北京五彩繽紛~Colors of Beijing

2009/10/26(月)18:47

35年ぶりのラブコール

いや~、人生って、本当に不思議。 それはそればずいぶん以前のこと。 このブログに、日本と北京を往復して暮らしている とある日本人のおばあちゃまの話を載せた。 するとだいぶ経ってから、 日本にお住まいの方からこんな書き込みがあった。 「知人で同姓同名の人がいて、 40年くらい前に欧州で交流があったのですが、その人でしょうか?」と。 で、その後書き込みを下さった方とメールでやり取りを。 どうやらご本人と、おっしゃっている人物は同一人物との可能性が高くなった。 しかし、おばあちゃまはご高齢で、ネットは使わないし、携帯も持たないし、 日本の詳しい連絡先も分からないし、 今度いつまた北京に来られるかも分からない。 どうやったらこの話を伝えられるのであろう? と思っていたら、前回一緒に彼女にお目にかかった中国人の友人Wさんから 突然の動員。 「北京にいらっしゃるので、今晩、集合」とのこと。 私も、相手の方の連絡先をメモして、忘れないよう指定の店に向かった。 店内では、すでにWさんと後輩のHちゃんが周りを取り囲み、 事情聴取を行っている。 前回話の密度が濃すぎた上に、情報が多すぎたので、 彼女の過去をひとつひとつ整理している。 私にいきなり呼びつけられた友人S氏は遅れてお店にやってきたのだが、 様子を見るなり、そこにいるおばあちゃまが実は只者ではないと分かった様子。 ひとしきり話し終え。 このまま話を聞いていると忘れてしまいそうなので、 私はメモを取り出し、おばあちゃまに聞いてみる。 「この方って、ご存知ですか?」 すると、 「え~!!! 何でこの人のこと知っているの!?」 顔がびっくりマーク。 どうやら、二人は確かに知り合いであった。それもかなり親しい。 その様子を見て、Wさんが すかさず、 「じゃあ、今すぐ電話かけましょ!」と、携帯を取り出し、 メモの日本の電話番号にいきなり電話。 そしてすごいのは、 電話に相手が出るや否や、彼女、何の説明もなく、 「私、北京に住んでるWと言います。 となりに○○さんがいらっしゃるので、今代わりますね~!」 おいおいおい。 文法に間違いのない正しい日本語。 しかし、そんな掛け方する日本人は今まで見たことがない。 Wさんはやっぱり中国人だ。 いきなり電話かけられた相手がどのくらい戸惑ったかは想像に難くない。 「なんだか落ち着いた雰囲気の男性だわ」とWさんは言うが、 そりゃ、考える間も与えられず畳み掛けられたら、言葉も出ないでしょぉ。 おばあちゃまが「日本に帰ったら、電話するからね」と言って、 35年ぶりの電話が次につながる事になった。 おばあちゃまはものすごくうれしそう、表情に花が咲くとはこのこと。 受話器を置いてから、 「彼は私の青春だったのよ~」 「もう私、北京には戻ってこないかもしれない」と言い出すおばあちゃま。 ・・・この人、ほんとに「元彼」だったんですね。。。 そして老いてもなお、彼女は「女」だったのですね。 私は単に媒体になったにすぎないけど、 なんだかすごいいいことした気分になり、 人生ってつくづくつながってるんだなと感慨ひとしお。 このブログ、人の役に立ってるんだ。 おかげでひらめの活き造、ごちそうになっちゃいました。 ありがとうございます。

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