。