仕手株に手を出した
10/12の夜、株価の上昇率ランキングから人気株を探そうとチェックしていたら、ストップ高の銘柄を発見した。「SDホールディングス」業績的に上がる要素が見当たらない企業だし、上方修正が発表されたわけでもなかった。ところがこの日、14100円だった株価は16100円で2000円の値幅制限いっぱいまで高騰した。チャートは下落基調から今まさに暴騰へ転じようとしていた。掲示板もそわそわしていた。仕手筋の介入も噂されていた。先週金曜の相場の時点ですでに異変は起こっていた。出来高が普段の10倍ぐらいなのに、株価は全く動いていなかった。それがどういう意味なのか、オレにはよくわからなかった。しかし「暴騰するかもしれない感じ」のオーラをこの銘柄は出していた。「よくわからない株には手を出すな」という意味の格言があるけれども、よくわからないからといって指をくわえてじっとしている気にもなれなかった。金曜に買った「Jパワー」の値動きは相変わらず鈍い。2,3ヶ月もすれば20%ぐらいは上昇するかもしれないが、なにしろ資金が少ないから現金にしてもたかが知れてる。バクチのような相場に手を出すのは早すぎるかもしれない。しかし、何が起こってるのかわからないけれども、何かただ事ではないことが起っているということを知ってしまった以上、無視できなくなった。様子を見て、明日もこの勢いが続くようなら買ってみようと思って寝た。翌10/13の朝。「SDホールディングス」のボードに注目した。9時20分。まだ寄り付いておらず、大量の買い注文は17100円まで推移していた。少し目を離した9時半過ぎ、17000円台で最初に寄り付いた後、16000円台まで下げ戻していた。その瞬間、「あ、ないな」と思った。一旦昨日の終値付近まで戻したことが「勢いが衰えた」ように見えたからだ。この波に乗ることをオレは止めた。しかしすぐに、それは間違った判断だったと気付いた。10時15分、値はストップ高を指していて、そこからはがれそうにもなかった。あわてて成り行きで買い注文を入れたが、いつまで経っても約定しなかった。買い注文5000株に対して、売りはその10分の1ぐらいだったからだ。最初からなりふりかまわず買いを入れておくべきだったと後悔した。明日の寄り付きで約定したとしても、株価にして最大2000円、現金だったら2万円のビハインドをオレは、一瞬の迷いで持つことになってしまった。そして翌10/14朝。口座に残っている買い付け可能額は20万と少し。さらに暴騰を重ねるとしたら今日がオレにとって最後のチャンスだ。すでに「祭り」が始まってから3日目。買い気配先行で始まった相場は10分経っても20分経っても寄り付かない。今日はほとんど直線的にストップ高を目指しているようだ。やがて9時52分。オレの成り行き10株の買い注文は、20100円のストップ高でようやく約定した。その後相場は一瞬だけ値を下げ、またすぐにストップ高に張り付き、そのまま動かなくなった。ぎりぎりのラインだった。明日から暴落が始まるかもしれない。あるいはこのまま、上へ突き抜けるかもしれない。いや突き抜けてほしい。波には乗った。あとは波次第。