テーマ:お勧めの本(7212)
カテゴリ:有川浩作品
『阪急電車』
有川浩/著(幻冬舎刊) 阪急電車 本ブログ勝手に推奨作家、有川浩さんの新作です。 この作品は「papyrus 2007.4(Vol.11)」から「papyrus 2008.2(Vol.16)」までに連載された作品に、書き下ろしが追加されて一冊にまとめられたものです。 題名の通り「阪急電車」・・・・その中でもマイナーと思われる今津線が舞台になっています。 作者さんのインタビュー記事やあとがきを読むと、これが当初から今津線の往路分を連載、復路分を書き下ろしという構成で企画されたもののようです。 なかなか面白い試みですね。 これなら、連載を読んでいない人は当然、読んでいた人も楽しめますよ。 後者の僕は、なんとなく作者さんや出版社の手の上で踊らされているような気がしますけど、ここは敢えて踊らされる方向で・・・・・・w(^^ゞ←そのくらいの価値が、書き下ろし部分にあるってコトですよ。(^.^) ちなみに、連載時の個人的感想は以下の通り。 ・「阪急電車-宝塚駅編&宝塚南口編」を読む ・「阪急電車-逆瀬川駅編」を読む ・「阪急電車-小林駅編」を読む ・「阪急電車-仁川駅編」を読む ・「阪急電車-甲東園駅編」を読む ・「阪急電車-門戸厄神駅&西宮北口駅編」を読む 連載の最終回を読んだとき、復路分が単行本化の際に書き下ろされると知りました。 正直、連載で走っていたその列車が、そのまま折り返して復路を戻っていくときの新しいお話だと思っていたんですよ。←僕が感じた伏線らしき場面は、まったく関係なかったwww(^_^;) でも、実際読んでみると、電車は復路を走っていますが時間軸は半年過ぎていました。 つまりどういうことかというと、 往路で登場した人物達の「その後」が読める仕様になっているってコトです! 征志くんも、翔子さんも、亜美ちゃんも、ミサちゃんも、えっちゃんも、 往路で電車に乗ることで、少しだけ関わっていった人達の「未来」が書かれています。 「恋の始まり」であったり、「別れ」であったり、「運命の出逢い」であったりした出来事が、彼らの未来にどういう変化をもたらしたのか? ・・・・・ ・・・・ ・・・連載中に、1話だけでも読んで、登場人物達の「その後」が気になっていた人は、特に単行本版を読んでみてください。 彼らは今でも一生懸命生きています。 そして、少しだけ変わってしまった生活を、それぞれ前向きに生きていますよ。 「袖振り合うも多生の縁」と言うことわざがあります。 これは仏教の「輪廻転生」「生まれ変わり」という思想から出た言葉で、『すべては理由のないただの「偶然」ではなく、縁によって定められた「必然」である。 仏教の基本理念である「因果応報」につながる』という考え方によるものですよ。 コレの誤用で「袖触れ合うも多少の縁」と言う言葉が使われています。 『道で人とすれ違った時、袖がわずかに触れ合ったようなささいなことでも、それは多かれ少なかれ「縁」である。人の「縁」は貴重なものであるから、出会いは大切にしなければならない』 こんな感じで使っている人が多いのではないでしょうか?←僕も、高校生まではそうでした。(^^ゞ 国語教師に言わせると、「それは間違いっ!」となってしまうのでしょうが、僕らの人生は、案外コレで成り立っていると思うのですよ。 最初はほんのわずかな「縁」でも、それがかけがえのない大切な「絆」になることもある。 思い出してみてください。 あなたの隣にいる人との「絆」は「多生の縁」からはじまったものですか? それとも「多少の縁」から始まったものですか? そしてお待ちかね。 有川作品を形作る上で大切な要素が「恋愛」です。 今回も、期待に違わず恋愛度は「高め」に設定されておりますよ。(o^^o)←特に後半は、ちょっと深い部分もあるかなぁ・・・・。 その方面がお好きな方は、充分楽しめることと思います。(^.^) あと、阪急今津線沿線にお住まいで、地元に愛着のある方々。 僕は数度しか利用したコトがないのであまり大きな事は言えませんが、今津線沿線在住という作者さんの「愛」で、その魅力が十分に引き出されていると思います。 是非読んでみてくださいね。←正直、今津線沿線にお住まいの方がこの作品を読んで、どういう風に感じたのかにも興味があるトコロですよ。(-.-) さて、通勤通学で毎日電車を利用している方も多いでしょう。 あなたは携帯プレーヤーのヘッドフォンで、耳を塞いだりしていませんか? それは、ちょっともったいないことなのかも知れません。 たまには、車内の喧噪に耳を傾けてみませんか? 案外そこには、今まで気付かなかった「縁」や「絆」が、あなたを待っているかも知れませんよ。(^.^) <追記> 今回も、カバー装画は徒花スクモさん。 図書館戦争以来のゴールデンコンビですよ。 相変わらず、良い雰囲気だしてますね。(^.^) 特に、表紙裏のイラストは、図書館シリーズのコンセプトを継承しているのかな? 作品を読んでから改めてみると、また楽しめますよ。 さらに追記として、 本書の作者紹介欄に、次の連載作品が紹介されていますよ。 別冊文芸春秋に2008年3月号から読みきり連載が開始されるそうです。 作者さん公認・非公式サイトの日記によると、題名は「三匹のおっさん」 挿絵は、漫画家の須藤真澄先生だそうです。 僕は、この須藤真澄さんの名前を存じ上げなかったのですが、相棒くんに訊いてみて理解。 そうか、「ゆず」の人か。←これは、すぐに絵が浮かんだ。 有川さんもファンだそうなので、作品のイメージに合った絵なんでしょうね。 新作の連載も楽しみですが、これは挿し絵も期待度大ですよ。(^.^) ゆず 個人的「有川浩作品」感想一覧 航空機写真を中心とした個人サイトです(^.^) 是非一度、お立ち寄りください。<(_ _)> 宇宙開発関連の写真や、アラスカ旅行記もあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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