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受験国語の目安箱

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2005/07/04
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カテゴリ:語句の知識
 昨夜はまた、楽天ブログのメインテナンスでした。おいでいただいた皆様には申し訳ありませんでした。原稿を送信したとたん、利用停止になり、原稿が消失しました。今回は2/3書いたところでメモ帳にバックアップしてあったのでそこから書き直しました。ブログの中でも楽天はメインテナンスが多いというのはよく知られた事実ですが、原稿消失は今回で3回目。ふうっ。ちゃんとお知らせに気づいてないとやられます。

 さて、対義語20問一度に出してしまったので、先に一通り答えを掲げておきます。もしかすると思っていたのと違うというものがあるかもしれません。問題集などでやらせるときは、ただ覚えろで済ませてしまう指導も多いのですが、どこかでちゃんと解説してもらわないと、普通はずっとおざなりのまま大学受験を迎えることになるのかも知れません。

【昨日の問題の解答】

次の熟語の対義語を考えてください。20問あります。

1 主観 ⇔ ( 客観  ) 2 具体 ⇔ ( 抽象  )

3 絶対 ⇔ ( 相対  ) 4 精神 ⇔ ( 肉体/物質 )

5 創造 ⇔ ( 模倣  ) 6 原因 ⇔ ( 結果  )

7 供給 ⇔ ( 需要  ) 8 義務 ⇔ ( 権利  )

9 慎重 ⇔ ( 軽率  ) 10 平和 ⇔ ( 戦争  )

11 拡大 ⇔ ( 縮小  ) 12 理想 ⇔ ( 現実  )

13 個人 ⇔ ( 社会  ) 14 許可 ⇔ ( 禁止  )

15 自由 ⇔ ( 束縛  ) 16 保守 ⇔ ( 革新  )

17 単純 ⇔ ( 複雑  ) 18 形式 ⇔ ( 内容  )

19 生産 ⇔ ( 消費  ) 20 破壊 ⇔ ( 建設  )


とりあえず最初の3問だけ解説しておきましょう。

1 主観 ⇔ 客観

 『主観』は「自分の立場」からものを見る立場のことです。『客観』は「他人の立場、多くの人が納得できる立場」でものを見るということです。

 「それは主観的な意見だ。」と言われたら、独りよがりな個人的な意見だということになります。例えば、「あの人かっこいい。」と友達に話しかけても「全然よくない。」と言われたりします。「あの人かっこいい。」というときのAさんの「かっこいい」とBさんの「かっこいい」とは違っていることになりますね。それはお互いに主観でものを言っているからです。自分の物差しでしか見ていないからです。ところが、何人もの人に意見を聞いていくと「確かにかっこいい」と思う人がたくさん出てきたりします。そうすると、自分の意見は客観的であったということになるのです。変でしょう?ここから言えることは、主観と客観は本当は全く反対の関係にあるのではなくて主観の延長線上に客観があるということです。多くの人が同じ考えを持つとそれは主観ではなく客観になるのです。主観から始まって他人の考えも取り入れて、あるいは含めて考えられるようになると客観ということになります。
 
 実は客観にはもう一つの意味があります。別の例を出しておきましょう。昔、人類は「太陽が地球の周りを回っている。」(天動説)と考えていました。ところが、ガリレオ・ガリレオという人がコペルニクスが既に唱えていた「地球の方が太陽の周りを回っている。」(地動説)という説に証拠を示して言いました。ところが、これはどちらが正しいか裁判になり、裁いた方の教会は宗教的な理由もあって納得せず、ガリレオを処刑してしまいました。皆さんはいまどちらが正しいか分かっていますね。地動説の方が正しいのです。多くの人が納得行かなかったけれども、証拠を示し、ちゃんと筋道を立てて考え、たとえ一人ぼっちになっても地動説を唱えたガリレオの方が客観的だったのです。ここから言えることは、多くの人は納得できないかもしれないけれど、ちゃんと根拠や証拠を示し、筋道を立てて考えてみる見方を客観的というのだということも覚えておいてください。

 客観という言葉の2つの面を説明しましたが、国語の問題の答えを考えるとき、多くの人が納得してくれる答えとなっているか、また、ちゃんと根拠や証拠のある、筋道を立てた考え方で答えを導き出しているかが客観的な解答を書く鍵だと考えています。

