連用修飾語(副詞)の働き
中学校教科書「教育出版」一学期期末テスト範囲に合わせて文法のお話をずっとしてきました。今回は「敬語」に引き続いて中3範囲から「連用修飾語(副詞)の働き」です。今日で一応、一学期文法のシリーズのお話を終えることになります。連用修飾語(副詞)の働きまず、連用修飾語とは何だったでしょうか。おもに用言(述語)を説明する言葉でした。例)1 公園に行く。 2 美しく咲く。 3 ゆっくり(と)歩く。 上記の例の傍線部分が連用修飾語です。あとに来る用言(述語)を詳しく説明しているのは分かりますか。連用修飾語といっても1、2、3のそれぞれは少しずつ性質が違います。1 「公園に」 → 名詞+助詞 2 「美しく」 → 形容詞の連用形 (形容動詞の連用形も連用修飾語になることがあります。)3 「ゆっくり(と)」 → 副詞 (「と」がついてもつかなくても一語の副詞です。)特に最後の「副詞」は単独で連用修飾語になることができます。副詞には活用(変化)はありませんが、連用修飾語の働きはこの副詞の働きと同じように考えられますので以下に取り上げて見ましょう。連用修飾語(副詞)の働きの種類1 状態 を表わす連用修飾語(副詞) 主に 動詞 を修飾し、「どんなふうに・どのように」という動作の様子・状態を説明するときに用いられる。例) ゆっくり(と)歩く。 ワンワン(と)ほえる。(擬声語)*注1 ごろごろ(と)転がる。(擬態語)【注1】鳴き声を表す言葉を擬声語・物音を表す言葉を擬音語と区別する本もありますが、擬声語で鳴き声も物音も表す言葉です。また、擬声語と擬態語と区別で引っかかる場合もあります。例えば「しんと静まりかえった教室」の「しんと」は擬態語です。「しんと」音がしているわけではありません。【注2】擬声語と擬態語を合わせて「オノマトペ」(もとは仏語?)ということがあります。2 程度 を表わす連用修飾語(副詞) 主に 動詞以外の言葉を修飾し、「どのくらい」という程度の意味で使われる。例) とても美しい。 もっと右だ。 かなり昔の話だ。注3】混乱するかもしれませんが、程度を表わす連用修飾語は「動詞」を説明することもできます。例えば、「もっとがんばる」など。逆に、状態を表す連用修飾語が「動詞以外」を説明することはまずない。(ここの確証がまだ私にはありません。)このあたりの面倒さを避けるために、学校のテストの例文では、状態 → 動詞 ・ 程度 → 動詞以外を修飾する例文が多く用いられています。あとは「状態」か「程度」か意味で区別するという方法があるでしょう。3 呼応(叙述・陳述)の連用修飾語(副詞)参考書にも依りますが、呼応・叙述(じょじゅつ)・陳述(ちんじゅつ)とも同じ用法です。 言い方が述語と対応して、大まかに決まっているものをいいます。例)全然楽しくない。(全否定) (「全然~ない」と使うのが正しい用法。若者言葉で「全然楽しい。」などのように「とても」ぐらいの意味で使うのは間違った使い方ですね。) たぶん・おそらく間違いないだろう。(推量) (たぶん・おそらく~だろう。) もし雨が降ったら畑仕事は休みにしよう。(仮定) (もし~なら・たら)ほかにも「なぜ~か」「たとえ~ても」「あながち(必ずしも)~ない(部分否定)」などたくさんあります。ぜひ参考書等の「副詞の項目」で確認してみて下さい。中学受験でもよく出ますし、高校受験でも短文作成でよく問われます。◎ ポイント 連用修飾語(副詞)の用法の種類と見分け方を押さえよう!【注4】最後に「~を・~に」とつく言葉は必ず連用修飾語になります。主語と勘違いする子もいますので「を・には連用修飾語」と押さえさせます。英文法との対応で言うと、英語の「目的語」は国語では普通、「連用修飾語」として訳されます。第5文型を訳すときだけはちと違うのでしょうね。 今日はここまで。【今回の記事が役に立ったと思う方はクリックお願いします。】→ と