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北京五彩繽紛～Colors of Beijing

[中国の日本人] カテゴリの記事

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北京在住者が感じるテレビ東京「ＷＢＳ」加藤嘉一さん出演について

久々に放置状態のこのブログの管理ページを覗いて驚いた。突如としてアクセス数が増えている。なんで？？？と思ったら、昨夜の加藤くんのＷＢＳ出演だ。で、また驚いたのが。Google日本のサイトで『加藤嘉一』と入れるとこのブログが先日の日経新聞に続いてヒットする。…どういうことだ？？？われわれ北京に住んでいる人間にとって、加藤くんの中国メディアでの露出はかなり有名な話なので、こんな地味なブログが日本のサーチエンジンの検索結果で上位に来るのは、あまりに彼に対しての日本での注目度が低すぎたのではないかのような感じで、別の意味で大きな驚きである。むしろ加藤くんについて調べるのであれば、中国の検索サイトから『加藤嘉一』（日本語でも中国語と同じ表記）で調べれば、溢れるように情報が流れている。中国最大の検索サイトは百度（バイドゥー）だが、日本で『百度』を検索すると百度日本に飛んでしまうので、以下を利用のこと。百度中国(Baidu-China)　http://www.baidu.com/谷歌香港（Google-Hongkong）http://www.google.com.hk/昨夜加藤くんが話していたことで、改めて腑に落ちるところがいくつもあった。例えば「中国が若者の国」であること。旧態然とした部分は多分にあるものの、社会に向かって若い人がモノが言いやすいことは事実な気がする。（ただしこれを“=言論の自由”と混同しないでもらいたい）例えば日本で、たった26歳の人間がメディアで連日のように語り、その方面の関係者や社会に影響を与えることはあり得るだろうか？そしてそれも外国人だ。加藤くんは以前、マルチな才能を発揮する中国の人気若手作家でオピニオンリーダ・韓寒に例えられることについて「日本では韓寒は出てこない」と話している。※韓寒　http://ja.wikipedia.org/wiki/韓寒年功序列型の日本社会では、若者が社会の核として用いられることがないと話す一方、中国では若者が社会に物申して注目され、珍重され、影響を与えることが可能だと断言する。これまでの彼の中国での活躍を見れば然りで、同時にほぼ今まで日本に彼と同等のポジションの若者が見当たらないのである。たとえ過去に若い才能を開花させた作家たちがいたとしてもやはり加藤くんや韓寒とは立ち位置が異なっているような気がする。背景には、急激な変化の中で新しい知識や価値観を柔軟に受け入れられる若者でなければ流れについていけない今の中国があるのかもしれない。そして外国人への寛容さも日本と大きく違う。実は昨夜のWBS放送前、ツイッター上で「中国で最も有名な日本人とは誰か？」という会話がなされた。そこで中国をよく知る日本人の間で出てきたのは、加藤くんより俳優の矢野浩二さんだった。敵役の日本軍の将校役として中国デビューした矢野さんだったが、今では高視聴率番組のレギュラーを務めるほどの人気と知名度を誇る日本人俳優である。そのほかにも中国の芸能界で活躍する日本人は多く、友人の松峰莉璃ちゃんや武藤美幸ちゃんはドラマの主役を張るくらいの扱われ方である。昨夜の加藤くんのコメントに抵抗を感じた視聴者がいらっしゃるかもしれない。日本の社会や文化に対して深い洞察がないと感じた方もいたかもしれない。ただ彼の話は、別の角度から見た場合はそのようにも受け止められる事実を語っていると私は思う。そして、中国は日本人が思う以上に日本人を受け入れ、学ぶべき日本が失ってしまった点もあるのだということを、一人の中国在住日本人として思うのである。

2010.08.19

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日経新聞「こもるなニッポン」・加藤嘉一さんインタビューについて思う

10日の日経新聞の一面を飾った、加藤嘉一さん。日経新聞http://www.nikkei.com/個人的には“さん”じゃなくて、留学初期の友人の一人として習慣的に「加藤くん」と呼びたい気持ちではあるけれど、この彼へのインタビュー記事への反響がtwitter上でも大きくて、こうして海外に暮らす日本人の一人として、「よく言ってくれた！」と同時に、彼に表現の場を与えてくれた日経新聞に感謝したいと思う。総じて日本人は内省的で、状況が悪くなると思考も行動も一層じっと留まりがちになる。その中で徐々に外への関心が薄れがちになり、世界のつながりの中の一部である存在としての日本を意識しなくなる。それが先日の「日本を降りない若者」の増殖につながる。これまで先人が世界に示してくれた日本の貢献や礼儀正しさは、彼の言うように日本人への信頼感や尊敬に通じていて、海を渡る中国人に比べてはるかに安いリスクを背負っているにすぎないことを気づいてもらいたいと思う。加藤くんは自身のことを「出る釘」と例えているけれど、彼の場合、出ているというより、打つ場所の面積に比較し釘自身が大きすぎるのだと私は表現したい。だから普通の新卒者のように日本の企業に就職する必要もないし、彼の言うよう、適齢になるまで海外を見聞して器を磨き、大きい視点から日本にアプローチできる人材に育ってもらいたいと願うのである。その一方で彼が日本に戻るまでに、多様な価値観や人材を受け入れる土壌を日本が醸成していることも願いたい。加藤くんが掲載されている記事を読んで思ったのは、人にはそれぞれに役割があり、与えられた役割をより高い次元で発揮できるようそれぞれ人生に課題が用意されているのだということ。多分、彼はサラリーマンには不向きだろうし、いわゆる世間のお父さんお母さんにとっての「理想的な息子」にも該当しないだろう。(多分彼のご両親は彼を誇らしく感じているでしょうけれど。この息子にして度量の狭いご両親はありえないから)ただし彼にしかできないことがあり、その役割を素直に担おうとしているだけに見える。こんなことを言うのは、私自身、北京に来てから、日本では接触できなかったような人間的にも度量の大きい人たちに出会うことができたと同時に、ある感情との折り合いが充分つけられなかった経験があるからだ。私がついていない状態のときに、彼ら彼女らは軽々とステップアップしていき、それと比較して自分の無能さを嘆いたり焦ったりを繰り返していた。理想と現実のギャップが苦しかった。でも今になり、例えば加藤くんがやってきたことと同じことができるのか、とか、彼と同じように興味を持ってやり続けてこられたのかと問われるとそれは完全にNO!だ。彼に役割があると同時に、私には別の役割があるのだから。確かに彼ほど遮二無二やってきたかというとそれははずかしい限りだけれど、自分の役割のことを考えることが先決で、比較して焦るのは反応としてムダだろうと時間が経って徐々に気がついた。そうなっていくと、肩の荷が下りたかのようにすっきりしてしまった。加藤くんのインタビューを読んで、いろんな考えが頭を過ぎった。これを一旦文書として整理させてくれた加藤くん、そしてまた日経新聞にも感謝だな。

2010.04.11

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中国にいるから芽生える地元への感情

日本に帰国するとき、直接地元に帰ることはまったくない。一晩でもいいから東京（前々回は関西から入国）で過ごして、頭の中を中国→日本、都会→地方という段階的な切り替えを経てから実家に戻るようにしている。いや、笑い事じゃないんだって。そういうのしないと、エネルギーが違いすぎて、順応できないのよ。今回の東京滞在中に、受講者としてセミナーや研修に参加していて、いろんな人に引き合わせてもらったり、刺激をもらったりしたので、「まだ日本は行ける！」と思ったんだけど、地元に戻ると不景気が一層深刻なせいか、「無理」「だめ」「ムダ」「そんな甘いもんじゃない」という否定的な発言が多く、テンションが上がり気味の私とはベクトルの方向が違っていて、どう歩調を合わせていいものだか・・・という気がしていた。でも決してすべての人が元気をなくしているわけでもない。春節の一時帰国前、地元の県の団体からある人を経由して、北京の県人会に打診があった。地元の30代の若手経営者8名が、投資環境の視察のために北京を訪問、その際に北京在住者と交流したいという内容。県の団体のFセンター長と大連にある事務所の所長も同行されるという。これまでも地元放送局のアナウンサーを招いての交流会はあったけれど、まさか自治体からこうした理由でコンタクトがあるとは思ってもみなかった。ということで、宮廷料理を味わえる人気店・那家小館をリザーブ。みなさん、スーツ姿です。センター長は1960年代から中国と関わる専門家。中国人のメンタリティや社会、日中関係など興味深い話を拝聴する。インターネットの普及によって、最近はネットで情報を収集して、「行ったつもり」「やったつもり」になってしまう人間が多くなったと先日の読書会で言われていたけれど、実際海外に赴いて体験から何かを得ようとするのは大切なこと。それも決まりきった視察コースではなくて、自分たちが行きたいところをチョイスして見たいものを見るって、大事だなと。北京にいることは、日本にいる人から見ると都落ちのように映るのかもしれないけれど、北京だから出会えた日本在住の日本人がこれまでに大勢いた。北京にいても日本にいても、私が北京に住んでいるから会ってくれる。今回のみなさんだって、私が地元にいたらむしろ会うチャンスなんてない可能性が高い。こういうご縁が生まれると、今私が北京にいるから地元に対してできることがあるんじゃないかと思う。多分、これは東京に住んでいただけだったら、芽生えなかった発想かもしれない。

2010.03.11

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日本料理店「松子」で、あの松子さんに出会う。

友人の中国人女性Ｗさんから、知り合いの日本人のIさんが中国に出張されているので、一緒に食事しないかと誘われた。さらには、たぶん北京では一番知名度のある日本料理店と思われる「松子」の松子さんもご一緒だという。北京にお住まいの皆様。日本料理店「松子」は単に思いつきでつけた名前ではありません。松子さんという実在する日本人女性が経営に関わっていて、名前が「松子」なのです。しかしまだお目にかかったことのない私にとって、「松子」の松子さんとは、実在しながらもなんとなくレジェンドのような感覚がある。俗っぽい北京の日本人とはどーもちがう存在感を帯でいるというイメージがある。そう、まるで映画の主人公のような、現実感がない感じ。松子さんに会うのだから、場所は当然「松子」だ。今回は朝陽北路の3号店に伺う。集合時間を決めてあったのに、例のとおり全員遅刻になり、10分遅刻した私が一番乗り。店の女の子に「松子さんは？」と訪ねたら、カウンターの前に腰掛けた小柄な和服の女性の前まで案内された。松子さん。本名・直塚松子さん。御年89歳。婦人科の医師にして、医学的見地から手相を研究している。日本ではすでにこうした本を出版。『実証　手相でわかるガンと成病』http://books.livedoor.com/item/614840この本は中国語訳されて、最近中国でも出版されている。※中国語タイトル『従手相看病～及早発現癌症与常見病』お店ではずっと松子さんとおしゃべりしていたのだが、松子さんの人生がすごい。いや、すごいなんてもんじゃない。戦前から戦後にかけ、ゲキドー。偶然「嫌われ松子の一生」という小説＆映画があったけど、予想外の展開の数々とそのスピード感は、あの映画に匹敵すると言ってもいい。本物の松子さんの場合は、中国、ヨーロッパ、日本を舞台にしているので、むしろスケール感はこっちのほうがはるかにでっかい。どのくらいすごいかを話すととんでもないことになりそうなので、やめておくけど、すでに年末を目指して自伝の執筆に入っているとのことなので、そのすごさはそのご本で。さて、手相の鑑定でも有名な松子さんだが、あんまりみんなが手相を見てもらいたいと押しかけてくるので、最近はほとんど断っているのだそうな。ところがどういうわけかこの日はご機嫌がよかったのか、私と友人、そしてそのお知り合い全員が見てもらえることに。Wさんが松子さんに見てもらっているところ。Ｉさんは、すでに長年の勤務先を退職して別の係わりで中国にこられたのだが、松子さんに「60過ぎてからが仕事や社会的によくなる珍しい相」と言われた。Ｗさんは「貧血だね」と言われた。二人ともあながち外れていない様子。そして私は、「晩婚だね。それで結婚して○○○○するよ」。え～、え～、えええええええ～～～～！！！！そんなことほんとにあるのぉ！？ほかの二人も騒然の驚愕の結果でした。とにもかくにも、松子さんは確かにレジェンド級だったけど、その存在感は圧倒的。いやあ、もうすっかりファンです。

2009.04.25

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北京の2008年の年越しと2009年の正月

日本の大晦日は、静かだ。家族で紅白を見て、実家だと10時半くらいに年越しそばを食べ始める。年を跨いだら、即自宅の神棚と仏壇に手を合わせ、床に就く。北京の大晦日は、外は静かだ。でも日本人がいる場所は意外に騒々しい。当然家族だけでひっそりすごすお宅も多いのだろうけれど、それなりに自由が効けば複数人が集合して、年越しパーティーをする。多分日本国内と北京を比較した場合、日本人が年越しパーティーをしている確率は北京のほうが高いと思う。また2008年もおかげさまでMさん宅で十数人で年越し。お手製の料理＋ケータリング、持ち寄りですこぶるテーブルの上はにぎやか。紅白が終わったら、まず日本の新年を祝う。シャンパンで乾杯する。そして1時間後に中国の新年の到来を祝う。またシャンパンで乾杯。一夜に2度祝杯があげられる。ちなみに、かつて私は北京の年越しをこのように感じていた。カウントダウン2006カウントダウン2007元旦は、日本から遊びに来ている元北京特派員・F女史と毎度のメンバーで飲茶。中国で重要なのは春節だけど、元旦もお休みになっているので、店内も休日の賑わい。全員日本人、それも一人を除き女性なのに、お店に対しての要求が一番うるさくて細かい。翌日、目が覚めてテレビをつけたら、箱根駅伝の生中継中だった。実は我が家はルームメイトが設置してくれたインターネットロケーションシステムのおかげで、日本のメイン局の放送が全部見られる。おかげで、今年は紅白を見ていても、大体どんな歌手か予測がついた。翌日も午前中は、箱根駅伝。自分でおせちをつくるのはめんどうだったので、せめてもと思って作ったぜんざいをすすりながら観戦。北京って、どんなに不自由な場所かと思われているみたいなんだけど、いつのまにやら日本と同じようにおせちも販売されているし、絶対数は少ないけどここなら間違いがないというケーキ屋もあるし、おまけに年末年始のテレビなんか見られたら、何の問題もない。こんな正月三が日を過ごしながら、すごい時代になったもんだと感心した。

2009.01.03

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日本の友達が続々＆完全帰国後「北京はよかった」と思うだろうこと

