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カテゴリ:国文法(ことばのきまり)
今日はいよいよ文法のお話の本編に入ることにします。文法の基礎になるのが『文節と単語』です。中学受験と中学1年生用の解説と中3高校受験用の解説を分けてお話します。今日は中学受験・中1用解説から。
【中学受験・中1用解説】 まず「言葉の単位」ということから説明します。一番大きな言葉のまとまりは「文章」です。次に「段落」。そして、句点「。」で区切られる「文」という順番です。 「文章」→「段落」→「文」 とここまではいいですね。 さらに、細かく区切っていくと 「文章」→「段落」→「文」→「文節」→「単語」 となります。 一番最後の「単語」が『言葉の最小単位』と言ってこれ以上細かく分けることはできません。文を細かく区切った言葉の単位「文節と単語」というのが新出ですね。中学受験または中学校1年生で初めて習うのです。その「文節と単語」とは何か、それぞれ見て行きましょう。 1 文節 文はさらに細かく「文節」に分けることができます。意味が壊れないように文の途中に「ネ・サ・ヨ」を入れながら読んでみます。そうしてできたまとまりを「文節」といいます。次のような文で考えて見ましょう。 例)きのう、俺は弟と公園に行った。 これを文節で区切ると きのう(ネ)俺は(ネ)弟と(ネ)公園に(ネ)行った(ヨ)。 となります。「ネ」を使わずに少し不良っぽく読んでみると、 きのう(ヨォ) 俺は(ヨォ) 弟と(ヨォ) 公園に(ヨォ) 行った(サ)。 なんて区切ってもよろしい。いくつの文節に区切ったか数えてみると、全部で五文節の文だということが分かります。 【練習】次のような例はどうでしょう。文節に区切って文節の数を数えてみてください。 きのう、俺は弟と公園に行ってみた。 朝起きたときは、辺りはまだ暗かった。 正解は きのう(ネ)俺は(ネ)弟と(ネ)公園に(ネ)行って(ネ)見た(ヨ)。 【六文節】 朝(ネ)起きた(ネ)ときは(ネ)、辺りは(ネ)まだ(ネ)暗かった(ヨ)。 【六文節】 自分が区切ったのと違うぞという人もいると思います。普通、文節で区切るときは、「~て・で」に出会ったら、必ずそこで区切るようにしてください。「ネ・サ・ヨ」で区切るとだけ教えてもらっていると、3割くらいの人が「~て・で」の後で区切らない人が出てきます。また、「とき・こと・もの」などひらがなで書かれている名詞の前では必ず区切ってください。うっかり区切らない人がいますので注意しましょう。どうしてそこで区切らなければいけないのかは一通り文法を学習してから戻って考えないと理解できませんから、とりあえずそうやって区切るのだと考えておいて下さい。 ◎ 文節区切りのポイント 文を「ネ・サ・ヨ」を入れながら文の意味が壊れないように区切る。 ただし、「~て・~で」に出会ったら、後で区切る。 「とき・こと・もの」の前で区切る。 ということを忘れないようにしましょう。 2 単語 「単語」は文節に区切ったものをさらに細かく区切ったまとまりです。先ほどの例でもう一度見てみましょう。 例)きのう、俺は弟と公園に行った。 きのう(ネ)俺は(ネ)弟と(ネ)公園に(ネ)行った(ヨ)。 上記のように文節で区切ったものを、単語に区切ってみます。区切れ目に 」 をつけてみます。 きのう」 俺」 は」 弟」 と」 公園」 に」 行っ」 た」。 文節に区切ったときよりもさらに細かくなっているのは分かりますか?単語に区切るときのコツは、辞書で意味調べをするつもりで言葉のまとまりを考えながら区切って行くことです。 最初の文節だった「きのう」は「き-の-う」とバラバラにしてしまっては辞書で言葉を調べることはできません。「きのう」で一単語といいます。 さらに「俺は」は、そのまま辞書に載っているわけではないので、「俺-は」と考えて「は」を取り外します。そうすると「俺」という言葉を辞書で調べることができます。「俺」と「は」はそれぞれ別の単語というわけです。 あとは同じ要領なのですが、最後の「行った」はどうでしょう。「行った」というのが「行く+た」と見抜いて「た」を取り外せたら正解です。 「食べた」「遊んだ」「寝た」などもそれぞれ「食べる+た」「遊ぶ+だ(た)」「寝る+た」と考えるのです。 【練習】次の文を単語に区切ってみて下さい。先ほどと同じ例文です。 きのう、俺は弟と公園に行ってみた。 朝起きたときは、辺りはまだ暗かった。 正解は きのう」、俺」 は」 弟」 と」 公園」 に」 行っ」 て」 み」 た」。 朝」 起き」 た」 とき」 は」、辺り」 は」 まだ」 暗かっ」 た」。 【補足解説】 「行ってみた」は「行く+て」「みる+た」 → 行っ」 て」 み」 た」 「起きた」は「起きる+た」→ 起き」 た」 「暗かった」は「暗い+た」→ 暗かっ」 た」 になることはちゃんと見抜けたでしょうか。 ◎ 単語区切りのポイント 文を文節に区切ったあと、文節ごとに辞書で意味調べをするつもりで言葉を区切っていくのです。 中3高校受験用の解説は今日の分が長くなりそうなので明日に回すことにします。……つづく。 【今回の記事が役に立ったと思う方はクリックお願いします。】 → と お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/03 08:58:05 PM
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