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カテゴリ:漢字の知識
前回は漢字の部首を考えるときは、漢字のもともとの意味(原義)までさかのぼって考えないと間違えることがあるというお話でした。漢字の部首の記事を書くにあたり、改めて漢和辞典を読み返しながら書いていますが、漢字の意味の変遷は正直よく分からんです。なんでそう変わったのか納得いかないことが多い。以下、前回に続き、残りの注意する部首を取り上げておきます。
のぶん・ぼくづくり・ぼくにょう(三つとも同じもの) 改 攻 政 敢 うつ・使役する・強制する ちなみに、「牧」は意味から考えても「うしへん」です。 かいへん 買 貨 貧 購 お金に関係する おおがい 頭 額 顔 頂 容姿・頭部を表す。 (貝に似ているだけで、「おおがい」という) こざとへん 阪 防 険 陵 高台や盛り土、丘という意味。 おおざと 郊 郡 都 郷 集落・まち・都市という意味。 右側に来るのは「おおざと」左側「へん」の位置に来るのが「こざとへん」です。大きさも違いますね。「険」を「こざとへん」だから、小高い山のイメージで考えると、「険しい(けわしい)」という意味もなんとなくわかります。一方、「おおざと」を使う「郊外」とは「郊」が「まち」だから「まちのそと」ということです。 るまた(ほこづくり)殺 殴(なぐる) なぐる・こわすという意味。 うかんむり 家 宅 守 室 家の屋根を表す。 あなかんむり 究 空 突 窮 あな・くぼみなどの状態 「空・究」をうっかり「うかんむり」と答えて失敗する子がいます。正しくは「あなかんむり」です。 こころ(したごころ) 思 想 恋 心の働き・状態を表す りっしんべん 悟 情 快 同じく心の働き・状態を表す。 「りっしんべん」は漢字で「立心偏」と書き、「心」という字が立ち上がった部首です。「恋」という字は「したごころ」。なんて覚えてください。 れんが(れっか) 熱 燃 煮 焦 火や炎を表す。 ふるとり 雀 集 雄 雑 鳥を表す。 「集まる」は木の上に鳥の群れが集まっているところからできた。 にんにょう(ひとあし)兄 児 先 人を表す。 がんだれ 厄 厚 原 がけ・岸・石を表す。 まだれ 広 床 店 庭 屋根や建物を表す。 やまいだれ 疫 病 疲 痛 療 病気を表す。 「がんだれ」「まだれ」「やまいだれ」と画数順に押さえておきましょう。 ちなみに、「がんだれ」は「雁(がん)」という鳥の名でも使われますが、「雁」の部首は「ふるとり」で「がんだれ」のほうは読みを表すそうです。「雁(がん)」という字に使うから「がんだれ」って覚えた方がラクです。 しんにょう(しんにゅう) 道 遠 近 送 道路や進退を表す。 えんにょう 延 建 引く・引き伸ばすという意味。 はこがまえ 区 匹 医 はこを表す。 かくしがまえ 匿 かくす・かくれるの意味。 うけばこ 画 函 凶 口を開けた入れ物の意味。 常用漢字では「はこがまえ・かくしがまえ」の区別がなくなっていますが、「匿」は「匿す(かくす)」と読んで、投稿はがきなどを送った時に匿名希望(とくめいきぼう)「名前をかくしてほしい」という意味で使う漢字です。今でも「特名希望」と書き間違える人が多いとか。 以上、漢字のイメージをつかむために理解しておくとよい部首とその意味をまとめてみました。もとの意味とは変わってしまっているものもありますので漢和辞典で調べてみるといいでしょう。しかし、意味の変わり方は私自身が納得のいかないものも多数あります。漢字の部首の歴史をきちんと調べるというだけで「博士」になれます。ただし、有名なものは漢字の部首を知らないと、電話などで相手の名前や住所の漢字がわからなかったり、自分の名前や住所を伝えられなかったりするはめになりますね。今回の記事はホント書くのがしんどかった。どうせならアニメやカルタで楽しく覚えてください。 …… おしまい。 【今回の記事が役に立ったと思う方はクリックお願いします。】 → と お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/03 01:29:23 AM
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