オリンピックまであとわずか。このところ日本から北京を訪れる友達が続いている。それも本来中国にも北京にも何の関心も寄せていない人が来る。そしてテレビ関係者が多い。本人も「まさか自分が北京に来るとはねー」と言うのだけれど、同時に「オリンピックが始まる前に来ておきたかったんだよねー」と加える。確かに。オリンピックが始まったら、どんな不自由が待ってるかわからないし。逆にそれを楽しみに来るという、自虐的な味わい方もあるのだろうが。しかし私はそんな状況下で来るのはあんまり勧めない。こうした友達が来ると、こっちに着たばかりの自分が何にびっくりしてたかを思い出すのに加えて、すっかり目の前の光景が日常になって、感覚が既に鈍磨してしまった自分を感じる。ドアのないトイレにわあわあ言ってる友人に、そんなことで驚いてちゃいけないよとか、彼女を置いて混乱状態の交差点をつっきったり。時間は人を変えるよね。そして時間が経つのは速いよね。先週末東京からの友達と、しばらく彼女のお世話を頼んでいたminatsuさんと羊肉はぶしゃぶをつっついたあと、一杯引っ掛けに一蔵に行く。「北京から日本に戻ったとき、何に不自由を感じるだろうか？」という設問でminatsuさん、「完全帰国した人によれば、『大きな荷物を抱えていてもおいそれとタクシーに乗れなかったとき』っていうのは同感」とおっしゃる。確かに。以前、急におなかが痛くなって、水道橋から小竹向原までタクシーに乗って帰らざるを得なかったあのとき、サイフも痛かった。20分も乗れば、5千円くらい吹っ飛ぶでしょ。ガソリン代が上がったとはいえ、北京なら30元くらいか？　10分の一以下じゃない？でも私の場合はこれだなあ。突然誰かと集まってご飯が食べたいなあと思っても、そう簡単に実行に移せないだろうこと。仕事が忙しくて事前のアポがないと捕まる人間が限られる、外での食事代が高すぎてひんぱんに声がかけられない、職場や自宅がバラバラだと集まれる場所が難しい。それが北京だと大体がクリアになる。MixiやらＳＭＳやらメールやらで「集まりたい！」と言えば、知った人でも知らない人でもわらわら集まってくる。ごはん代だって、高級とされる日本料理も200元払えばそこそこ食べられる。中華に関しては、日本のランチの金額で夕飯が、+ビールで満腹になる。タクシーが帰りの足だから、終電の時刻なんて気にしない。今回大人数じゃないと食べられない北京ダックだって、一声かけたらそれなりの頭数になって、友達はびっくりしていた。そしてホームパーティなんていうのも日本に行ったらめったにできなくなるな。週末、親しくしてもらっている某女史の自宅で引越しパーティーをやった。日本人が十数人集まって、午後3時すぎから深夜1時まで飲んで食べての大騒ぎ。こんなのができるくらい広くて、防音効果のあるマンションを東京で探すとなったらいくらくらいの物件だろう？　おいしいものを食べて、馬鹿みたいにしゃべって笑って、あー、幸せだー！って思う。別に日本がダメなんじゃない。やっぱり帰るたびに、季節それぞれの風情があって、細かいことまで気が利いていて、清潔で、欲しいものは何でもあって、安全で、おねえさんはきれいで、「北京に戻りたくないー！」と思うくらいいい場所なのは間違いがない。どっちのほうがいいっていうんじゃなくって、二つの場所は幸せを感じさせる部分がそれぞれ違うんだと思う。私の友人たちはその辺を本能的に理解するのか、単に日常に引き戻されるのがいやなのか、去り際「北京って、意外といいよねー。帰りたくないよー」と残して帰途に着く。それも“I shall return宣言”をして。なので、この規制規制で妙にすっきりしすぎの、不自由な風景が便利だけれど、空々しくて北京らしくない。まあ、政治に、街の空気が左右されるのも北京らしい個性だけれど。

2008.07.19

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とかく目に見えないものは簡単に捨ててしまいがち

今、ものすごく反省していることがある。反省しても、どうすべきだったのか思いつかないので、この際、このエントリーで、海外にお住まいの日本人のみなさんはどうしているのかを尋ねてみようと思ったわけである。日本を離れ、早4年。久々に日本で新年を迎える機会を得たことで、ようやく自分がいかにもったいないことをしちゃったのかに気が付いた。何についてかというと、年賀状である。かつての私にとって年賀状とは、自分の近況をお付き合いのあった人たちに知らせる、格好のチャンスで、だからこそ相当嗜好を凝らして作っていたものであった。古いパソコンを立ち上げて2004年までのものを見てみたら、よくもまめまめと、こんなものを作っていたものだなあという賀状で、自分ながらに関心する。ところが、北京に渡ってからが問題。基本的に年末日本に帰ってこないので、年賀状を出さなくなってしまった。ネットがコミュニケーションツールになっているこのご時世、確かにEカードやメールを年賀状できる。でも、これには限界があったのだ！久しぶりに出してみようと、年賀状ソフトに登録されたリストを見て思う。この人たち、今ここに住んでるor働いてるの？さらには、まだご存命なの？？？なにせ、年賀状を送らなければ、返事もないわけだから、不明になる。私のかつて働いていた職場は異動が多い。毎年毎年一緒に働いていた人が別の土地に行く。おまけに組織再編みたいなこともしているから、メールアドレスだってしょっちゅう変わる。そのたびに相手がお知らせしてくれればいいけれど、そうでもないとアウトだ。加えて、友人知人には、会社を辞める人もいる。持ち家じゃないと、引越しもする。高齢で、PCを使わない方とは、完全に交流が途絶えてしまった。情けないことに、名前をググって、その方たちが生きてらっしゃるのかから確認することになった。幸いにも精力的に活動なさっていたので、年賀状には行き先があった。ググって名前が出るくらいその方たちが有名でよかった。ということで、在外日本人のみなさん、いかがなさっておいでなの？実家に、かつて東京で住まいしていたころの荷物が堆く積まれている。中には明らかに既に使えない物もある。物は捨てられないのに、大事な人間関係を捨てちゃってた私。年の瀬の反省。

2007.12.28

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海外の日本人が欲しい、梅干、納豆、そして・・・。

日本に帰っている間はいつもなのだけれど、食い入るようにテレビを見てしまう。別におもしろいかどうかはどうでもいいような気がする。日本に住んでいた頃にはほとんど関心を示さなかったワイドショーなんかも見てしまう。最終話だけ見て「こんなストーリーだったんだ」と納得するだけだった連ドラも毎週定時に見てしまう。「医龍２」は帰国してから最終話まできちんと見切ってしまった。専門家が見れば矛盾もあるのだろうけれど、あれはあれでドラマとしておもしろかった。こんなにいい視聴者は今時いないかも。特にお笑い番組は本当によく見るようになった。その辺の私の変化をウチの母はとてもよく観察していて、こう言われる。「あんたって、こんなくだらない番組ばっかり見る人だったっけ？」と。4年ぶりに過ごす日本の年末。4年ぶりに見るM-1グランプリ。※公式サイト　http://www.m-1gp.com/そしてファイナルに残った3組に、プロ魂を感じてしまった私。計算され、練りに練ったネタとそれを引き出す練習量に、たかが笑いだけれど、アバウトな風吹く中国にいるからか、よけいに感動しちゃうのである。確かに中国にいても笑えることはある。日常生活の中の自然な笑い。中国的な滑稽な笑い。でも意図的に笑わせてもらいたいと思ったときに、確実に笑えるなあというものを見つけるのはなんだか難しい。もっと中国語が聞き取れれば、中国の職人技の笑い、例えば相声（xiangsheng＝中国の漫才）を堪能できるのであろうけれど、今のところまだまだ道のりは遠い。そういうことがあってなのか、中国にいて誰かに日本から持ってきてもらう物でうれしいのは、お笑い番組のDVD。考えていることは同じなのか、気が付くと、見終わったDVDは日本人の友人たちの手から手へと貸し出されていく。やはりどこかで純粋な笑いに飢えているのかな。お笑いDVDは、梅干、納豆に匹敵する、海外に住む日本人が渇望するものかもしれないなあ。ところで。敗者復活からチャンピオンに駆け上がったサンドウィッチマン。当日までほぼ無銘だったコンビの、上京して9年、月6万8000円のアパートで共同生活、敢えて貧乏してまで夢を叶えようとする姿勢を、今の中国人は理解できるかなあ。本当の意味で職業選択の自由があの国に浸透するにはあと何年かかるのかなあ。

2007.12.25

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中華ノスタルジー？＠横浜

長らく北京に住まいしているので、帰国したとき中華料理なんか食べたくないだろうと思われているようだが、“日本の中華”が食べたいことがある。中華街なんか行く気もしないだろうと思われているようだが、実はすごく行きたいことがある。せっかく来た横浜だもの。行っちゃいましょう、横浜中華街！！私にとって、中国食品の恐怖は中華街とは連動しない。「当店は日本製食材を使用しております」という張り紙をお店が張っているという妙な光景もテレビで見たことがあったので、探してみるのもご愛嬌。日本に住んでいる頃、横浜で時間ができたらみなとみらいでぼーっとお茶でもするか、ウインドウショッピングでもしようとなるのだけれど、北京に行ってから、ああいう賑やかしい人ごみに紛れるのにも慣れてしまったらしい。とはいえ、中国と日本の雑踏の発する気はずいぶん違うような感じがする。しばらくぶりに日本で坦々麺を食べた。中国の坦々面は赤い。日本の坦々面はオレンジだ。でもそれはそれでどっちもおいしい。小島食器店で、姪たちにおみやげの食器を買う。ピンクの唐子のレンゲがかわいい。１つ300円。ミニどんぶりは1500円。それにしてもかつては間口が大きかった小島食器店、裏通りに移動し、ちっちゃくなっていたのがショックだった。北門から石川町駅に向かう途中の、黄金色に色づいた銀杏並木が、青空に生えて美しい。短いけれど、久々楽しい横浜の休日。

2007.12.08

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日本の秋に体が付いていかない＠東京

実は今東京である。ほぼ1ヶ月ぶりの東京の印象はというと、ひと言。あったかーい！！！いや、あったかいを通り越して暑い。北京を出たとき、冬物の厚手の白いスカートを履いて明け方のタクシーに乗った。ブーツで覆っていないひざが寒かった。気温は冷蔵庫なみだもの。加えて乗ったノースウエスト機の中が異常に寒い。セーターの上にＧジャンを着て、その上からレザージャケットを羽織っているのに体の奥から冷え冷えする。支給される毛布を上からかけても解消しない。・・・東京について熱が出たら、ノースウエスト、お前のせいだからな。そんな状態で飛行機を降りたら、・・・いきなり「暖かい」。空港のガラスから差し込む日差しが、なんてやさしいんでしょう。日本って、日本って、私に優しいーと勝手に思ってうるうるきた。うるうるはともかくとして、暑い。北京にいる間に基礎代謝が上がってしまったのか。荷物を引いて、友人の会社に一旦寄ったときには大汗状態。窓が開いていないと耐えられない。夜しばらく滞在させてもらう友人宅に行くときも、暑い。半そででちょうどだ。夜、暑くて布団を一枚蹴り出していた。そして翌日。表参道に用があって行く。表参道の並木は色づき出し、秋の深まりを物語る。待ち行く人は秋の装い。しかーし。私はブラウスの上からちょっと厚手のジャケットを羽織ったが、ジャケットは暑くてもう着ていられない。ブラウスだけで歩く。周りを見てもわたしほど薄着な日本人は見当たらない。ファーのついたニットジャケット、しゃれたレザージャケット、もこもこの毛糸の帽子。。。浮いている。地下鉄に乗っても汗が出る。私の体質はやっぱり変わったのか？秋の東京って、こんなにあったかかったって、体が忘れている。ブラウスは汗を吸って洗濯行きだ。なんてブログを渋谷のドトール本店で書いている。コンセントを拝借して。そしたら。「お客様、申し訳ありません。当店では電源はお貸ししていません」と言われた。そう、北京のカフェでは当たり前でも、東京では非常識なのよね、この行動。あはは。

2007.11.09

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まるで遠距離恋愛みたいな、よーこさんを囲む会

よーこさんが香港、マカオを経由して、北京入りすることが発覚。ブログにも「誰かディナーの幹事」の文字があったので、これは私の仕事だな、と勝手に思った。だって、よーこさんが会いたがる北京の人のメールアドレスは、私のPCにエクセルで保存してるし。だって、送別会の幹事だったし。ということで、一斉にメールを配信して、よーこさんを囲む会＠北京計画をスタート。こういう全員が参加に前向きな集まりの幹事は楽しい。よーこさんの仲良し全員がよーこさんに会うのを本当に楽しみにしている。それも半端じゃなく、みんなが久々恋人に会うときみたいに浮かれている。参加する人からは何が何でも時間をやりくりする意思表明、参加が微妙な人は、遅れてでもいいから参加するという切実な思い、残念ながら参加できない人からは痛切さがメールで私のところにやってくる。いやあ、私は恋文を渡す役割の伝書鳩みたいである。よーこさんに尋ねたら、北京ダックをご希望ということで、大董カオ鴨店の南新倉店で開催。今回、H総経理にお店との交渉とお願いしたら、大正解！前菜だけでこんなにおみごと。しかし、定刻になっても誰も来ない。賑わう店内の一角に、料理はあれど空席のテーブルが二つ並んでる光景にこのまま誰も来なかったらどうしよう？と勝手に焦る私。北京にいると、日本人でも集まりは定刻には始まらないものだ。15分くらい遅れてから続々人が集まり始める。主賓のよーこさんとご主人も遅れて会場入り。ようやくの“恋人”とご対面にテーブルが沸き立っている。この前会ったのは1月の末の送別会以来だったけど、何の違和感もなく北京の風景に溶け込んでいるよーこさん。その、どこにいたって周りになじんじゃうのが彼女の突出した才能なんだけれど。その後はよーこさんの取り合い。聞いてみたいこと、話してみたいことは山のようにあっても、よーこさん自身のここしばらくの体験が半端じゃなくすごくて、おもしろいので、それだけで場が盛り上がる。まあ、そんなこんなでよーこさんを囲んでの北京ダックの会は、北京ダックよし、おしゃべりよしで終了となる。算数がことのほか苦手な幹事だったのに、今回は変な不足もなく、きっちり全員におつりを返せて、個人的にはこっちも満足である。今度会えるのはいつかわからないけれど、“東京のよーこ邸の××××の××××××で××しながら、×××××て、××××る“という目標ができたので、それを励みに一時帰国までがんばるわ。というのが、私のよーこさんへの愛を込めたメッセージだ（笑）。

2007.08.27

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第二回濃い女の会＆モテる男性に会いに行こう！

第一回が開かれて、早10ヶ月。そろそろ集まりましょうかと、メンバーをピックアップする。よーこさんは既に日本に帰国、yuleさんは一時帰国中で不在だけれど、それに負けない日本人女性はまだまだ北京にいますよ。ということで、今回の顔ぶれは、新たに記者・Fさん、外務省から留学中のOさん、日本から短期留学中の女優・土屋貴子さん、前回から参加の吉川すみちゃん、しゃおりんさん、私xiaomi。場所は、南新倉街の台湾料理・飯前飯後。前日に予約を入れていたにも拘わらず、リストに名前が載っていないというケチがついたものの、結局座席を確保。食べたのは、以下の通り。　さすが台湾レストラン。カキ氷は女6人でつっついてちょうどいいサイズ。本来なら、散々食べて、他の客がいなくなっても残っていたのだからもう十分なのだけれど、みんな濃いので、普通に帰らない。とあるひと言が原因で、そこから北京在住のとある方にみんなで会いに行くことになる。若かりし頃からいろいろ武勇伝をお持ちなので、まだ会ったことがないというOさん、すみちゃん、土屋さんにそのモテっぷりをじかに感じ取ってもらいましょうと。ということで、いきなり御宅訪問。まったくはた迷惑な6人だ。そして6人でまたまたもっと深夜に集団で退散。はた迷惑。近所迷惑。どうも次の幹事は私らしい。今回こんな特別2次会が付いちゃったけど、次はどうするかなあ。。。

