サラ金の実態調査結果発表 12日の日記
クロニクル サラ金の実態調査結果発表 1978(昭和53)年10月12日39年前です。この日,警視庁はサラ金等貸し金業に関する実態調査の結果を公表しました。この時期は、サラ金等による40~60%という高額な利息と苛烈な借金の取立てが社会問題化していた時期でした。調査によると、同年1月から8月までの8ヶ月間で借金苦による自殺者130名、蒸発等行方不明者1,502名、自殺者の88.5%が男性、女性は主婦が大多数だったと報告されています。また特に女性の借金の大部分は、30~50万円の小口で「家計のやりくりのために借りたが、利息があまりに高く、元金が減らずに困っていた」人だったという実態が示され、また家出人の多くが20~40代だった事実も明らかになりました。ここに、サラ金規制の必要性が明かになったのですが、サラ金等からの政治献金がネックになったのか、国会での審議はなかなか進まず、世論やマスコミの指弾を受け、ようやく「サラ金等規正法」が成立をみたのは、なんと1983年11月でした。警視庁による実態調査発表の5年後です。ここで留意したいことは、この時の規制が高利規制、過剰融資規制、強制取り立て規制の3点の眼目を持っていたことです。それでも、利息制限法の上限金利とは別に、出資法に定めるより高い上限金利という2種類の上限金利が併存したために、サラ金各社は、「グレーゾーン」と呼ばれた出資法の上限金利を適用して、高収益をあげていました。こうした実態に対する批判に対しても、「金利を下げれば生活困窮者は融資を受けられなくなる」との主張が業界寄りの議員や官僚からしきりに出され、2006年の最高裁判決で、「グレーゾーン金利は違法であり、その差額は過払い金として返還される必要がある」とされるまで、より高い金利が適用され続けました。その後、過払い金返還請求が殺到し、返還に追われた業界が不振に陥ったのは、まさに自業自得というべきでしょうか。そしていまや、サラ金各社はメガバンクの傘下に入り、メガバンク各社は、臆面もなく競って自行のカードローンのCMに血道をあげるなど、正当な融資ではなく、まさにサラ金のお株を奪う高利貸しと化しています。何とも嘆かわしい時代になったものです。