2 具体 ⇔ 抽象(ちゅうしょう)

 これは小・中学生にとっては意味を考えるのは難しい漢字です。「具」は訓読みすると「具える・具わる」(そなえる・そなわる)と読みます。「持っている・そろっている」という意味です。「体」はからだという字ですが、「正体、体裁(ていさい)、風体(ふうてい)」などと使って「姿・格好・形」の意味も表します。そうすると、具体とは「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」という意味になります。

 また、具体の類義語に「具象」という言葉もあります。以前、象(しょう)は訓読みで「象る」(かたどる)と読むのだというお話をしました。動物の「ゾウ」という意味ばかりではありません。「象る」は形をとるところから「形・姿」などの意味です。「像」と「象」は意味が重なる部分があるわけです。ですから、具象も「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」という意味になります。

 一方、抽象の抽は「抽選・抽出(ちゅうしゅつ)」などと使い「取り出す」という意味です。くじ引き抽選なんて使いますね。そうすると、抽象は、象の意味も考え合わせて「姿・形を取り出したもの、姿・形を取り除いたもの」となり、言い換えれば「姿・形のないもの」ということになります。

 具体とは「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」抽象は「姿・形のないもの」と押さえたうえで、お話を進めます。

 具体と抽象の例を挙げておきましょう。具体は「姿・形のあるもの」ですから、目に見えるものは具体です。机・本・イス・かばん……。一方、形のない抽象は目に見えないもの、愛・勇気・友情・平和・努力など。それぞれ挙げたらキリがありませんね。具体と抽象、だいたいイメージがついたでしょうか。

 さて、国語でよく問題文中にある、「具体的に述べなさい。」なんて書いてあることがありますが、どんな答え方をすればよいのでしょうか。

 「あなたは何が好きですか。」と聞かれて、「フルーツです。」と答えるよりは「イチゴです。」と答えたほうがより具体的な答えだと言われます。具体的とは例を挙げるということです。ちゃんと名前を出して答えるということです。国語の問題で具体的にと聞かれたらこんなふうに、ものやことがらの名前(地名や人名などもそうです)をいうか、数字を挙げて言ったり、本当にあったできごとをいうと具体的に答えたことになります。これは「具体的に述べなさい。」と聞かれたときの答え方のコツなので覚えておきましょう。

3 絶対 ⇔ 相対

 この場合はペアという意味の「対(つい)」ではなくて、の「対」は「対面・対比」などと使うときの「向かい合う・比べる」という意味です。絶は「絶つ・絶える・なくなる」ですから、絶対というのは「ほかと比べることを絶つ・ほかと比べない」という意味です。一方、相対は「相(あい)対する」ですから、「お互いに比べる」ということです。

 今では、子どもたち自身が、集団の中でほかの子と自分の成績を比べない「絶対評価」とほかの子と自分の成績を比べる「相対評価」なんていう言葉を知っていますから、それでイメージがつくのかもしれません。少し言い換えた意味での捉え方も挙げておきましょう。絶対は「ほかからの影響を受けない」、相対は「ほかからの影響を受ける」という意味で使うこともあります。

 ところで、国語の読解問題の解答に絶対に正しい答えというのは存在しません。大まかに的を射た、相対的によりよい解答というのが存在するだけです。たとえ模範解答であっても、ほかの表現のし方をする別解が充分ありえます。答えを選択肢の中から選ぶ問題であっても、その選択肢の中から最も適切な答え、他と比べて相対的によりよい答えを選ぶということをやっているに過ぎません。国語の正解とは相対的に正しい答えであるということも言えるのです。

 今日取り上げた対義語を拾ってまとめておくと、受験国語では、より客観的な考え方で、より具体的な、そして相対的によりよい答えを探すのが重視されているということができます。

 こういったお話は小学生には少し早いのでしょうか。少なくとも中学生には分かってもらいたいですね。ぐちゃぐちゃしゃべっておりますが、対義語の意味をしっかり検討しておくことは国語力の伸長には必要不可欠だと考えています。4~10の解説は次回以降に回すことにします。

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【追記】以前、天動説を信じている子どもが増えているという記事がメディアを賑わせていました。ネット上で「天動説・地動説」で検索すると面白い記事がいくらも見つかります。





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Last updated  2005/07/04 01:57:41 PM
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