2007.08.16

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駐在員といふもの。

私は駐在員じゃないから、収入のほとんどは人民元で、家賃も自腹だ。吹けば飛ぶような存在なので、ちゃんとした後ろ盾がある人がとても羨ましい。でも私が駐在員ができそうかというと、それは別のお話。駐在員というと、大手の企業ではエリートだったり、語学が堪能だったり、海外経験が豊富な人が少なくない。オレが日本の経済背負って立つんだぜ！みたいな、一昔前のアサヒスーパードライのテーマソングが背後に流れてるイメージがある。ところが、忘れないで欲しい。ここは中国だ。北京だ。ニューヨークじゃない。ロンドンじゃない。スーパードライじゃないかもしれない駐在員がいっぱいいる。中国というところは、メーカーの関係者が多い。ということで、駐在だけど技術者が少なくない。おまけにネコも杓子も中国という時代があったせいか、どういう業界の人でもいる。どういう業界というのと同時に、どういう地方の会社の駐在員というのもいる。この辺がアメリカやヨーロッパとは違うところだと思う。なので、中国で「駐在員」という言葉で総括しようとするのは、あんまりにもバックグラウンドが違いすぎて、危険な気がする。知人の駐在員の方は人口1万人も満たない地方の町から直接やってきて、北京に赴任するまでの四十数年、他の町に住んだことがない。もともと地元で一生を終えると思っていたのに、いきなり北京に赴任になった。日本でも世界でも大都市に住むのは初めて。地元では会社の勤めが終ったらまっすぐ家に帰って、朝また会社に出勤するの生活だったので、こんなにしょっちゅう夜飲みの誘いがかかる生活も初めてらしい。おかげで生活のリズムも価値観もねじれっぱなし。この人の場合、それなりにコントロールができているようなので大事にはならないけれど、東京にも大阪にもほとんど行ったことのない人が単身で中国に派遣され、夜の街の誘惑にさらされたが最後、ずぶずぶになってもおかしくない。いい年齢してお遊びの免疫ができていないので、戻ってこられなくなるのである。中国でちゃんと駐在員を生かそうと思うなら、修羅場をかいくぐったことのある、海千山千を送り込むべきである。なんて話をしたら、百合ママから「まだ小姐と遊ぶ時間があればいいわよ」とのお返事。ママによれば、忙しすぎて休日は寝てる以外できない、さらには会社以外の世界から完全に遮断され、中国語も話すことなく帰任していった駐在員がいたそうである。そういえば、在任中、万里の長城にも故宮にも行ったことがないという元駐在員もいたよなあ。ある程度駐在員制度というものに慣れている会社はまだいいらしいが、初めて駐在員を送り込んだ会社は、彼らが一時帰国するとまた微妙らしい。特に、夜遊ぶ場所もないような土地にある日本の親会社だと、出勤したら、「北京でうまいもの食べて、遊んで、ゴルフして、いい身分だね」というプレッシャーがあるのだとか。たまに仕事以外で目立つことをしたという情報が日本側に流れると、「仕事もしないで、そんなことをしている時間があるのか。もっと気合入れて働け！」という上からの指令が来る、という話もある。アテンドも大変らしい。住んじゃいないけど、中国には何度も来たことがあるワンマン経営の上司が尋ねて来ると、上司が知ってるスポットに同行して、なんやあ、もっと新しいところがあるのにーと思っていても、「いやあ、さすがいいところご存知ですねえ」という顔していないとといけないと聞いたときには、つらすぎる～、と思った。これは極端な話だと思うけど、少なくない駐在員がアテンドでムダに神経すり減らしているのは事実だと思う。なんて書いたら、元北京駐在員・ぐっちさんのブログにかつてこんなエントリーが。http://plaza.rakuten.co.jp/beijing/diary/200607240000/中国に人を派遣している企業の偉い方は読んで欲しいです、ホント。浮き草の身を続けて、私も毎回毎回「家賃払えるかしら？」とはらはらしつつ時々胃が痛くなったり、明け方欝になったりしているけれど、駐在員の立場で感じるストレスは、完全に別の物質。つらいのは同じだけど、暑いのと寒いの、どっちが耐えられるかと尋ねられて、「暑いほう」って答えて、灼熱地獄に送り込まれているようなものか。えらいぞ、駐在員～！

2007.07.19

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石に願いを。

このところ日本人女性の友人たちに会うと手許に目が行く。次に出てくる言葉が、「あ、作ったんだねー。見せてー。」作ったものはブレスレット、ブレスレットの材質はパワーストーン。りえさん経営のZAKKAで作ったものだ。北京に住むこの人も。この人も。この人も。すでにブログで紹介済み。当然ブロガーでない人も多数購入している。パワーストーンの話題は、北京じゃ挨拶代わりだ。不思議なもので、パワーストーンはいじりだすと延々没頭してしまう。ショーケースに収まった中から自分が惹かれるものをちょこんと正座しながらああやこうやと並べていると、日本に居た頃習っていた生け花を思い出す。近くで見てから、離れて眺めてとまさにそんな感じ。私はへそまがりなので、完全なパラレル、シンメトリーが苦手。どこかでバランスを崩さないと気分が悪い。ということで、例えば、↓このような作品を自ら製作する。しょうがと違って名前をつけてはいないものの、ひとまず人格付けしている。現在“この子”はすこぶるお気に入りで、単なる暗示なのかもしれないけれど、身につけているとなんだか安心する。相当私には補わなければならないものがあったのだなと再度自覚する。他人が石を並べているのを見るのも面白い。同じ石をベースに選んでも、本人が組み合わせや配列をするので、出来上がったものは自ずと違うし、何より当人の願望と悩みと連動するので、何につまずいているのかや、価値観の所在が垣間見えて、なかなか楽しいものである。しかしベースになる石の種類は似通っているので、人間の悩みって程度の差はあれ、さほど変わらないものなんだなあと思うのである。ところで、中国人は男女問わず腕に何かが付いている。これまで道端で敷物を広げて売っているチベットのアクセサリーには目もくれなかったのに、自分がブレスレットを作ると、他人が何をしているのか気になり始める。地下鉄なんかに乗ったら、つり革を持っている中国人の手首が気になってしょうがないのである。石の種類がわかると、この人はこんなことに悩んでいるor願っているのかぁとか、かわいいマルチカラーのブレスレットだなあとか、異常にでっかい石がつながっているなあとか、無意識に反応してしまう。先日、地下鉄に乗ったら、ある中国人女性がおもしろいブレスレットをしていた。すべてロードクロサイト！！すっごい高いぞ、この石！※ロードクロサイトそれも珠状ではない、角に丸みを帯びたおにぎり形の三角形である。さらに薄い。おお、これはすごい～と思ってつい見入っていたら、彼女は私の視線に気が付いて、けげんな顔をして私を見る。瞬間、私って、中国に来てから遠慮がなくなったと思った。香港気功師のパワー入り・金運に聞くルチルクオーツブレスレットサンストーン、シトリン、クリアクオーツ、シルバービーズブレスレット

2007.07.08

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Team CBDのパーティーと、なんで？という噂

振り返れば、「現代城で働く日本人の会」っていうのはないのかとじゃんすさんに言ったら、「既に『Team CBD』というのがあるんですよ」という返事があって、即第一回の召集がかかったのは1年半ほど前のお話。その後これがきっかけで私の仕事における北京の人間関係が広がったのだが、単に焼き肉をつっついていた集まりがこんなになっちゃうなんて、あの頃誰が想像したかな。北京でブライダルビジネスを手がけるマリアージュさんの幹事で、HILTONホテルのバーが貸切でパーティーが開かれる。今回はCBD地区という枠を外して、北京で働く日本人が集まる。その数60人。北京生活も4年目に突入して、周囲は知り合いだらけになったと思っていたら、接触したことのない人もまだまだいるのである。気が付けば、準備した30枚以上の名刺が、会場を後にする頃にはなくなっていた。こうした洒落たパーティーは決して多くないけれど、人と人を結びつけるような行事はこのところ北京では本当に多くて、さらには日本に比べると敷居が低い。点として存在したコミュニティが、ブログやSNSなどWEBを通したコミュニケーションが急速に普及したおかげで線としてつながり、その線がいくつも交わって、網の目になり始めたのが今の状態かもしれない。しかし、人間関係とは変なものである。この日の午後、とある日本人の方とランチをしたときに、共通の友人のお店に関して、言われない噂を流している人がいるという話を聞く。友人の人間性もよく知っていて、店にしょっちゅう出入りしているわれわれにしてみたら、なんでそうなるのか理解ができない。さらには、とあるよく知っている会社が大もうけしていて、従業員が40人もいると言っている人がいるらしい。ところが以前に私は別の人物から、同じ会社が経営難で、かなりマズいらしいという話も聴いていて、まったく何を根拠に噂が流れるのか、意味不明である。そんなことを考えていたら、ちょうど東京のよーこさんのブログにこんなエントリーが。こーゆー話に国境はないな。北京生活も3年過ぎると、そろそろそういう雑音の洗礼というのが来るらしい。今から右の耳から左の耳へすり抜けていく、のほほんとした体質に改善だ。ところで、ヒルトンのバーはわれわれのパーティの後に、別の予約が入っていた。ゲイのパーティーらしい。・・・残ってたら、こもまた噂になるな。

2007.07.05

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30代、独身、日本人女性。いつまで北京にいられるか？

人間とはだいたいそういうものなのだが。私は傍から見ると、好き勝手に暮らし、背負うものも少なく、何の悩みもなく生きているように思われているらしい。でも、大多数の人がいともたやすくクリアできるハードルが越えられなくて自己嫌悪にしょっちゅう陥っているし、他人様からは想像つかないコンプレックスもある。特にタフな人間でもないので、北京にい続けると精神的なバランスが取れなくなりそうなことがままあって、最近は、自分を修正しに日本人のHさんに会いに行ってひとしきり自分のダメさを語ってくるのが習慣である。Hさんは私と比較にならないくらいそういう人の悩みを聞いてきたせいか、人間ができている。この間ある話をしていたときに、彼女がひと言。「もしかしたらね、北京に住んでる30代の日本人女性って、みんなそんな風に考えながら暮らしてるのかもしれないね」。なるほど！彼女のこの言葉を聞くまでそれは私のブラインドになっていたけれど、まさに証言するような会話が、この数日の友人たちとの間にあった。30代以上、独身、海外で働く女性にとって、いつまでこのままの状態を続けるのかを決める要素は、個人の意思や都合だけではないのだなと思う。親の存在が非常に大きくなり始める。この年代の親は初老の域に差し掛かる。数人の友人はご両親のどちらかが既に亡くなり、片方の親が単身で暮らしている。大家族に囲まれているならいざ知らず、独居だと孤独感から娘を手許に置いておきたくて、強いシグナルを発する。仮にご両親が健在だったとしても病気になったり、身体の自由が利かなくなり始めたり、親の親の代の介護に自らの行き先が案じられて弱気になったりすると、いつ帰ってくるんだ？という問いかけが始まる。20代だったとすれば、「いずれ落ち着くだろうから、若いうちのしばらくは好きなことさせておこう」くらいの余裕が親にあったのが、10歳年齢が上がると彼らの気持ちにゆとりがなくなってくる。とはいってもこれを受け入れたところで、親元に帰って何ができるのか？と言えば、これと言って自分のキャリアを生かす仕事もなさそうだし、下手するとニート…？というのが頭を掠める。悩ましい。それでいつまで北京にいるのか？となると、大体がこう答える。「とりあえずオリンピックまでは」。オリンピックが過ぎたら、株価と地価が暴落してアメリカのファンドに北京が買い占められるとか、制度が一挙に厳しくなっておいそれ移動もできなくなるとか、国が四つに分かれるとか、いや、騒乱状態で革命とか、そんなことはよくわからないけど、ひとまずオリンピックまでは何があるかわからない街なのは事実である。この土地にものすごい気がめぐっているのだけは確実なのだ。なんてことを考えていたら、そのオリンピックまで1年少しになった。単にずーっと北京にいるだけじゃなくて、いろんな状況に対応できるように自分の畑を耕しておかないと。とりあえず、私はただ使うだけで一向振り込み欄が記入されないみずほ銀行の口座にお金を入れる方法を考えよう。

2007.06.21

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「北京ではなかった」ガア子さんのアフタヌーンティー

北京は北京で、それはそれでいいのだけれど、もう勘弁して～とどこかへ逃避したくなるのは否定しがたい事実。「ここは北京じゃないみたい！」それは立派な褒め言葉でもある。ガア子さんが街の西側の海淀区から東側の朝陽区に引越しし、新居でのティーパーティのお誘いを受ける。場所は、大使館街の緑が窓から望める雰囲気のある高層マンション。出入り口にガードマンがいるのにご自由に出入り下さい状態のマンションとは違って、ガードマンに行き先を告げてセキュリティーカードを使わないとエレベータにも乗れない厳重さだけど、このくらいのほうが今の北京だと安心のような気がしなくもない。偶然エレベータ前でいっしょになったＮさんとガア子邸の門をたたく。もうドアが開いたらその向こうは別世界。淡い色のクロスのかかったテーブルに、ティーカップとお皿、ナイフとフォークがセッティングされている。そして中央には美しく生けられた白とピンクのシャクヤク、ホテルのアフタヌーンティーで使われる三段重ねのトレイが。かわいいプチケーキに、手作りスコーン、サンドイッチが載るその光景は、まさにイギリス。北京ではない。日本人女性が8人そろったところで、ゆるゆるとティーパーティをスタート。この街が、埃まみれに痰吐きながら働く出稼ぎのおじさんたちに建設されているというのを忘れてしまいそうである。それもホテルではなく、家庭の中でこの優雅さ。その落差に、集まったメンバーは少々緊張気味である。しかし食べ物の力は偉大で、おいしいものをいただいているとおのずと会話は弾む。同じ日本人女性でも、背景は北京との接点やまちまちだ。駐在員の奥様として北京にやってきた人も当然いるし、自分自身が駐在員という人もいる。駐在の奥様でもだんな様が外国人というガア子さんやＮさんみたいなパターンもある。このほかにも現地採用の人もいるし、私みたいにどれにも当てはまらない人間もいるのである。それが一緒にティーパーティっていうのは、日本にいたら成立し得ないのかもなあ、なんて思う。ひとまず「ある異国に住んでいる」というキーワードでつながれるのだから。それにしても、ガア子さんはホントにもてなし上手。ブログで三枚目なところを強調しているものの、実際、タダモノではありません。場の和ませ方、手作りのスコーン＆サンドイッチ、おいしいケーキの手配、そしてお土産の準備と、ホステスとしてがっちり私たちの心をつかんでしまいましたよ！気が付けば6時。それぞれ帰宅の途に着く。柳の綿が飛び交う北京の中にまぎれる。私は目の前のバス停から28番のバスに乗る。押し合いへし合いしながら。全然北京じゃないガア子邸。でもやっぱり外は相変わらず北京だったな・・・。アフタヌーンティーとは？http://www.uikoakagi.com/cook/japanese/page1/tea.html林　望著「リンボウ先生の閑雅なる休日」母の日のプレゼントに、英国紅茶でリラックスタイム

2007.04.22

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私xiaomi。職業「・・・・」

北京であるものを紛失した。そのときに、日本の警察にも届けたほうがいいとアドバイスされ、地元の警察に言って届出をする。「中国でなくしたんだったら、まずこっちに戻ってくる可能性はないでしょうけど」とは言われたが、書くだけ書けば気が済むので、刑事さんに届出を書いてもらう。しかし、いきなりヘンなところで躓く。例えば、遺失物の届けはこのような書き出しになるらしい。「会社員である私、○○○○は、・・・」。そこで職業をたずねられる。刑：「会社員ですか？主婦とか、無職とか」。・・・・・なんでしょうね、私。しばし沈黙。自営のようなものなんだけど、日本で営業しているわけでもないしな。私：「会社に所属しているわけでじゃないから会社員じゃないんですよ」刑：「じゃ、派遣ですか？」私：「うーん、フリーランサーなので。」刑：「フ、フリーランサー？？？」私：「仕事の依頼のあった会社から報酬というかたちでお金をいただいてます。複数から報酬をいただくこともありますが」刑：「う～ん、私にはよくわからん話ですね」私：「わかりやすいのが、フリーのジャーナリストとか、ライターさんとか、ああいうやつです」刑：「ああ、そういうことねえ。じゃ、どう書きましょう？」私：「もうそれじゃ、めんどくさいから“無職”ってことで」というところで落ち着く。そう、私、今日本で“無職”ね。刑：「で、結局中国で何をなさっているんです？」私：「簡単に言うと、現地の日系企業で働いている中国人にビジネスマナーを教えています」刑：「中国人なんですね？」私：「ハイ、中国人にです」そんな会話のあと、届出にはこう書かれた。「無職である私、（xiaomi本名）は、中国で中国人にビジネスマナーを教える仕事をしています。2007年2月・・・・。」北京にいるときは全然気にならないのだけれど、つくづく地元で、私はマイノリティ中のマイノリティな日本人だと気づかされる。うちの父は、仕事が何かと人から尋ねられて、説明できないらしい。ともかくフリーランスの概念がないから。結局“下請け”くらいのイメージしか持てない模様。まあ、それで他人に説明されても、私、かなり怪しい人でしかないし。おまけに日本の法律の観点で考えても、私のポジションは理解しづらく・・・・・・ある意味、私ってすごいと思った。

