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2006.11.14
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最近読む本がなくなり、最近といってもずいぶん前からだけど、読む本がなくなったといっても世の中にある本全て読みつくしたような言い方だけど、つまり本屋へ行っても新しい本を買いたくなくなってきて、家の中の本棚に飾ってあるだけの古い本をひっぱりだして読み始めてみたりしている。それで「竜馬がゆく」。
最近オレのまわりでちょっとした新選組ブームが沸き起こって、その流れで「燃えよ剣」を読み返して、幕末つながりということでたどりついた「竜馬がゆく」。
読み返すのはこれが2回目、ということは全部で3回読むことになるわけだけれども、細かいところとか忘れたりすっぽり抜け落ちていたり、一文字一文字を深く追っていくことで新しい解釈に気づいたりして3回目でも結構楽しめている。
最初に読んだときはあそこに書かれていることが全て事実だと信じていたものが、他の視点からみた小説とか記事とか資料とかから情報を仕入れたり、その果てに何度も読んだりすることで「ここはウソだろ」といった判断ができるようになってきていたりもする。歴史をテーマにしていても小説なわけだからもちろんウソでも全く読み手としてはかまわなくて、どの解釈をとるのもひとそれぞれだからこだわりを持つのも持たないのも自由。ただ、これは事実だろうとして推測できるのは、今こんにちに生きる我々の中に描かれている坂本竜馬というヒーロー像は、この小説のチカラによるところが少なくないと思える「竜馬がゆく」。
竜馬がゆくを読む。
「筆者は少し余談を書く。」とか「話を先にすすめる。」とかいって随筆と物語をいったりきたりするのもこの本の有名な特徴の一つでありおもしろいところなのだけれども、読み手としても、本の字面を目で追って頭の中にリアルな映像を展開することと並行して、幕末の人として描かれている日本人というか人物というかそういう古い人たちの精神世界が、例えば今現代にいる我々に当てはめてみて想像してみて、記録上の記号でしかなかった人ひとりひとりに、あくまでも想像で人格をひとつひとつ当てはめてゆくような作業も同時にしてみたりしている。具体的には、「池田屋事件」でもいいけれども、時代劇で敵と味方に分かれてちゃんばらのような闘争を繰り広げているだけのサムライの姿をひとつの「記号」とする。一方現代では、テロリストのアジトに機動隊が突入するシーンに象徴されるようなニュース映像もこれまた「記号」である。記号を集める。ターミナル駅に行き交う人の群れ。人の群れはあくまでも人の群れでしかなく、そこには自我は一切存在しない。存在しないように見えているだけで、個別に見れば、群れを形成する要素の一人一人に対して、個別の人格が個別に存在する、ともいえるかもしれないけれどもそれは幻想であって、「人の群れ」という「記号」を擬人化したにすぎない。木に生命が宿っていると信じることは勝手だし、実際生命のようなものが木にはあるのかもしれないけれども、木に生命はない。「木」自体に生命という概念がないからだ。木には言葉がないのだから概念が生まれるはずがない。木は生きているということを自覚していないといったほうがわかりいいかもしれない。
自然を大切にしようというが、自然は大切にされたがっていないし、神を信じるのは勝手だが、神は信じてもらいたがっているかどうか疑わしい。疑わしいものが神であるはずがないという屁理屈を述べるまでもなく、信じるものの心の中にだけ神はいるのだアーメン。
森羅万象あまねく全てを擬人化し、自分の気持ちと同じ気持ちを人でもモノでも何でも押し付けては、森が泣いている、猫がかわいそう、神は我を見捨てたもうたか。我々にんげんは自分以外の何者かに代弁させて同意をとりつけるべく画策し、あくまでも自分が正当であろうとする姑息で狡猾な生き物なのだ。こうして自らを貶めてオレが誰かに何を期待しているかということ一つをとってもその証明となりうるであろう。森は泣かないし、猫はまあかわいいが、神はいてもいなくてもどちらでもいい。己が身のみかわいい。自分の都合がよければそれでいい。それでいいのだ。
話がそれた。
無理やりこじつけると、ターミナルに行きかう「人の群れ」の個々に人格を設定してみること。それが、サムライに仮の人格をあてはめること、に似ている。
「サムライが人を斬る姿」は我々にとって時代劇等で馴染み深く、映像としては不自然なところは一つも無いように思える。しかし「斬られ役」に人格があると想像すると時代劇は限りなく不自然極まりなくなってくる。
家族は泣いているであろう。志半ばで斃れさぞ無念であろう。
斬られ役がかわいそうで仕方がないのである。





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最終更新日  2006.11.15 00:31:53
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