昨日、このブログで紹介しました、古賀茂明氏の講演会の話の続きです。
古賀氏の講演の中で、特に私が強烈な衝撃を受けたのは、
原発の「ストレステスト」の、日本と海外とのあまりの“落差”です。
そもそも「ストレステスト」とは、
「システムに通常以上の負荷をかけて正常に動作するか、つまり隠れた欠陥がないか調べるリスク管理手法のひとつである。耐久試験。」(ウィキより)
ということでから、「ストレステスト」を実施する側が、
どんな事態、どの程度の“負荷”を想定するかで、
全然違った結果になるというものです。
今、ニュースで報道されている日本のストレステストが、単なる「原発再稼働のための免罪符」に過ぎない、と以前から疑念を持っていましたが、
古賀茂明氏の話を聞くと、ものすごくリアルに、どれほどひどいものかがわかりました。
古賀氏は、ズバリ、
「日本と海外のストレステストは天地雲泥の差がある」と指摘。
たとえば、
アメリカの原子力規制委員会が行うストレステストでは、ハリケーンなど想定する災害を、
なんと、「10万年に1度」という、設定にしているのです!!
「例えばハリケーンの風速が、絶対ありえないという、とんでもない速度で、シュミレーションしている」というのです。
さらに具体的に、
「この想像を絶する超巨大ハリケーンで飛ばされた大型トラックが、原発に飛んでくる・・・・この衝撃力は、最新ミサイル兵器並みなんですよ」と古賀さん。
「だから、アメリカの原発規制度は極めて高く、それだけ原発にかかる費用はかさんでいるんです」--
それに比べて、日本はどうか。
「わずか1000年から1500年前の“過去”の地震などを見ているに過ぎないし、3.11東日本大震災の地震と津波という、これも“過去”起きた事象に耐えられるかという程度のものなのです」--
この話を聞いただけで、背筋がゾッとします。
要するに、日本の「原子力ムラ」の連中は、一刻も早く再稼働したいがために、
形だけの「ストレステスト」をやっているという、わかってはいましたが、
あまりにも愚かで信じがたいどうしようもない実像に、こちらのほうが、
ストレスがたまってしまいます。
最後に古賀氏が語った言葉が忘れられません。
「3.11を超えるレベルの震災は、明日起きるかも知れない。1万年後に起きるかもしれない」と--