2007.03.01

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人間ドックと栄養診断で感じた自分の中国化

人間ドックに入った。胃カメラ、きつかった・・・。麻酔が効いて、全然大丈夫って言ってたのに、全然ダメじゃん！・・・虫の息、気が遠くなったよ。どうやらこんなに激しい反応をする人間は珍しいらしく、先生が驚いていた。という割には胃袋はきれいで、傷もなければピロリもいないってことらしい。しかしな、しょっちゅう胃がムカついてるんですが。ごにょごにょするんですが。血液検査も心電図も、血圧もなんら問題なし。でも、なんか体調、よくないんですが。中国行ってから明らかに。西洋医学の数値じゃ、私の体調不良は説明ができんらしい。ここはやはり北京に戻って、中医を頼るべきか。人間ドック終了後、栄養士による栄養指導を受ける。事前に提出した書類をもとに、栄養士さんが私の食生活のバランスシートを作成する。そして問診。栄：「牛乳とチーズの箇所がとっても低いのですが、お嫌いなんですか？」私：「いえ、もともと好きなほうなんですが、　　実は私、中国に住んでまして、信用してないんですわ、中国の牛乳。　　抗生物質たっぷりで」。栄：「おやつは、和菓子が多いですか？洋菓子ですか？」私：「あの～、基本的に和菓子はありません」栄：「朝ごはんはパンしか召し上がらないのですか？」私：「いえ、パンも食べますが、　　書類に包子（肉まん・あんまんの類）って項目（選択肢）がなかったもので・・・」・・・なんだか話がかみ合いません。逆に私もこんな質問したりして。私：「豆乳と野菜ジュースを一緒に摂ると胃がもたれるんですが、　　飲み合わせが悪いんでしょうか？」栄：「いや、特にそんな話は聞いたことありませんが」。中国にいると、食べ物と言えば「上火」とか「去火」とか、陰陽の話ばっかりで、こういう数値で表すのを見ると、同じ食べ物の話してるのにずいぶん違うなあって思う。最後に弁当が出た。刺身に、ぶりの照り焼き、いかの和え物、えびのてんぷら。確かに海のもので肉よりはいいんだろうけど。で、野菜が少なすぎ。・・・これだけ食べると「上火」になるぞ。

2007.02.22

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中国滞在で失効した運転免許を復活させる。

11月の末、母から国際電話がかかってきて、次の誕生日で運転免許の更新手続きをしないといけないと知らされた。前回、ゴールド免許をゲットしたので、あれからもう5年もたっちゃったのかとびっくりである。本来なら私の誕生日は、太陽暦の年末。制度が改正されて誕生日の前後一ヶ月のうちに更新手続きしなければならないのだが、仕事のスケジュールを考えると短期間しか帰国できないし、また春節に帰国なんてやると飛行機代がバカにならないので、どうしよう…と思っていたら、ある人から、海外にいて更新手続き期間中不在の場合、書類さえ揃えておけば多少遅くなっても更新が可能であると教えられる。おっ、ラッキー！ということで、今回安心して春節に帰国。手続きに向かう。ちなみに必要なものは、・パスポート（滞在国の出国スタンプと日本の入国スタンプ）、・住民票、更新手続き通知はがき・前回の運転免許証・証明写真1枚・更新手続き手数料ちなみに免許が失効している状態なので、車の運転はできない。父に免許センターまで送ってもらう。「失効」手続きのカウンターに並ぶ。そこのカウンターは「国際免許変更」も兼ねているので、外人が多い。インド人っぽいやつ、ロシア人っぽいやつ。東洋人だけど英語でコミュニケーションする集団…etc。こんな田舎にこんだけよく外人がいたもんだな。それは置いておいて。カウンターで渡された書類を数枚書いたら、それを持って、通常の免許更新の順序で回るよう指示される。手続き料金を払い、視力検査して、データ登録をして、写真撮影をして、30分の講習を受ける。ところが私は受講前に「受講後、１階の更新変更手続き窓口へお越し下さい」の札を渡され、他のゴールドカードの更新の人たちと別コースを取ることになるらしい。ま、失効だし。ということで、無事お話は終了。「では、みなさん、運転博物館へ移動下さい。その後、免許をお渡しします」という教務官の言葉に従い、ぞろぞろ教室の外に出ると、「はい、あなたは１階に行ってね。エレベータだと速いからね」と私だけ違うところへ行けという指示が出る。そして、１階の更新変更手続き窓口へ。窓口のおじさんに札を渡したら、すぐに私に新しい運転免許証が手渡される。平成24年１月２９日まで有効の文字。ちゃんとゴールド。手数料がちょっと高くなるだけで全然問題ないじゃん。おまけに教室を出てから交付までの所要時間わずか３分。一緒に講習を受けた人はまだ、運転博物館だ。正常な免許更新より、失効した私の方が免許交付が早い。・・・・・。これって、私的にはありがたいんだけど、…なんか不思議だな。

2007.02.19

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スカート履いて思い知った、自分の中国化

一時帰国した。中国でひいた風邪を引き連れて。幸いにして発熱はしなかったけれど、ノースウェストの機内が異様に寒い上に、気圧の関係で、鼻づまりがひどくて苦しい。おまけに機体が降下するときに、右の耳の鼓膜が急激の気圧の変化に対応できず、悲鳴に近い音と激痛を発する。あくびをしても空気が抜けない。ようやく降り立った久々の日本のにおいも嗅げず、音も遠ーい。リムジンバスで一旦都心に入って荷物をコインロッカーに預けてから、デパートへ直行する。そして北京で買えないものを買う。例えばスカート。確かに北京でもスカートは売っている。でも欲しいと思うスカートはあんまりない。少なくとも仕事では使えない。おまけにあってもバカみたいに高いなんてザラだ。北京の繁華街を脚を棒のようにして歩いても手に入らなかったものが、日本のバーゲン会場でいとも簡単に手に入り、さらにはくらくらするほど安かったという経験を踏まえ、この半年、スカートというものには一切手を出さなかった。その反動か、売り場に行くと、目移りして選べない。ご存知の通り、北京の冬は寒い。おまけに中国人は足腰を冷やすのが大嫌い。そんな中スカートなんか履いてたら、目だってしょうがない。よって私も研修のあるとき以外はスカートを履かない。変な話だが、スカートを買って履くのが日本での楽しみの一つだった。翌日、早速購入したスカートを履いて出かけることにする。今回東京が異常に暖かいと聞いていて、北京からコートは持ってきていない。外套と呼べるようなものは、ショート丈のレザージャケット一枚くらい。出掛けの私の姿をみて、東京滞在中自宅を提供してくれている中国人Xさんが、「ちょっと薄着すぎない？」と心配するのだが、私はスカートが履けるだけでうきうき状態で、その声が耳に届かない。「いってきます～」と言って、部屋を出て気が付く。・・・なんだかひざが寒い。ロングブーツを履いているからそこは別に寒くない。だけど妙にひざが寒い。外を歩いていて、上半身が寒いと思うことはない。だけどどうしてもひざが寒いのである。な、なんでこんなにひざが寒いの？？？周りを見るとスカート＋パンプスで、私なんかより足元が薄着の女性は多い。確か私も日本にいたときはあのくらいの格好していたぞ。中国女性のモモヒキまではいかないが私も北京に行ってから、おのずと脚を保温する方法をとるようにしていた。たまにスカートを履いても、その上からひざ下まであるダウンコートを着て、即タクシーに乗っているわけだから、ひざを長時間寒風にさらすなんていうのは、ほぼ3年ぶりになるらしい。・・・こ、こんなところが中国人化しているなんて～！そんなことを考えていたら、全身渋谷１０９系ファッションの女の子二人が、中国語で会話しながら、私の脇をすり抜けていく。・・・・・。スカート履いてるからかもしれないけど、風邪はまだ抜けきってない。止めればいいのに、やっぱり次の日も別の新しいスカートを履いちゃった。ああ、私、こんなにスカート履きたかったんだー。北京の中国人の友達から見たら、何アホなことしてるのって言われるに決まってるんだけど、「おしゃれとは、寒ささえも耐え忍ぶものなのよ～！」という、ピーコの言葉が突如頭をよぎる、暖冬の東京でのそんなひとときなのである。

2007.02.15

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よーこさんの送別会をする

あれは「北京メディアの会」でのこと。PR会社勤務のMちゃんと、産経の敏腕記者・福島香織さんと同じテーブルを囲んでいたとき、Mちゃんが言葉を発した。「ところで、よーこさんの送別会ってどうするの？」よーこさん。おととし夏に出会ってから北京生活をことごとく盛り上げてくれ、かつ北京屈指の気になる女、そしてイケてる女だった彼女が突然、日本に帰国することになった。数日前からこのニュースは北京にいる少なくない日本人の間を駆け巡った。付き合いがあった人にとって、これは一大事。盛大に見送らなければならない!ということで、その場に居合わせた女3人で「よーこさんを送る会企画委員会」を緊急発足させる。胡同の中にある隠れ家スペインレストラン「蔵紅花（Saffron）」にちょっとだけおしゃれして、よーこさんと交際のあった人たちに集まってもらう。貸しきった2階のフロアは、座るところがないくらいぎっしり。広告系あり、報道系あり、女優さんあり、IT系あり、はたまた美容系あり。並んだ顔を見るにつけ、たった1年余りしか現地にいなかったにも関わらず、これだけの面々に愛され、惜しまれて北京を去るよーこさんって、やっぱりタダモノじゃないと思う。私自身、限られた時間の中で、よーこさんとめぐり合えた幸運を本当にうれしく思う。思い出してみたら、私とよーこさんが一緒なときって、ほとんどマッサージ屋かエステで寝そべっていたような。大体私が仕事の相談があって誘うのだけれど、そこで彼女から仕事に関する衝撃的告白がある。例えば「日本の会社を辞めた」とか、「上海にビル借りた」とか。で、大概彼女は「これ、まだ内緒だからね」と付け加えるので、そうか、じゃあ誰にも言わないよと答えておくのだけれど、翌日になると自分のブログに書いてしまう。「全然内緒じゃないやん！」と思うのだが、そんな秘密を隠せない正直なところがよーこさんのとってもかわいいところでもある。蔵紅花は、北京だと忘れてしまうくらい雰囲気がよくて、相変わらず料理はおいしい。よーこさんや愛娘のTちゃん、素敵なだんなさんのWさんにも喜んでもらえたみたい。確かによーこさんが北京からいなくなるのはちょっぴりさびしいけれど、日本に一時帰国する楽しみが増えると思うと、なんだか一層わくわくしながら東京へ行けそうな気がする。それはよーこさんという人が世界中を飛び回りながら、どこにいても自分の存在感を失わないからだろうし、一方で私自身が、幾度となく中国と日本の間を往復し、WEBを利用する中で、空間的距離を距離として感じなくなっているからかもしれない。そういう意味で、今この時代に生かされている事実に感謝しなくちゃという気持ちになる。どこへ行ってもよーこさんの周りに素敵な人たちが集まりますように。そしていつまでも大切なご家族と幸せでありますように。以下、このブログのよーこさんに関するエントリー。http://plaza.rakuten.co.jp/xiaomi/diary/200506090000/http://plaza.rakuten.co.jp/xiaomi/diary/200608290000/http://plaza.rakuten.co.jp/xiaomi/diary/200607200000/http://plaza.rakuten.co.jp/xiaomi/diary/200609250000/http://plaza.rakuten.co.jp/xiaomi/diary/200611160000/

2007.01.27

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一時帰国して、なぜか話し込んでしまうアノ人は・・・。

研修の仕事を終えてコーヒーを飲んで一息したら、大渋滞の時刻になってしまった。そんな時刻に国貿交差点を越えて帰宅するほうが気分が滅入りそうなので、ちょっとお酒には早いながら、しばらく顔を出していなかったバーに行くことにする。平日の夜、ぽつーんとカウンターにかけていたところ、これまたしばらく顔を拝んでいなかった、北京生活十年選手のO氏にお目にかかる。そこで、どういう経緯かは覚えていないけれど、カウンターの内と外でこんな話に。「日本に帰ってすぐタクシーに乗ったら、運転手にやたら話しかけないか？」別に、北京でタクシーの運ちゃんと会話するからその癖が抜けないというのではない。その場に居合わせた私を含めた3人は、むしろ北京では運転手に話しかけられない限りあまり会話しないようで、本来車内で沈黙がちではないかと思われる日本でのほうが、運転手との会話が止まらないらしい。前回帰国した日、日本のそばを台風が通過して、無事着陸できるのか前日から心配だったことがある。リムジンバスで都内までたどり着き、その晩お世話になる友人宅までタクシーを使う。路面が雨で濡れていたので、乗ったとたん、私、思わずタクシーの運転手に「今日、台風大変だったですか？」その後、私は北京住まいだと明らかにしてしまう。タクシー乗って行けない場所なんだから、説明したって仕方ないのにね。そういえば北京に留学して丸1年帰国しないでいて、ようやく一時帰国したとき乗り込んだタクシーの運転手さんから、「もうすぐこの仕事を辞めて、マレーシアに移住するんです」ということまで聞き出したこともあったっけな…。カウンターの中のSさんも、「ラジオでナイター中継なんか流れてたら、尋ねちゃうんだよね、『今どっち勝ってるんですか？』って。オレ、別に野球ファンでもなんでもないだろ？って自分でも思うんだけどさ」。そして。「全く質問されてないのに、自分から『北京でバーやってる』ってしゃべっちゃってるの。普通自分で言わないよねえ、そんなの」。Oさんも、「たしかに、やたらしゃべってる。あれは、あれは一体何なんだろうねえ？」とカウンターに肘をつきながら、大きくうなずいている。なぜだ。我々は、日本のタクシーの運転手に何を期待しているのだろう？日本の空港に着くと、ちょっとした興奮状態なのは事実。ちゃんと日本に着いてるぞという実感が欲しいのだろうか？はたまた、抜け落ちている自らの空白時間の、日本の情報を補おうと無意識の意識が働くってことなのか？それで、手っ取り早く遭遇するタクシーの運転手にからんじゃうんだろうか？それとも「私、海外から来た日本人なの。ちょっとヘンなところがあるけれど、海外に住んでる人だから許してね」って、アピールしたいんだろうか？海外から日本に戻ると、日本に居続けたら絶対にやりそうもない行動に出ることは、ままあるものだ。確かに私も、あれこれ日本を試すって行動にも出たなあ。六本木ヒルズで、展望台にいるはず中国人の友人に、誘導係の探索能力を使って伝言してもらったり、東京メトロのマップを使って、20キロのトランクを輸送できるかチャレンジしたり、新宿のヨドバシカメラで“銀聯カード”がどの程度使えるか、問い合わせしてもらったり。SさんとOさんには、自分たちはそこまでやったことないよってびっくりされたけど。いや、日本って、お願いしたらそこまでやってくれる社会なんだって。甘えられる日本には甘えておこう。まあ、それは置いといて。多分、次の春節（チャイニーズ・ニューイヤー）休みの一時帰国でもタクシーの運転手に話しかけまくりそうな。その春節までの残りは1ヶ月を切った。

2007.01.23

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私の第一言語は確か・・・“これ”だったはず。

言葉は使わないと忘れるものである。たとえそれが自分が生まれ育った土地の言葉であったとしても。ヘンな話だが、私は外国語がなかなか上手にならないくせに、日本語の方言のマスターは早かった。標準語以外に、関西弁（京都と大阪北部近辺）、金沢弁、広島・愛媛近辺の方言で会話していた時期がある。当然、出身地の方言もできる。とはいえ、一旦3年ほど実家に「出戻っていた」時期があるものの、10年以上地元以外の生活を続けているので、方言はあんまり使わない。明らかに衰退していると思われる。新年最初のT県人会を開催したところ、これまた生粋のT県人・Mさんは今朝実家を出て、晩北京に到着し、県人会会場になだれ込んでくれた。そのとき持って帰ってきたのが「方言番付表」。地元の空港で売っているらしい。価格は1枚100円。それから先は、この番付表が、会の主役である。うちの県は東西の文化の分水嶺にあるので、県の西と東は意外に言葉にも差がある。番付だとうまい具合に東西に分けられると、非常に便利。この番付を元に、標準語の単語を方言に訳するクイズが始まる。以下が出題の答え。１．「げっとくそ」２．「おぞい」３．「そくさい」４．「ありがたなる」５．「ちゃべ」６．「たーた」７．「おーどな」※この共通語訳は、ページ末に記載確かに幼い頃に周囲の人間はそう話していたなと思う一方で、自分自身も相当ヘビーに使用していた記憶がよみがえる。何と言っても反応が早いのが、北京が初の転勤生活。こっちでも方言で突き通すKさん。眉間にしわを寄せて考え込む人々をよそに、次々正解していく。まさにネイティブ～である。方言－標準語の関係も、日本語－中国語の関係と一緒で、劣勢のほうは、聞けるが、話せないものだと自覚する。この勢いは2次会もとまらない。2次会から参加の初対面のYさんに挨拶もなく、いきなり方言クイズ！そして会話はほぼ訛っている。さらに会場の、あまはらしさんのおしゃれなカフェの白い壁に、「この番付、貼っておけ!!」と毒づく。※あまはらしさんは実は意外ながら、T県出身。まさか北京で、標準語以外の日本語をこれほど使うときが来るとは想像もしていなかった。しかし。おもしろいのは、Yさんのご両親が関西出身で、ちょっと関西訛りがあると気が付くと、そこにいた関西在住経験者は一斉に関西弁に切り替わることである。私もイントネーションが関西になる。そこは、地元以外で暮らしたことがない人間にはできないはず。そう考えたら、かなり日本人も器用よね。《方言の共通語訳》１．「一番ビリ」２．「粗悪な」３．「元気、達者」４．「眠くなる」５．「おしゃべり、でしゃばり」６．「小さな女の子」７．「粗暴な、いい加減な」

