ザビ神父の証言

2011/01/23(日)20:18

アリゾナの銃撃事件を考える (6)

社会風俗(2014)

アリゾナの銃撃事件を考える (6) オバマ大統領が、"capture or kill" と口走り、CIAが暗殺リストに載せているアン・ワル・アラウキ容疑者の父親は、「息子を暗殺しても良いとする、客観的基準」の開示を求めて、米国の裁判所に提訴しているのですが、政府もCIAも、今日まで何の回答もしていません。 ウィキリークスによる、米国の外交文書の暴露問題についても、米国政府や議会の対応には、首をかしげざるを得ない発言や行動が、多々あります。創始者のジュリアン・アサンジ氏に対し、堂々とテレビで「アサンジを始末しろ」と叫んでいる議員が、何人もいることです。 ウィキリークスが入手した外交文書は、同社が盗み出したものではありません。内部告発者であるブラッドリー・マニング氏から、提供を受けたものです。ですから、ウィキリークス社や、責任者のアサンジ氏に、窃盗罪を適用することすら無理なのです。 アサンジ氏とウィキリークスは、提供された情報を少しづつ、公開する作業を進めているに過ぎません。これはまさしくテレビや新聞、雑誌などのメディアが、日常的に行なっていることと同質のものです。 ウィキリークスから情報提供を受け、それを紙面に掲載した報道機関も多々あります。イギリスのガーディアン、ドイツのシュピーゲル、アメリカのニューヨーク・タイムズなどが該当するのですが、こうした報道機関は、お咎めなしで、何故ウィキリークスとアサンジ氏のみを攻撃するのでしょうか。 しかも、窃盗容疑で逮捕しろではなく、「殺してしまえ」なのです。裁判にかけても有罪に出来る自信はない。しかし、彼とウィキリークスは邪魔で危険だ。だから始末してしまえ。こういう発想が透けて見えます。 だからこそ、国会議員という公人が、マスコミを通じて、白昼堂々「アサンジを暗殺しろ」と叫んでも、何の咎めも受けないと言えましょう。現在のアメリカは、ここまで倫理的に腐敗してしまっているのですね。私は、この事実が残念でなりません。                                 続く

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