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テーマ:台湾へ、通おう。(324)
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先日、台湾語の辞書を東京で探して歩きましたが、残念ながら見つかりませんでした。
2006.2.11 情報求む、台湾語の辞書について。 さて、そんなわけで現状としては台湾語の辞典の入手は無理そうな雰囲気、 東方書店さんからの出版を待つばかりですが、出版予定日も未定のものを ただ待ち続けるのもよろしくないので、今回、台湾で探してきました。 その中で一番良さそうだったのが以下です。台北101内の4階にある書店で購入しました。 市政府站近くの大きくてキレイな誠品書店でも売っていました。 台語漢字讀音詞典 許極燉 編著 開拓出版有限公司 初版一刷 2004年4月15日 定價 新台幣790元 いま改めて中を見ると、年末に習った教材とは声調の表記方法が異なります…。 習った台湾語では1声から8声まで、数字で表記していましたが、 この辞書ではピンインや注音符號と同じような声調記号+下線表記です。 これまでも、台湾語の教材が不足しているように感じていましたが、この点からしても、 言語学的な視点による、体系的な整備・研究が不十分な印象を受けました。 そもそも、辞書の引き方すらよくわかっていない現状ですが、 巻末の付録である「來自日語的常用詞例」、かなり楽しめました。 亜鉛が「a-ian」、赤ちゃんが「agahziang」、油揚げが「abhulagheh」、といった具合です。^^ 順に見ていると、一昔前の雰囲気漂う日本語が散見されました。 「赤チンキ」「月給」「呉服」「下女」「役場」「インキ」「いんちき」「ヨードチンキ」「上等」「仁丹」 「交換手」「高女」「高等科」「勘定」「拘留」「女中」「配給」「乗合バス」「小便」「疎開」「大便」 「電信局」「当直」「チャンバラ」「活動写真」「運送屋」「口頭試問」など、戦前日本の生活が 垣間見えるような単語が並んでいました。 その他、「ばかやろう」という戦前日本の悪しき罵声をみかけて重い気分になってみたり、 「キン○マ」が「kindamah」と台湾語化している実態に微妙な気分になってみたり、 「不渡り」や「担保」、「差し押さえ」といった、なにやら物騒な単語もあったり、 でも「大丈夫」も「lairiobhu」と息づいていたり、 「ストライキ」や「組合」を見かけて昔の労働者を応援したくなったり、 「おばけ」が「obhakeh」と微笑ましく思えてみたり、かなり楽しめる付録でした。^^ 去年9月に台湾南部の美濃に行った際、醤油ベースの甘くて濃いめのソースで 生トマトをいただきました。その店頭の看板には「トマ『ド』」と書かれていて びっくりした記憶があるのですが、いまこの辞書を見て、トマトは台湾語で「tomadoh」である ことを知り、その間違え方の経緯にちょっと納得したのでした。 台南に「沙■里巴」(※■は上/下、カードのka)という、日本語の「盛り場」に由来する 場所があるのも、こうした台湾語化した日本語の影響があることと思います。 辞書一冊をちょっと広げただけでこれだけ広がる台湾語の世界、まだまだ楽しめそうです。^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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