2007.01.14

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女優からお笑い芸人までが集う「北京メディアの会」

先週、偶然会ったIさんからメディアの人たちの集まりがあるから、詳しいことを連絡しますよと言われ、そんなことすっかり忘れかけていたところ、これまたばったり会ったじゃんすさんから、さっき翌日のメディアの会の申し込みをしたよという話を聞いて、偶然、知人のMさんが幹事だというのがわかって、彼女にショートメッセージを送って、参加していいか確認する。私はマスメディアで仕事をしていた経験があるから、今もメディアの人たちに顔が広いのだろうと思われがちだが、意外と知り合いは少ない。昔属していたテレビ局の支局にすら遊びに行ったことがない、実は。現時点で私がメディア関係者なのかはともかく、会場に赴く。普段は団体が2、３組は入りそうなお好み焼き屋の座敷がすべて貸切になり、あっちこっちで名刺交換が始まる。今名簿で確認してみたら、総勢60人。確かにここは政治の街で、芸術の中心でもあるけれど、日本人でその従事者がこんなに多いことに改めてびっくりである。それも全員揃っているわけではない。来ていない人もまだまだいる。同じ方面だからどこかで会っていそうなものの、意外に初対面同士というのも多くて、あっちこっちで中国関連メディア従事者が名刺交換を繰り広げる。新聞・テレビの記者、ディレクター、カメラマン、雑誌編集者はもとより、コーディネーター、通訳、翻訳家、映画関係者、広告・PR関係、女優、モデル、フォトグラファー、美容師などなど、あらゆる肩書きの名刺が行きかうが、だれもこんなに大勢参加者がいるとは思っていなくて、ほとんどの人が途中で「名刺切らしました、スイマセン」と挨拶することになる。この世界の人はたいがい話がおもしろい。なので、名刺交換のついでに話し出すとすっかり話し込んでしまい、なかなか席移動できなくて、結局全く口も利かなかったひとだらけでお開きになって残念という感想の参加者がほとんどになった。そんな中、絶対に全員が名前を覚えざるを得なかったひとがお一人。ねんど大介さん。日本と上海をベースに芸能活動を展開していたねんどさんが北京上陸。北京のメディア関係者を前に、もちネタを披露。座敷内の日本人はもとより、お店の服務員まで担ぎ出して大熱演。会場、盛り上がりました！！確かにねえ、中国じゃあ生で日本のお笑いって見られないからうれしいよなあ・・・。これから北京も活動地にするとのことなので、北京の方も応援よろしくです。中国を舞台に活躍中の女優さん、モデルさんも北京には多い。大塚忍さん、めちゃめちゃきれいでした。武藤美幸さん、全然ホンモノの方がいいです。井上朋子さん、お目にかかれて感激でした。中国版・Ogge『今日風采』の購読者としては、ホンモノとしゃべっているのが不思議でした。そんなこんなで、すーんごい密度の濃い集まりだった。こんな会を笑顔で淡々と裁いてくれたMさん、ホントお疲れ様。ああ、一層北京で悪いことできなくなった。

2007.01.12

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昼間に新年会するのもいいもんだ。

もう夜も10時をまわっているというのに、まったくおなかがすいていない。理由、昼から食べすぎ。12時から食べ初めて、4時過ぎまでほぼ食べ続けていたので、腹が減っているほうが危険だ。日曜の昼から新年会である。mixiコミュニティのLiuの会の新年会で、幹事はダーシーさん。Liuには新年早々、世話になっている。2日前は、昼から友人ご夫妻と食事をとり、私はそのまま残ってパソコンで仕事、しばらくたったらアシスタントの中国人の女の子がやってきて、仕事の打ち合わせ…と、ほぼ事務所代り。常連さんたちも似たようなもので、昼間顔を見せたかと思ったらしばらくいなくなり、夜になってまた現れ、別の店に言ったかと思うと、またまた戻る、という行動を繰り返している。おかげで、晩御飯を食べに一人でふらっと入っても、必ず知り合いが出たり入ったりしているので、孤独な感覚が一切ない。ということで、新年会に来る人もほぼ知り合い。前日日本から戻ったばかりのママが、並んだ顔ぶれを見て、「年末、よう見た顔ばっかりやわ～」と言う。ひとしきり乾杯と胃袋が満たされたところで。ジャンケン大会。優勝商品は・・・EMIが総力をあげて売り出す期待の新人・JYONGRI(ジョンリ)のサイン入りCD！　きっと多分将来プレミアもの。なんてったって、JYONGRIは百合ママの姪っこですからね！信じるか信じないかは別だけど・・・。残念ながら、ワタクシ、初戦敗退。CDは別の人の手に。輪投げ。5本全部入れば、半永久Liuでの飲食無料！！それ以下は入った数だけ食事が無料。たかが輪投げ、されど輪投げ。やってみると意外に難しい。が、ワタクシ、2本インして2回無料の権利、獲得！そして、参加者がその場で作った、オリジナルかるた大会。かなり白熱。大の大人が頭つき合わせて円になってかるたを囲む姿は、傍から見たら、異様です！その後も、特製ぜんざいに舌鼓。こういう日曜午後の集まりも楽しいねえ。だけど、あんまりなごんじゃって、スケジュール帳見てから気が付いたよ、明日アポ入ってるの危うく忘れかけた。をを、危ない、危ない。

2007.01.07

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紅白のステージを見て、中国にいることを実感する大晦日

中国は春節を一年の始まりにしているから、特に12月の末になったところでそれほど慌しい空気を感じない。だけれど、日本人としては、今年の汚れは今年のうちに落としておきたいし、紅白を見ながら年越しそばも食べたいし、「ゆく年くる年」の除夜の鐘の音を聞いて、感慨深い想いに浸りたくもあるのである。ということで、知人のMさん宅にて年越し。おいしい料理をいただきながら、紅白見ながら、みんなで一年最後の時間を過ごす。にしても。ホントウにわからないのである、日本の流行が。この人誰？曲を聴いて、ふーんって状態が正直なところである。DJ OZMAくらいは知っていたけれど、日本国内での話題性がどの程度だったのかは今ひとつ理解していない状態である。浴びている情報量が違うって、こういうことなのか。情報と言えば、W-insはいつの間にあんなに大人になっていたのだ！？なんだかイケてるおにいちゃんたちが歌ってるなあ、今年出てきたのかなあなんて思ってたら、何！？これ、W-insだったの？？？って具合。・・・年月が流れるのは速い。そして人間は成長する。浦島太郎を実感する瞬間だった。そして、中国生活生活に慣れてきたのだと実感するこんなことも。NHKホールの舞台がちっちゃく見える。日本にいた頃、紅白の舞台セットとステージ一杯のダンサーには「やっぱり日本を代表する娯楽番組だものね」と納得していたのだが、中国のテレビでコンサートやらなんやらをやたら見続けてしまったからか、知らず知らずのうちに全然そんなふうに感じなくなっていた。ともかくこっちのコンサートステージはでかい。会場自体が1万人収容なんて結構あるので、比例してステージも自ずと巨大になる。演出も、ステージ上に花火や煙が噴出すとか、とんでもない数の人海戦術だとか、これでもか！って具合に派手さとにぎやかささを誇示する。紅白は豪華は豪華なのだけれど、こっちのショーの、頭が痛くなるくらいにまっ赤っかで金色！って豪華さじゃないのである。ライティングも白くて、ちょっと青い。あんまり頭は痛くならない。ついでに、OZMAみたいな演出もない。考えてみたら、この国ではあれは起こりえない。生放送なんて画面の隅にテロップが出ているけど、実際は検閲を受けた数分前の映像なのだから。途中、日本から旅行でやってきた友人のＵ嬢とその同僚のNさん、Mさん宅に合流する。彼女らがたどり着いて間もなく、日本の年越し。しかし「ゆく年くる年」の演出は、年を跨ぐまでは厳かで静かなので、ちょっとテレビから目をそらしていると、その瞬間を見逃す。気が付いたら、テレビの中が急ににぎやかな映像に入れ替わって、日本は年を越していた。急いで、あけましておめでとう！の乾杯。そして1時間後、今度はチャンネルをCCTVの雲南からの年越しコンサートの画面に切り替える。中国を代表する司会者・李咏の細長～い顔の隣にでっかいカウントダウンの時計があって、1万くらいいると思われる屋外会場の観客と一緒に、カウントダウンを始める。そして中国の2007年到来！時差1時間。一晩で2度おいしい。テレビでは花火が上がり、ステージに仕掛けられた花火も火花を散らしている。消防法に引っかかるもん、これはNHKホールじゃぜったいあり得ない。それを見たU嬢はびっくりしてたが、続けて一言。「なんか中国の方が一緒にカウントダウンって感じで、盛り上がるね～」。そうそう、ここの国、賑やか好き。時に盛り上がり過ぎ。それがウザいのも事実なんだけど。。。実は、裏でやっていた、湖南衛星テレビの「跨年演唱会（年越しコンサート）」が気になっていて、チャンネルを変えさせてもらう。夜8時から5時間と聞いていたからまだやってるんだろうと思っていたら、なぜだか画面は10月に放送された「金鷹節」というテレビドラマ大賞授賞式コンサートの再放送。０６年の超級女声が歌っている。そしてここでも、ステージがでかい、ダンサーが多い、ライティングが赤くてぎらぎら。やっぱ、中国にいるんだという実感を新たにする。U嬢とNさんは、北京の年越しを楽しんでくれた模様。かなり飲んで酔っ払っているせいか、U嬢は「また来年も大晦日に来る！」連発している。日本とはだいぶ違うけど、結構こっちの年越しは悪くない。

2006.12.31

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中国に来てよかったと思う年末の誕生会

年齢をとるのはもうそろそろうれしいことでもなくなってきた。でも、無事に誕生日を迎えられるのって、ありがたいことだし、誕生日を祝ってもらえるってとってもうれしいこと。年末が誕生日って、不利だと思うことだらけだった。友人たちが覚えてくれているのはせいぜい11月の末くらいまで。１２月に入ると度重なる忘年会にクリスマス、それが過ぎたら年を仕舞う準備にてんてこ舞いである。さらに悪いのは２９日になると、会社は年末年始の休みに入って、周囲は帰省するやら、旅行に行くやらで、もう私の誕生日がいつだったかなんて覚えてやしない。休みが明けたからって、「私、年末誕生日でした」ってもう言えやしない。とほほほほ。。。。。なんだか毎年毎年異様に孤独が凍みるのであった。が。北京に来てから、それは一変する。中国は旧暦のタイムスケジュールで動いてる。つまり、春節前が年末で、西暦の年末は通常の日である。ということで、普通にしていたって、全然おかしくないわけ。去年もこの通り。そして今年。おかげさまで、私とFさん、Hさん、Kさん、Tくんの年末誕生日組のお誕生会には人が来る、来る。約４０人。辛酸を舐めてきた年末お誕生日組は、満面の笑顔。そしてこんなにクレイジー。まず、コスプレ。友人・Sちゃん持参のスチュワーデス、ナース、セーラー服をあちこっちで着まわす。ナースのユニフォームは、ぴちぴち。Bさんが着るとはちきれそう。私はなぜか紫色の羽飾りと、蝶々の羽を背負わされる。そして百合ママからKさんへ祝福のキス。年末とは思えない大盛り上がり。パーティを企画してくれた百合ママ＆友人Sちゃんに大感謝！！年末が年末じゃないって、すばらしい！やっほー。なんだか気分よく年が越せそう。

2006.12.29

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Birthday! Birthday! Birthday!

北京に来てから、スケジュール表に何が増えたかといったら、とにかく誕生会が増えた。年末に生まれ、すべての人からその日の存在さえ忘れられ、逆に涙ナミダの思い出だらけの私でさえ、心優しい友人たちにお祝いしてもらえる。こうなっちゃうと、わざわざ寂しい思いをしに、何で年末日本に帰国しましょうか！？という気持ちになってしまう。・・・まあ、自分のことは置いておきましょう。とにもかくにも周囲で誕生日が続く。こんなにいっぱいこの時期に人が生まれて、人類の繁栄に冬の寒さは大貢献してたんだなんて余計なことを考えつつも、この世に祝う人と祝ってもらえる人が互いに存在しているって、ありがたいことよね、と思う。そんなことで週末は誕生日三昧である。17日、K嬢＆M嬢プロデュースによる4人合同のお誕生会が「鳥小屋」で開かれる。一人は私の愛すべき飲み友達・Y嬢。もう一人は、某日系企業の女性総経理・Nさん。そしてY嬢の会社の同僚・Bさん。残念ながらもう一人のA嬢は急遽重用が発生し、不参加になってしまった。全員この一週間以内に誕生日である。来店早々、準備したティアラを付けて上座にかけていただく。男性のBさんもあごひも付きで、生涯始めてのティアラを体験。見かけからプリンセス気分を味わってもらう。大のお酒好きのNさんはアルコールが入って、すっかり上機嫌。「北京っていいよね～、こうやってさあ、いい感じで日本人が助け合っていけるいい雰囲気があるよね～」「いや～、北京ってホントいい。こんなに楽しいお誕生日は初めてよ～！」と連発する。実は私はNさんとは初対面なのだけれど、数日前、とある情報がほしくて友人に相談をもちかけたところ、その件をNさんに打診してくれ、メールで情報をいただいた経緯がある。こんなに簡単に要求に応じてもらえ、それを恩着せがましくすることもなく、にこにこご機嫌のNさんを見ていると、やっぱり北京の日本人の人間関係って、心地いいよーと思うのである。ところで「鳥小屋」という店は、普通の状態ではない。この日、この店には日本人の団体予約が我々を含め4件入っていて、そのうち3件が十数人単位である。言っておくが、ここは日本ではない。それでいておもしろいのは、別の団体も知った顔が少なくないこと。「そっち何？」「あ、県人会。そちは？」「誕生会」ってな感じ。そのうち、別のグループへ席移動したり、違う島から人を連れて名刺交換に来たり、挙句の果てには、トイレから出てきた見ず知らずの人を手招きして座らせて、一杯ふるまうなんてことも始まってしまう。まるでもともと一組のパーティーだったかのような光景である。実は、この翌日18日がこの店の百合ママの誕生日で、我々からプレゼントされたティアラを付けた百合ママは、11時を過ぎた時刻になって、自らの誕生日カウントダウンがセッティングされたLiuへと向かっていった。我々は鳥小屋に居残り、合同誕生会の余韻に浸りながらママを見送る。その後のママの顛末は、北京のダーシーさん、じゃんすさんのブログにてご確認くださいまし。こんな怒涛のように押し寄せる誕生日。だけれど、北京だとみんなできちんと祝ってくれる。日本にいる、誕生日を祝ってもらえないみなさん、この際、お誕生会をしに、どうぞ北京へ！・・・こういうビジネスは成りたつのであろうか？？？ちょっと考えてみよ。そして翌日の夜はまた鳥小屋で、今度は百合ママの誕生会。ブラボー、誕生日。

