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カテゴリ:漢字の知識
前回は「本 ホン 肉 ニク 絵 エ・カイ」などが日本語として意味が分かるから、うっかり訓読みだと思われがちだというお話でした。
次は、音読みと訓読みの区別を使って、熟語の読み方のお話。 熟語の読み方は原則的に 上の漢字を音読みで読んだら下の漢字も音読み (音+音の法則) 上の漢字を訓読みで読んだら下の漢字も訓読み (訓+訓の法則)で読みます。 高校時代にモーツァルトの「魔笛」を「まぶえ」と読んでみんなの失笑をかった子がいました。「マ」は音読みなので、次の「ふえ・テキ」は音+音の法則で読み、「マテキ」というのが正しい。どうしてそう読まなくてはいけないのか、その子は納得いかないようでしたが、一応、音音・訓訓のどちらかで読むのが約束です。 ところが、言葉は法則性を破るのが特性というか、音音・訓訓の法則を破る読み方があります。 それが下記の2つ。 1)重箱読み 上の漢字は音読みで下の漢字は訓読み「音+訓」「ジュウばこ」 2)湯桶読み 上の漢字は訓読みで下の漢字は音読み「訓+音」「ゆトウ」 重箱読み 例〉縁側 本場 台所 毎朝 湯桶読み 例〉場所 見本 身分 夕刊 重箱は説明すればすぐわかってくれる子が多くて、お正月のおせち料理や花見のお弁当、うな重などに使われる漆器の箱のこと。 ところが、湯桶の方は説明しておかないと勘違いされます。湯桶を「ゆおけ」と読んでお風呂で使う「おけ」のことだと思う子が多い。湯桶は蕎麦(そば)屋で、ざるそばなどを食べたあと、おつゆを薄めて飲むためにそば湯を運んでくれることがありますが、そのそば湯を入れる器のこと。最近ではそば湯を運んでくれる老舗のお蕎麦屋さんも少なくなりました。 なんて話をしても子どもたちはピンとこない様子。ホント湯桶なんて死語なんです。それならいっそ重箱読みと湯桶読みなんて、具体例で呼び名をつけるのは止めて「音訓読み」と「訓音読み」と名称変更してくれれば良いのに。指導する側もこういう呼び名があるから覚えておけでは済まされない部分があります。…つづく 【今回の記事が役に立ったと思う方はクリックお願いします。】 → と お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/03 01:43:24 AM
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