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怪鳥の【ちょ~『鈍速』飛行日誌】

2005/06/11
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カテゴリ:有川浩作品

『海の底』


有川浩/著(メディアワークス刊)

待ちに待った、有川浩さんの第3作『海の底』です。
海自もので潜水艦もの、という先行情報を聞いていたのですが、僕の印象では・・・・・・
機動隊もの。
いやぁ、仕事にかける『漢』の生き様を見せてもらった感じ。
結構、漢泣きしそうなシーンも・・・・・(T_T)
この作品の『属性』は『機動隊 燃え』(『萌え』でも可w)です!(←うそ)

さて、物語は横須賀基地の桜祭りから始まります。
多数の民間人が訪れるなか、『海に底』からヤツらはやってきました。
『レガリス』
人を喰らう巨大エビ。
その数は・・・・・・推し量る事すら出来ないくらいの大群。
人々はパニックに陥ります。
いち早く対応する警察ですが、敵は未知の巨大エビ。
彼等が治安維持として相対するのは常に犯罪者。
未知の大型生物を倒す術など持とうはずもなく・・・・。
がむしゃらに要救助者へと走る機動隊。
しかし、ヤツらの存在はあまりにも警察の対応能力を越えていた。
苦慮する対策本部。

その頃、横須賀港では逃げ遅れた13人の子供達と二人の自衛官が、接岸していた潜水艦内に取り残されて・・・・・。


『海の底』は『空の中』に比べて、さらに怪獣映画の様相が濃くなっているように思います。
未知の巨大生物の対応に苦慮する警察や自衛隊の姿が、より突っ込んで書いてあります。
特に、現場の人々の姿。
『事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!』
なんて名台詞どっかにありましたが、このお話もそこのところがクローズアップされているように思います。
日本の警察組織や自衛隊組織の抱えるいろいろな問題。
ホントに『怪獣』が出現したとき、僕たちはどうなるんだろう?
警察や自衛隊に関しては「上層部」と「現場」間の確執やその「在り方」に関する矛盾なと、結構な問題提起がなされているように思います。
ぜひ、現場の警察官や自衛官、それから幹部の方々に読んでいただいて意見を聞いてみたいものです。

治安維持部隊の方の話ばかりしてますが、実はこのお話のもうひとつのスジとなる物語があります。
それは狭い潜水艦の中に閉じ込められた『子供達』と『自衛官』のふれあいです。
読めば判りますが、狭い艦内で繰り広げられる物語もまた、考えさせられるものがあります。
ちなみに作者が女性のため、女性にしかわからないような苦労まで結構しっかりかきこまれています。
女の人って、大変。
(しかし、追い込まれると『強い』のは有川ヒロインの定番になっているような気がしますねw)
あと、親と子の関係や教育に関する問題、若年層の心の問題までもが絡み合って物語は進みます。
果たして横須賀は巨大エビの襲来から救われるのか?!
そして、潜水艦内に閉じ込められた少年たちの運命は!!

で、怪獣ものだけどあくまで『有川作品』なのはやっぱりラストかな。
普通の怪獣ものだったらやっぱり
『あれが最後の一匹とは思えない・・・・・・』ってゆーのが定番なんだけどねw

今回のお話は現代日本が抱えたいろいろな問題を露わにした物だと感じました。
きっと、日頃作者が抱えている心の叫びを結晶化したようなお話なんでしょう。

総論として、
電撃文庫のメインな読者層からはさらに遠ざかったような気がしますね。
でもその分、いろんな人に読んでもらえるのではないでしょうか?
子供を持つ親、現場で働く警察官や自衛官、はたまた冷遇されている研究所員(wなど・・・・・
そんな人たちに読んでもらって、是非感想を聞いてみたいものです。

さてみなさん、
これは、あくまで僕の感想です。
でももし、この感想を読んで心を惹かれる『なにか』があったとしたら、読んでみてはいかがですか?
もしかしたら、あなたの『傑作集』に入る作品かもしれませんよ。
オススメの作品です。


有川浩さんの作品は、すべて現在絶賛発売中ですよ。




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最終更新日  2007/11/03 12:26:18 AM
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