2006.11.17

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焼き肉に合う、濃厚な6人の女

北京の秋がようやく始まろうとした頃、北京在住のフリーアナウンサー・吉川すみ嬢に「誰と誰とを集めて濃いメンバーの飲み会をやりましょう！」と言われ、そりゃいいねーと答えたが、彼女の、この集まりのネーミングの仕方は、見通していたのか？と思うくらい、そこでの会話は濃厚であった。ひとまずオトナに分類される領域に達し、かつまた今の北京で先陣切って情報を発し続けている日本人女性ばかり6人なわけだし。集まったのは、先日もこのブログにご登場いただいたライターの浅井さん、北京のフリーペーパー「TOKOTOKO」の編集長・大西さん、フリーライターのしゃおりんさん、北京を拠点にブランディングなどの方面で活躍するよーこさん、吉川すみ嬢、そしてワタクシ・xiaomi。集まる前から何かが起こりそうな予感は的中であった。乾杯をした時点で、既に浅井さんの手元のワイングラスが割れるという予兆発生。そこからはなんのアイスブレイクもなく、会話は核心へと突入する。筆も立てば口も立つと言えばいいのか、これまで聞こうにも失礼なのでは？と思って控えてきた質問が連続、それに対して名言続出。想像を超えた破壊力と的確さを兼ね備えた表現で回答するなんてのは、かわいいだけだった女の子の時期にはできない発言であった。これは人生の経験値＋職能なのであろうか？そのうち挨拶に来た、お店の日本人オーナー・Kさんまで話の輪に引きずり込んでしまう。いつ、どんな理由で北京に来て、どうして今も北京にいようと思うのか。過去の道のりと人生観が絡み合っての、それぞれの結論なのである。またそういう舞台に、日本式の焼き肉店がなぜだか合う。場所は「光華門」。オーナーと、スタッフのBさんの心遣いで、北京の東側ではありえない金額で焼き肉とお寿司をたらふくいただき、おまけに焼酎とワインまで開け、6人の女はしごくご満悦である。これを表現しようとして、日本語の中から言葉を捜すより、中国語の「開心」という言葉のほうが適当と感じるのは、中国での暮らしが長くなってきたからかもしれない。こういう楽しい夜って、いい人間関係があるから成立するんだよねえと、またまたまた納得。このメンバーでまた集まりたいなと思う楽しみが一つ一つ増えていく。それが、何だかんだ文句を言いながらも私がまだ北京にいようと思う大きな理由である。

2006.11.16

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Be-Bloggersの会も5回目になった。

ついに、自宅にあるノートPCがイカレてしまったらしい。昨日の晩、異常に処理速度が遅くなり、今朝は立ち上がるまでに15分もかかるようになった。覚悟はしていたものの、あのPCの方が使い勝手がいいこともあって、残念。特に文章打つには、あのキーボードのタッチがよかったのだけれど。しかし、ブログの更新を怠っているのはそんな理由じゃないんだが。単に、You Tubeとか、土豆網とか、WEB上に流れている画像に夢中になってしまい、キーボード打つ気になれないだけなんだが。他人に遅れること3日、ようやく「Be-Bloggers 5.0」のエントリーを書く気になった。遅くなってスイマセン。ちなみにBe-Blpggersとは、北京でブログを書く人のコミュニティのこと。約半年に1度のペースで交流会を開いている。日本からゲストが来るので、週末時間を空けておいてと言われスタンバっていたものの特に私がすることがなくなり、晴れて会場のある五道口に行く。会場の受付に着いたら、参加すると返事していないのに、なぜだか私は参加者の欄に名前があって、いーちゅんが既に名札を準備していた。・・・。私の予定とは別に頭数に入れられているようだ・・・。一年半前の第一回の頃から参加しているから、集まりに占める知り合い確率は相当高くなったものの、新たなお知り合いが出来るのはうれしい。北京なないろ幼稚園のあびるさんのブログは以前覗いたことがあったので、お名前を聞いて、一挙に親しみわきました。破暁のjiyangYさんは、以前私が留学していた大学の大学院に在籍していることが判明。おまけに私のブログも読んで下さっているみたいで。恐縮。ところで。北京のダーシーさんから「ブログだけ読んでた時と、実際会ってからの印象が違う」と言われる。私、どんなヤツだと思われていたんだろ？気になる。。。ちなみにダーシーさんとは2ヶ月ほど前から実世界でも知り合いである。これまた、既にお知り合いではあった、産経新聞記者の福島香織さんがブロガーとして参加されていたのもおもしろかった。いろいろ影響力のあるブログのこと、現在ウイルス攻撃の真っ只中で、相当大変そうである。「いろんな人とリンク張りたいんだけどね、迷惑かかるんじゃないかと思って、できないのよね～」というのは、彼女だからの発言。そんなこんなで、約2時間ちょっと、北京でブログを書く人の交流は終わった。会話がWEBのあっちとこっちにまたがっているのがおかしい。次回は半年後。果たしてBe-Blogger会長のきたむーの冒頭の挨拶に進歩があるのか、ご期待である。

2006.10.29

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北京基準な日本人による日本人のための挙式

あれはまだ7月のことだったと思う。現代城のセブンイレブンで偶然Mさんに会った。そこで9月に結婚式をするから来て下さいと口頭でご招待を受けた。それから怒涛のように8月が駆け抜け、気がつけばもうその日になっていた。北京での交友関係の広いMさんご夫妻（共に日本人）だけあって、とある集まりに参加したら、そのほとんどがこの夫妻の結婚式に参列の予定であった。これが日本での挙式であれば特に疑問はなかったのだと思うけれど、ここは北京。参列者の頭の中には共通の疑問符が浮かぶ。「一体いくら包めばいいの？」とある集まりの中にいた、結婚式の連絡役・K嬢に近づいて尋ねる。「その質問、これで4人目～」という返事が返ってきた。すでに彼女のとなりにいたTさんが3回目の質問をしたばかりだったらしい。まだその答えを聞いていない同じテーブルの人たちは、身を乗り出して、K嬢の口から出る数字に耳を傾ける。・・・ふーむ、なるほど。その数字がどんなものなのか、的確な反応がしづらい。いや、的確という言葉はあるのだろうか？この場合。ひとまずこの式の相場がどんなものか、みな見当はついたようである。しかし、明らかに日本国内とは違った基準で換算されるものなのだな。日本人カップルなので、きれいな祝儀袋を用意しなくてはならない。紅白の水引がかかった袋は売っていないが、水引をかけたきれいな紅包がセブンイレブンに売られている。既に多くの人がセブイレで袋を購入済のようだった。そこで慌ててさっきも出てきた現代城のセブンイレブンに祝儀袋を買いに走る。が、ない。全然そんな袋は見当たらない。もしかしたら、北京のセブンイレブンのきれいな紅包は、既に日本人たちに買い占められてしまったのかも・・・と思う。うわさだと100人は日本人が集まるという結婚式らしいし。結局、王府井洋華堂で人に頼まれた分も一緒に買う。ちなみに、さきほどのとある集まりで聞いた話だけれど、のし袋は今、ネットでダウンロードできるのである！のし袋・香典袋　http://web.keityou.jp/葬式もしかり。特にご不幸の場合は事前に買っておくのがタブーで、おまけにこんな北京で、はい、日本人のご家庭でご不幸がありました、といって即香典袋が準備できるわけじゃあないから、大助かり。ほとほと便利な世の中になったものだと感心する。話がそれたが、元に戻す。Mご夫妻の結婚式のゲストは、95％が日本人。よって100％日本語による進行。Mさんご自身からも「“和”をコンセプトにしているので、着物を持っている方はなるべく着て来て下さい」とのお達しがある。私は着物を持って来ていないから着なかったけれど、かなり多くの人が和服姿での参列だった。日本で着物を着ようと思うと、TPOを意識しなければならないけれど、ここは海外。却って自由な雰囲気でリラックスして着られる気がする。ただし、砂埃でかなり汚れそうだが。。。さらに汚しても即シミ抜きできないから、相当な注意が必要だが。。。そしてまた会場がすごい。延々と視界に広がる広大な芝生、その向こうの池、そこを行きかう鹿の群れ…。首を別の方向に振れば孔雀が放し飼い…。こんな場所が北京郊外あるなんてー。中国語さえ聞こえてこなければ、ここが北京だというのをころっと忘れてしまいそうだー。と思ったら、そんな風景の中を工人たちが荷車引いて集団で横切っていく・・・。プランテーションで働かされている農業移民をなぜだか想像してしまった私。パーティー会場に行けば、そこはプールサイドで、センスよくアレンジされた生花とテーブルセットが並ぶ。この日のために特別に出店した日本料理店の握り寿司、杏仁豆腐。完全に北京にいる感覚はあっちの方に。。。この式とパーティーを自らプロデュースしたご夫妻のセンスとサービス精神、人徳に感服である。こんな言い方すると、すごく下世話なんだろうけれど、これだけの場をわれわれに提供するために時間を割いた新郎新婦に、感謝の気持ちで慶事袋をお渡しする意味って、本当にあると思った。幸せを分けてあげられる人が幸せになれるんだろうな、というもの再確認した気がした。ハードが充実したからできた幸福感もあるけれど、人と人がつながったから生まれる幸福感もある。北京はそれがどっちも実現できる街になったなと思う。

2006.09.23

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北京で県人会に参加して思うこと

北京で人間関係を広げようと思ったら「県人会に行け」と言われていたのだけれど、以前は私が関係する都府県にはいずれも県人会なるものがなく、よその県にでも混ぜてもらおうと思っても接点もない上に、「意外とつまんないもんですよ」と言われ、この地では県人会って縁のないものだと思っていた。ら。あるとき突然、芋づる式に同郷の人たちに出会い、さらにはmixiでつながり、これまでの故郷と隔絶された生活は何だったんだろう？というほど身近に“地元”があるようになった。こうなると不思議なもので、たまたま出会った人が同郷だったと発覚することが連発する。ついこの前まで、同じ地元の人間なんて片手の手さえも下回る数だったのに、気の流れというのか、世の中っておかしなものである。こっちで雑貨屋を営むRさん夫妻の幹事によって、県人会の集まりがセッティングされる。場所は、東四十条の「福家楼」。Rさんのダンナさまのお見立て。お料理はこれでもか！ってくらい老北京である。うちの県は誰もが認めるこてこての保守。その重傷度は、全国統一選挙で、他の都道府県でのきなみ自民党が敗戦しても、うちの県だけは自民党が選出されるくらい。教育委員会の力が強くて、過去にルパン三世のテレビ放送が中止されたくらい。若くても年をとっていても夜に飲み歩いていたら、人格を疑われるくらい。進学率が高くて、公務員になるのが一番幸せだと思っている。ここでいう正しい人生は、そこそこの年齢で結婚して、子供を持ち、共稼ぎして家を建てるために貯蓄して、敷地占有率の異常に大きな自宅を建てる傍ら、子供をいい県立学校にあげてやり・・・というもので、すべて現在の私にないものだらけである。なので、北京から自宅に直接帰ると、価値観の急激な変化に、自分の頭がついていかなくなるので、一旦東京という緩衝地帯の通過が必要になる。で、北京の県人会となるわけだけど、これがいや、全然○○県民らしくないのである。あそこに馴染んでるならわざわざこんなところ来ないでしょ、出るべくして出てきたんだよね、この人たち、というオーラが出ている人が多い。私は以前、よく言えばメディア系で仕事をしていたことになるのだけれど、日本でもあの土地の出身者であの手の仕事をしている人と会う確率は相当に低かった。ところがこのところ中国でその手の人たちに会ったら、「えっ？私も出身なんですよ」「あれまあ」ということがある。正直申し上げて、あの県民性を引きずって北京で暮らすのはつらいと思う。北京がこれだけ急激な変化をしているだけに、ある程度いい加減というのが快適に暮らすコツのようだから、もしかしたら自ずと変わらざるを得ないというのが正解なんだろうかな。食べきれないほどの北京料理のあとに、参加された方が一時帰国の際に買ってきてくださったお土産をいただく。お隣の県の銘菓、森八・長生殿。口に入れたとたんに甘さが広がったと思うと、それが嫌味にならない時点で甘みが引き下がり、わずかに残る。繊細さの塊。この上品さは北京にはそうない。考えてみたら地元の和菓子も品が良くて、おいしいものが多かったなと思う。例えば、月世界とか。せっかくならこの集まりを地元の新聞社に売り込んでやろうと考え、最後に集合写真を撮影する。なんだかんだ言っても、人間どこかで折り合いをつけて、生活環境に適応するものである。

2006.09.09

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私のデリカシーはこれからどうなる！？

突然ですが、私は、物を食べる姿が醜い人が苦手。くちゃくちゃ音をたてる、肘を着く、犬食い、物が口からはみ出てる…etc。一緒に食事をするのは1回こっきり、それも大勢で、ということなら特に気にもならないようなのだけれど、毎日毎日こういう人と面つき合わせて一緒にいたらキレるかもしれない。いや、キレるに違いない。食事をしている間は食べ方にルールなしという中国の文化とは相容れない部分がある。なので、もし中国人と結婚することになったとしても、ある程度その辺をわきまえていない人とはあり得ないであろう。ということで、私が中国人と一緒になる確率は現時点ではきわめて低い。別に品のいいお家に育ったわけでもないし、作法に精通しているわけでもないけれど、デリカシーというものを頭のあっち側に追いやることがどうしてもできない。こんなに大雑把な街に住んでいながら。以前留学していたIさんが、夏休みを利用して北京に遊びに来た。去年の夏、銀座でお寿司を食べに行って以来の再会である。彼女オススメの浙江料理レストラン「張生記」であっさり目の中国料理に舌鼓を打ちながら、デリカシーというものの話になる。消し去ることのできないデリカシーがある一方で、なくなりそうなデリカシーがある。例えば、何かを食べるときにじっくり味わって、何がどう使われているのかなと分析することが少なくなった。友達とそれぞれ気に入ったデザートを持ち寄って、情報交換することもめっきり少なくなった。そういう持ち寄り会の結果に、どこの誰のところにお呼ばれされたときに、手土産になりそうだな、と思うこともなくなった。さらには誰かに本やCDを借りたときのお礼に、チョコレートやクッキーを一粒つけて袋に入れて返却するという細やかさも完全に消えうせた。すっかりお呼ばれは手ぶら、お菓子はおろか袋もなくDVDは返却である。・・・私も変わったものである。「いやぁ、こっちにいるんならそれでいいんじゃないの？」とIさんに言われる。確かに北京ではそれでいいのかもしれない。中国人の家に行くときに悶絶物のデザートを持っていく必要はなさそうだし、DVDを返却するのに適当な袋が見つからないし。しかし、マズイのは日本に帰ってからもすっかり切り替わらない恐れがあることである。現に実家から、どこそこにお中元しないといけないんじゃないか？という連絡があってようやく思い出すような状態なので、相当ゆるい空気に犯されはじめているようなのである。考えてみたら、年賀状も暑中見舞いも凝りに凝って毎年作っていたのに、最近全然書いてないぞう～！かーなりーまーずーいー。一応私、日本人を売りに仕事してるんで、現地化しちゃいけない部分は守らないといけないはずなんですが。。。バランスが難しいのである。

2006.09.05

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田中社長を招いての北京GREE会

某社の研修を夜に控えて、翌日は一息つこうかなと思っていたら、GREE経由でじゃんすさんからメールが届いた。GREEの田中社長が北京に来ているので、北京GREE会、緊急開催である。場所はいつもの東来順。ちょっと早めに着いて部屋に入ったら、じゃんすさんやいーちゅんたちが既に席に座っていた。連絡に寄れば、主賓は1時間ほど遅れる見込み。それまでいつもどおりに丸テーブルを囲む。考えてみたら、不思議な話だと思う。GREEに招待されて、それから北京のGREE会に参加して、その盛り上がりぶりがGREEでも取り上げられるようになって、「そのうち田中社長が北京に来るといいね」なんて話していたら、本当に実現してしまったんだから。世の中には“六次の隔たり”という理論があって、全く無関係の二人を選んだら、大概6人を経由すればそれぞれにたどり着くのが可能だという。ここは北京という日本人からしたら外国だけれど、日本国内より日本の核心につながる距離は短いんじゃないかなと思うほど、案外簡単に旬の人と接触する線がはっきり引かれている気がする。今回に関しては、よーこさんが今北京にいるという原因が大きいと思う。何しろGREEの6人目の会員。証拠にGREE会員を「北京」で検索かけて登録順序を遡ったら、一番古い会員がよーこさんなんだから。そのよーこさんにきたむーがコンタクトを取って、どうしたわけかそれによーこさんが応じて今につながっているのだと思うと、よくもまあ、これは奇跡だよと思う。羊肉しゃぶしゃぶが登場してしばらく、ようやく主賓が到着する。当たり前の話だけれど、GREEのインタビューで見ているのと同じ人だった。せっかくの北京なので、白酒で歓迎する。翌日朝8時の飛行機で帰国とのことだったけれど、もし朝仮に寝過ごしたら、振り替えた飛行機でスチュワーデスに声をかけてみるよう薦める(笑)。せっかくなので、会の様子をカメラに収める。いかにも記念写真みたいな撮り方が嫌いなので、その場その場、普通の流れをカメラに収めるようにしているのだけれど、田中社長といーちゅんの２ショットは、冷静な目で客観的に見るととても不思議な気がする。これが北京の醍醐味ですな。田中さんや青柳さんもくつろいで下さったみたいで、北京GREE会にしては落ち着いてゆっくり話のできた会だったと思う。そして翌日、撮影した写真をGREEのアルバムにアップする。アップしたあと気がついたのだけれど、私のGREEのアルバムの内容の多くは、北京GREEに関するものだったということ。後から羽交い絞めにされてケーキをかぶるはらけんさん、落ち武者状態のcmook、へろへろになったJINOさんを脇で抱えるtakaさん・・・etc。スライドショーにして一挙に見たら、バラエティ番組のオチにすっごいものがついちゃったなあなんて、そんな気分になるのであった。

2006.08.29

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北京で日本のお笑いを極める？？？

夜９時を回って、後海でMさんと別れてから３０分後、とある店で行われた集まりに参加した。北京でライターをしているK嬢主催「江戸文化・上方落語愛好会」。日本の東西文化が一緒になって、どっちかにしろとでも言いたいところなのかもしれないけれど、北京にいたらそんな細かいことはどうでもいいのである。要は、日本の文化を愛しましょうってことなんだし。特に江戸文化にも上方落語にも精通しているわけではないのだけれど、過去、中国語の写作（作文）の時間に「鬼平犯科帳」をテーマに作文を書いた身としては、こういう話がしたいぞう、という気持ちになるのである店のドアをくぐったら、店の一角にちんまりと日本人4人が顔を着き合わせて鎮座していた。K嬢は浴衣姿、参加者のYさんは夏の着物の艶姿。おまけに店に流れるお囃子の音楽。飛び交う日本語。一瞬、北京にいるのを忘れてしまいそうになる。せっかくこういう集まりなんだからと「あいうえお作文」などやってみる。我ながら完全に錆び付いた脳みそのイマジネーションのなさに呆れる。しかし減退の一途を辿る脳機能のおかげで、「お絵かき」、いや、改めK嬢いうところの「お笑いまんが道場」が異様な盛り上がりを見せる。「描けって言われても、案外描けないもんなのよ～、これが」。お店のママに言われて、ドラえもんやらミッキーマウスやら描いてみるのだが、確かに描けない！いや、本当に描けると思ったら、今ここで描いてみてよ。ほれ、ほら、でしょ？向かいに座ったMさんから、「ちょっとこのドラえもん、ほっかむりしてますよぉ」「ちょっとこのミッキー、ヤバイんじゃないっすかぁ」との指摘を受け、自らの観察力と記憶力の心なし凹む・・・。しかしその傍らで、その私のささやかな凹みも一掃する画期的なミッキーマウス、象、アトム…etcを描く巨匠がいる。Tさん。絵を描かせた前と後では彼の存在感は大きく変わっていた。いや、ぐっと親しみやすくなった。自分のイメージを変えたい人にはお絵かきは大、大オススメである！みんながルパン三世を描く傍らで、私も申し訳程度に不二子とアルプスの少女ハイジを描いてみる。中学生くらいまでこういうのをノートいっぱい描いていたような気がしたのだけれど、いつの間に書かなくなったんだろう？なんだか久々に絵に没頭している自分を確認したよ～。描き終えた不二子とハイジは、ママからいたくお褒めを受ける。そしてその後ママは、私のいないところで私が描いた不二子ちゃんのことを吹聴しているらしい。ちなみに私が描いたのは不二子の顔だけである。どうもこのまま噂に尾ひれがついて、1ヵ月後にはとんでもない情報になっていそうな気がする。さて、話を元に戻す。そんなこんなで気がつけば、夜中の３時まで絵を描き続け、それをネタに笑い続けていた。こんな単純なことで大笑いできるってのは幸せである。記念すべき「第一回江戸文化・上方落語愛好会」は参加者の類稀な才能（？）により大爆笑のうち終わりを告げた。第二回も請うご期待なのである。

2006.08.26

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突然日本のラジオ番組に・・・

自宅でぼけっとしていたら、友人のY嬢からショートメッセージが届いた。「土曜日時間ありますか？日本のラジオ局に取材されることになったので、一緒に来て欲しい」という文面。その後彼女から直接電話がかかってきて説明を聞いたら、おもしろそうなので立ち会うことにOKした。ところが、当日になって友人が突如体調不良を訴え、行けそうもないという連絡をもらう。Y嬢:「今日どーしましょうか…」私:「いや、どうしましょうって・・・、断れないんでしょ？」Y嬢:「ええ、まあそういうことなので・・・じゃあ、お願いしていいですか…？」ということで私は、立会いではなく、急遽、取材対象としてラジオに出演することになった。番組のパーソナリティーのMさんと、市内のオフィスで落ち合う。九州の放送局でラジオ番組一筋という彼女、旅行にやってきた北京で、上司から突如「北京のナイトライフを取材して来い！」という指令を受け、滞在残り2日の時点で仕事モードに入らなければならなくなったとのこと。彼女の方も、いきなりエッ？？？の展開である。お互い予想外の展開の二人でタクシーに乗り、夕闇迫る後海へ向かう。「北京の夜の遊び」と言たって、そういう文化がこの土地の生活に浸透しはじめたのは、ほんの数年に過ぎない。一般的中国人が夜何をするかといったら、基本的には自宅に帰って家族孝行するのが普通。男性だってたまに夜出歩こうものなら、奥さんからの執拗な電話攻撃にさらされるというのがついこの間までの常識だった。夜の遊びが成熟している土地柄じゃあない。後海そばにあれだけのバーができて、水辺にテーブルを並べて夜の風情を楽しむのだって、SARSの流行があって以降のことなんだから。その意味で後海周辺というのは、地元の人にとって、画期的な遊び文化が芽吹いた場所と呼んでいいのかもしれない。タクシー下車後、二人で後海周辺をぐるっと一回り。しばらく来ないうちに、店先の歩道にテーブルではなく、大型のソファを所狭しと並べる店だらけになっていたことに気づく。Mさん:「えっ？　こんなところにソファって、似合わないですよねえ」私:「そうですねえ。でも中国人、ソファ、大好きなんですよ。どこもカフェも大型のソファだらけで。よくそこで寝てますし。」自分で言ってみて気がついたけれど、大型ふかふかソファが中国飲食店業界の繁盛の近道なのかもしれない。おびただしい数のスズメが止まる電線を見下ろしながら、カフェのベランダで二人で食事をとりながら、番組を収録する。打ち合わせなし、いきなりぶっつけ本番。長らく放送仕様の掛け合いというものをしていないので、言葉が出てこない・・・。脳みそ錆びたな～と実感。そんなことをやっているうちに収録終了。オソマツデシタ。収録後もMさんとの会話は尽きない。ほんの1時間くらいで退散と思っていたのに、気がついたら3時間近くも話し込んでしまった。Mさんみたいに上手く質問してくれると、ついつい北京のいろんなことが話せてしまう。翌日帰国を控えたMさんは、「帰りたくない～」というのだけれど、逆に私は日本を離れるとき「帰りたくない～」と思う。どっちが日常で現実なのかと思うと、それと向かい合わなければなくていい土地は中国だろうが日本だろうが離れがたいのである。人でにぎわう裏通りを潜り抜けて、表通りに出る。現場の音を拾いにもうしばらく後海に残るというMさん。彼女に見送られてタクシーに乗りこんだ私。またいつかを約束して手を振って別れる。中国で起こる予想外の出来事は、すべてが悪いことじゃない。

2006.08.26

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今の日本に追いつくための私の努力？

今回、日本に一時帰国での大きな使命は、携帯電話を買い換えることだった。何しろ前回帰国の際、手持ちの携帯機種ではメールが受信できないという問題が発覚し、壊れてなくても使えない携帯に成り下がってしまったことを実感。ということで、購入。auW42K。当然音楽やFMラジオも楽しめ、アナログテレビ機能もついている。とはいえ、全部の機能を使いこなすことは不可能なものの、従来の携帯を機種変更するとお金がかかるので、新たに契約する。ようやく世間並みの日本人になれた気がした。日本にいるうちは、日本についていくのでいっぱいいっぱい。おまけに心身ともに疲労が溜まっていたせいか、実家に戻った途端、ただの怠惰な物体になってしまい、ひたすら横になって休むことと、限られた時間の中でどれだけテレビが見られるか、を重点に滞在期間の８０％の時間を費やされた。なんだかテレビを見るたびに、「ああ、これがあれなのねー！」というのが連発。オリエンタル・ラジオはかろうじて人に譲ってもらったDVDで見たことがあったけれど、南海キャンディーズは初めて動いているのを見た。エビちゃんが動いて話しているのを見るのも初めて。ああ、フジテレビの平井理央ってこの子のことなのね・・・ってな感じで、日本在住のころはほとんど見る気もしなかったバラエティ番組にまでかじりついている自分って、一体何だろう？って思った。ああ、本当に枯渇していたんだ、こういうバカバカしいものに。見たいと思っていても海外だという理由で、第二日本テレビもYahoo!の動画配信さえ見ることができないんだから。このことを友人たちに話したら、「大丈夫だって。みんな誰でも流行に乗っているんじゃないんだから」となぐさめてくれるものの、あれもこれも、それもどれも知らないのねと説明したら、さすがに「ちょっとそれはまずいのかも・・・」という反応が。見掛けは日本人を維持していても、明らかに日本の会話についていけていないなあ、多分この溝はますます広がるなあと思うのである。ところで、ギャルサーってもんがあったんですね。それで、渋谷でまた顔を黒く塗りつぶした女の子たちが復活してるっていう。これについていこうって気持ちは全然ないんだけど、なんだか彼女らの存在に唖然としてしまった自分に流れる年月を感じたわけですよ。結局私が中国人に教えている日本って、二年前の日本なんだな。脳みそが急速に老化しているようだし、果たしてこのまま私は取り残されていくのかぁー。

2006.08.17

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大連出張

人生、一旦何か始まると、集中して発生する土砂崩れのようである。おかげで私の頭はこの1ヶ月の間、何かあるたびに飽和状態。にもかかわらず仕事しなくてはならなくなった。だから、もっとオーバーフロー状態。いや、仕事があるから思い悩まなくて却っていいのかもしれないのだろうけれど。仕事がなかったら、ごはんの食い上げである。ごはんが食べられないと心が枯れる。それだけでも救われているのだとしよう。なんて心境で、大連に出張に行く。出かける前は、海鮮食べようとか、何か大連らしいものを見てこようとかあれこれ考えていたのだけれど、引越しと、出張の準備作業、並行している仕事にかまけていたら、何の計画も立てられなかった上に、充分に研修の内容が頭に入りきっていなくて、結局大連初の晩は、ホテルで資料を広げて頭の中でシュミレーションして終わってしまった。そして朝9時から夕方５時まで研修。肉体的にも精神的にも疲労しきっていた時期だったのだけれど、人間、どうにかなるものである。そして長時間の研修に耐えた、中国人のみなさん、お疲れ様。よく頑張りました。受講者を見送った後、現地法人の責任者の日本人女性Aさん、東京本社から出張中のIさんと近くのスターバックスで一息入れる。すると、カウンターの女の子が日本語で応対してくれる！中国広しと言えど、いきなり日本語で出迎えてくれるスタバは大連くらいじゃないのか？普段ならホットのラテしかオーダーしないのに、クリームがてんこ盛りになった抹茶のフラペチーノを頼んで、一挙に飲みきってしまう。そこで知る自分の疲労具合。その後、私の帰りの飛行機までAさん、Iさんと海水浴場近くの遊歩道をぶらつく。久々に嗅ぐ潮の香り。時刻は7時前で西の空が赤い。私の実家がある街は日本海に面している。日の入りになると、西に広がる日本海の向こうに赤い太陽が溶け沈んでいく。だけれど、この街で落ちていく日は山の向こう側で、海の向こうは一足先に暗く夜に溶け始めている。なるほど、ここの人たちは海から見る朝日は知っていても、海に沈む夕陽の織り成す移ろいを知らないのだなあと気がついた。多分、文化の違いって、こうした日々眺める風景からも影響されるのだろうな、なんてぽつりと思ったりした。大連の海水浴場の入場には20元が必要になる。ところが夜7時を過ぎると無料。それを狙った市民が、7時前から入り口を囲み、時刻を過ぎると同時に一斉に海へ飛び込む。もう暗くなりかけているのに昼間よりにぎわう海水浴場の脇で、我々3人、よく冷えた、というより凍りかけたビールをいただく。「冷えたのちょうだい」と強調しないと冷たいビールが出ない中国にあって、凍ったビールは恐れ入る。3人で話をしていたらやっぱり言われることがあった。「大連に移ってこないんですか？」確かに大連にいれば、研修関連の仕事は山のようにあるし、ビジネスとしても充分成功するだろう。それに大連の環境は日本人になじみ易い。でもそこで即首を縦に触れないのは、大連にいることで今の中国が見えなくなるような気がするからかもしれないし、私のしたいことが、既に日本語を使うという枠の中に入ってる人のためにすることよりも、枠の外にいる人を枠の中に引きずり込むことの方に魅力を感じているからかもしれない。そういう意味で私は規格外製品で、お金のニオイに鈍感と言えるような気がする。とにもかくにも北京をたまに離れるのはいいことだ。地方都市はこじんまりしていて、にぎやかすぎなくてほっとする。こうした出張ベースで、あっちこっち覗き見できたらいいなと思う。

2006.08.05

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よーこさんのお祝いパーティー

北京でそこそこ気合を入れておしゃれをしたのは、２回しかない。どっちも日本人の結婚式だった。たぶんそのノリで中国人の結婚式に行ったら、浮きまくるに違いない。そんな場所でも彼らはほとんど普段着に近い。五つ星ホテルでも普段着っぽい。相応しい格好をしていないと門をくぐることすら許されないヨーロッパのホテルなんかは程遠くて、この前米大統領が宿泊したホテルで、北京名物・腹まくりでおやじが階段を下りてきたくらいだから。。。よーこさんがNEWS WEEK誌の「世界が認めた日本人女性100人」に選ばれて、そのお祝いパーティーの招待メールが来た。中には「ドレスコード」の文字。ドレスコード。多分北京ではほとんど聞かない言葉なので、一瞬何を着たらいいのかと思い、しばし考える。ということで、当日、秀水市場と批発市場調達品で固めて会場へ。全身の総額は「ピーコのファッションチェック」で金額の字幕が入ったら、はずかしくて言えないくらいの小額である。ここでは、この手のものはとにかく安い。中国とは経済的な場所である。にもかからわず、まだこういう格好をしている中国人とパーティーで出会ったことがない。ついでにこんな格好の外国人に遭遇する場面もない。なんだかもったいないなあと思う。TPOの観念が希薄で、カジュアル、というより手抜きの方向に行きがちだから仕方がないのかこの国では。「化粧や身支度にそんなに労力使って、無駄じゃない？」なんてはっきり若い中国人の女の子に言い放たれたこともある。おしゃれしすぎで恥ずかしくて表を歩けないなんていう変な感覚が起こるのも仕方がない。ゲストは半分くらい友達や顔見知り。全員がそれなりにちゃんとした格好でいるので新鮮だ。聞いてみたらこの「ドレスコード」というのにみんな「どの程度？」と思ったみたいなので、やっぱり北京にいたらそうなるよなあ、と思う。それにしてもよーこさんが北京に来て半年しか経っていないのにこれだけの顔ぶれを集めたのだと思うと、やっぱりタダモノではないと思う。普通半年しかいない人がこれだけの質と数は集められないと思う。そこが「世界が認めた日本人女性100人」。仕事上、明らかに日本人の格好をするように努めているけれど、東京にいるときと比較すると明らかに弛緩している。どっちかというと韓国人より日本人の方が弛緩の度合いは高そうだ。これは、環境に適応している証拠でもあるんだけど・・・。だからたまにこうしておしゃれするのって、メリハリが出て楽しい。こういうことでもないと、弛緩しすぎで日本に戻ったときに社会復帰できないかもーと思う。とにもかくにも、よーこさんおめでとう。そしてちょっと北京らしくない時間を提供してくれてありがとう。これからもみんなを元気にしてね！

2006.07.20

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示し合わさなくても、W杯観戦集会

中国で、ワールドカップ観戦の影響で6人が死亡したらしい。疲労に興奮が重なって死亡する・・・血圧や血糖値の上がりそうなもの食べてるし、なんだかこの国ではありそうなことだ。日本じゃありえない話と笑っていたら、そうだ、高校野球で殺人が発生するってことはあった、うちの地元で。・・・なんて、ドメスティックなんだろ。クロアチアとの対戦後も人が死んだという話は日本からは伝わってこない。北京でも、私がいた現場で憤死した日本人はいなかった。夕方7時半に観戦会場の朝陽公園西口のD&Gに到着。２階に上がると、既にKOMAさんとSさん１が前列のテーブルにかけて腹ごしらえをしている。キックオフまで1時間半。外国人でにぎわう１階とは打って変わって、がらーんとしていたホールだったが、そのうちここはびっしり日本人で埋まるよとKOMAさんが言う。たまたま私の後に入ってきたSさん２とSさん３とは顔見知りだったので、同じテーブルにかけてもらってビールで景気付けする。８時半になると、ぞくぞく青いユニフォーム姿の日本人＋外国人が流れ込んでくる。席が入り口に近いこともあって、次々に友達や知り合いに会う。Sさん２は何年かぶりの再会を遂げたよう。ここに来れば絶対誰かに出くわすと確信していたんだけれど案の定で、挨拶に行ったり、手を振って確認したり、日本人としての礼儀を通す。クロアチア戦の放映権はテレビ朝日が獲得したので、中国政府非公認で受信しているNHK－BSでは観ることができない。大型スクリーンで拝むチャンネルはCCTV５である。同じ影像とはいえ、やはり母国語の実況でサッカーが観たいぞ。こんなちょっとしたことだけれど、海外に住むというのはちょっと不利だ。そしてキックオフ直前。会場は満杯。１００人以上の日本人であふれ返る。これだけ大人数の中で私が代表戦を観たのは、前回のロシア戦以来だ。Sさん３は、前回大会中海外出張で、香港での観戦を余儀なくされ、こんなに大勢の日本人に囲まれて観るのは初めてらしく、なんだかうれしそうである。私も正直、うれしい。うれしいついでに、現場で応援ユニフォームを買ってしまう。日中の最高気温が３９度＋人いきれで室温が上がっても、買ったものはちゃんと着る。いいサウナだ。こういう体の状態を中国語で「上火」と呼ぶ。試合結果はご存知の通り。あ～、また切なくなっちゃったぢゃないか～。周りを見回すと、知らぬ間に知り合いが増えている。また挨拶に行く。入り口付近にMOTOさんがいた。試合の間は下のフロアで観戦していて、終了後日本人の様子を覗きにきたらしい(笑)。帰り際、この集まりを企画した方から一言。「ここは中国なので、帰るときはユニフォーム脱いでいってくださいね～」。この時期酒に酔ってケンカする中国人が増えているらしいから、絡まれないためにも念のためにそうした方が賢明だ。ここは日本と違う。退散しようと建物の出口に向かう。あたりは白人だらけ。「１階で観てたら、日本を応援する声援の方が大きかったみたい」と、MOTOさんのお友達のIさんが言う。そーねー、多分賭けてたのかもなあ。それにここの人たち、中国人じゃないからね。なんて考えていたら、後ろから私を呼ぶ声がする。どこ？誰？　声の出所を探すこと暫し、２階のベランダであった。やんまぁさん、こんなぎりぎりまでお見送り、ありがとう。別に示し合わせて来たわけじゃないけど、結果としていろんな友達と声援を送ることになるっていうのは、やっぱり北京は狭いんですよ。あー、悪いことできないって。観戦の様子は、KOMAさん撮影・編集のこちらの動画でどうぞ！！http://emmybbc.main.jp/

2006.06.18

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海外でも、やっぱりW杯は「ホーム」で観戦ですな。

あーっ！あーっ！！あーっ！！！と声を発した間に、オーストラリアのシュートが日本のゴールを揺らした。つい数分前までの優位が一気に逆転し、高揚した気分はかき消された。気がついたら、私はひとり、みんなが座る位置から離れて、テレビから一番遠い位置に座っていた。理由は何でか自分でもよく解からない。いきなり鉛でも呑んだみたいに臓器が全部重くなった。切ない～、切ない～、切ない～。こんなに切ないのは多分、ドーハの悲劇以来だ。切な過ぎて、翌朝目が覚めたらまた悪夢のようにこの敗戦を思い出すのかなあと思うと、その場で再起不能になりそうだった。ああ、サッカーって何ていつもこんな重量感のある感傷的な気持ちにしてくれるんだろう～。テレビの中のNHKの解説陣も動揺が隠せない。「私たちもダメージを受けていますが・・・」なんて言い出すアナウンサー、「あのオーストラリア相手によくやりましたよ」なんて、アンタ、これは何年前のセリフ？みたいなことを言い出す岡田元代表監督。あの負け方は実況の現場でも予想外の何ものでもなかったのだろうな、どう対処していいものやら逡巡している舞台裏が想像できる。一緒に観戦していたFさんが「まあ、今夜は飲もう！」と言って、ワインを空ける、ビールを空ける。それにしても、今日は日本人と一緒に「ホームで観戦」してよかった。実は私も、じゃんすさんと同じく、とある経路からオーストラリア人と三里屯のスポーツバーでの観戦に誘われたのだけれど、勝利に浮かれるオージーに囲まれ、憤懣だらけの感情を吐露することすらできずに家路に着くのは、心にも体にも負担がかかりすぎる。もうサッカーの話はしないぞ。飲みながら別の話題を展開する。既に深夜の域に達しているのに、ここから飲んで食べてのエンジンがかかる。でもこうしていると多少溜飲が下がる。ドーハの悲劇の時は、一緒に観戦した職場の同僚としばらく放心状態だったが、その後全員が車を運転して深夜の帰宅をしなければならなかったから、飲みもしなければ食べもしなかった。あんなに引きずったのは、別の欲求に訴える手段がなかったからかもしれない。なんてことを考えているうちに、なんと時刻は３時になっていた。そして翌朝自宅で目が覚めた。精神的なダメージはなかった、でもアルコールのダメージはあった。気持ち悪い～・・・。

2006.06.12

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北京で迎えたワールドカップ

ワールドカップドイツ大会、日本の初戦のホイッスルが鳴るまであと数時間。毎度毎度思うのだが、こういう日の丸を背負った試合のある日は、朝からなんだか落ち着かない。日本にいなくたって、ドイツに応援に行かなくたって、日本人はやはり日本代表が気になるのである。そして、みんなと声援を送りたいと思う。思いは同じなのか、私のところには３つの観戦集会の情報が寄せられた。どれもおもしろそうなので、どこで誰と一緒に観るか大いに悩んだのだけれど、とある日本人の集まりに参加することにした。午前中、ある友人からメールが来た。「異国でのナショナリズムなのか、日本にいるときはここまで盛り上がることはなかったような気がする」という一文が。んー、なるほどね。確かに瞬く間に観戦イベントがあっちこっちで企画されて、お誘いが重なるなんてなると、下手に日本にいるより一層盛り上がっている気がするのかも。それには同意する。でも以前どこでW杯を観たのかで、その印象は違うのではないかな、と思った。実は私は4年前、すごい盛り上がってた。仕事場が渋谷だったこともあったから、センター街や渋谷駅前にあふれるジャパンブルーの集会を警察官が取り囲む光景も見ていたし、渋谷のクラブでロシア戦を観戦し、初勝利を上げたときは、道玄坂を下る短い距離のうちに、見ず知らずのサポーターとどれだけ握手したり、写真を撮ったかわからない。これだけ熱狂的で物怖じしない日本人がいったい今までどこに隠れていたのかと思うくらい、非日常の空気にあふれていた。一方、週末に新大久保に遊びに行けば、焼肉屋は「大韓民国！！」の大コール。そして「ワールドカップテレビ観戦できます」の張り紙がほとんどのレストランの入り口に張り出される。普段はアジア人だらけの店先で白人がハイネケンを飲みながら、スウェーデンの試合を眺めている光景はいつもの新大久保じゃなかった。そして仕事場も全てのテレビが、つけっぱなしである。帰りたくても試合が気になって帰れない～。自分の知らない日本人の一面と光景が、あの1ヶ月にあった。しかし、日本の全国民がああしてＷ杯で盛り上がる巷の空気を胸いっぱいに吸っていたのかというと、疑問である。例えば、スタジアムもない、キャンプ地にもならない、普通の街の家族にとっては、やはりテレビの中に描かれた絵空事みたいなものなんじゃないだろうか？大勢が集まって観戦する大きな画面のある店がない、そもそもテレビは家で家族と観るのが当たり前、人様のお宅におじゃまして観戦なんて考え付かない、という発想でＷ杯を見ていたとしたら、盛り上がろうにも盛り上がれないんじゃないか？そう考えたら、これは日本か中国かの問題ではなくて、都市と地方、もしくは家庭や人間関係の意識差なのかな？なんて思ったわけである。とにもかくにも、今日の北京の日本人の間には、少し落ち着かない空気が漂っている。ＣＣＴＶの「球迷世界杯（サポーターのワールドカップ）」という番組で、今日の日本×オーストラリアを取り上げていた。日本のユニフォームを着た日本人留学生が「明日がある」のサックス演奏に合わせて踊っているという妙なオープニングだった。スタジオ観覧している中国人のサッカーファンに、カズと稲本の子供の頃の写真を見せて、「これは一体日本のどの選手？」という質問をしているのを見て、彼らにわかるかそんなもーん！と思うのだが、私の心配をよそに司会者はどんどん番組を流していく。すごいテキトー番組だった。でも毎日、どこかの試合にスポットを当てて、出場チームの紹介をしているらしい。そんな番組を見ていたら、キックオフまで6時間を切った。あ、ビール買いに行かなきゃ。。。

2006.06.12

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かくも貴重な北京の晩ごはんどき

一日自宅で仕事をして、夕方から友達と外でごはんを食べようと思ったら、日本から電話があった。かけて来たのは母。今から外に出かけるからと言ったら、「えー、こんな時間から出かけるの？不良みたいだわ」と本気で言い出し、？？？？？・・・お、お母さん？となる。娘のことを心配してくれているのはわかるのだけれど、なんだか心配するポイントが随分ズレている気がする。いや、逆に「毎晩毎晩家にいて、あんた、夕ごはんも一緒に食べてくれる友達もいないの？」と心配してもらいたいんだけどねえ・・・。そんな話はさておき、好運街の晴海に行ったら、もう友人のKさんと、彼女の後輩のAさんがはじめていた。ともかく誰かに誘ってもらってごはんが食べられるのはうれしいことだ。それにこうした食事会の場合、よく誰かが誰かを連れてきてくれるから、知り合いも増える。そして思わぬ情報が転がり込んだりもする。だからお財布に金が入っていなくても、食事の誘いは断れない。ほどなくしてやって来た中国生活１２年、現在通訳やテレビコーディネーターとして活動しているSさんには、以前取材申込みの電話を受けたことがあって、その際、素材になる影像が絶対的に足りなくてお断りしたことがあった。名刺交換をしたときに「あ、もしかしてー・・・」と言ったら、「そーなんですー！」というお返事があって、やっぱり狭いなあ、北京は、といつもの結論に至る。駐在として赴任後転職し、現在日本のベンチャー企業の現地責任者になったMさんも、話をしているうちによーこさんのお知り合いだというのが判明し、近々よーこさんを挟んでごはんしましょうという話になる。しばらくしてスタジオ関係のお仕事をなさっているOさんという女性も合流。Mさんが、「なんだ、北京にもこんなおもしろいことをやってる女性がいっぱいいたんじゃないですか！」と意外がっていたけれど、北京にはもっともっといろんなおもしろい日本人女性がいっぱいいると思う。まだ巡り合っていないだけ、ただそれだけのことなんだろうな。Sさんはこちらでの暮らしが長く、さらにだんなさんも中国人で、一目見て日本人だとわからない雰囲気。そのせいで危険な目にあったこともあって、なんでもかんでも現地化するのがいいとは限らないなあ、ある意味、日本人に見えるのは、便利なことだなあと思ったりする。日中関係が微妙な時期だから、日本人と分からないように振舞わなくてはならないとか、在中日本人は息をひそめてひっそり生きているとか、日本人であることは不利以外の何ものでもないというちょっと行き過ぎた思い込みが、いまだに一部の人の間にあるみたいで、うちの母もバスや地下鉄乗車中に携帯がつながると「危ないから今話すのはやめておく」と言出だす。でも私にとっては、母の警戒心が周りの安穏とした空気がどうもアンバランスで、申し訳ないけれど滑稽なのである。外人だから妙なぼったくりに遭う確率が高いというハンディがあるものの、生活面ではアドバンテージの数のほうが多い気がする。ちなみに私は相も変わらず「この人中国人じゃない」という格好でバスに乗ってほっつき歩いているから、運悪く日本人嫌いに出会ったらいちゃもんつけられる恐れはあるけれど、ほとんどの中国人は危害を加えるような信号を発してこない。まあそんなわけで、この国にいる場合も、日本人オーラはキープするべきアイテムのようである。ところで面白い発見が一つ。中国歴の短い私なんかは、北京オリンピックは一つの目標で、そのとき何が起こるのかわくわくするのだけれど、ベテランのSさんやOさん、Mさんくらいになると全然反対。「大会期間中は絶対北京に居たくないね」。何で？？？せっかくの世界的イベントなんですよ～？「多分大会中は、会社も学校も全部休みにして、街のあっちこっち規制するに違いないと思う。もしかしたら普通に生活できないくらい大変な規制をかける可能性だってあるんだよ。まともに外が歩けるかどうかは疑問」。んー、なるほどねー。たしかに汚い格好してただけでトラックに載せられて連れて行かれるとか、道を歩いてたら職務尋問されて公安にしょっ引かれたりって、ないとは言えないなあ。となると、外に出るたびにパスポート携帯？わー、めんどくさー。確かに日本のワールドカップのときみたいに、街中で大騒ぎっていうあの雰囲気、この街で許してくれるかどうかは…私もちょっと疑問かも。。。毎回おもしろい出会いがある北京の晩ごはんどきに、自宅でじーっとしてたら時々損した気分になるってことを、母にも理解してもらいたいなあ。

2006.05.31

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膝丈パンツが在中女性に与える衝撃

あれは去年の12月ごろのことだったのかもしれない。NHKワールドを見ていたら、若い女性アナウンサーが膝丈のツイードパンツを履いていた。へえ、こんなパンツがあるんだ、かわいいなあと思っていたら、1月末に帰国したとき街を歩いていた女の子がみんな履いているので、「なんだ、これって流行だったんだ！」とそのときになってやっと気がついた。LAUTREAMONT／【ロートレアモン】シャンブレーショートパンツ既に流行を追えなくなっている自分自身にも愕然・・・。こっちに来たときからいくらか日本の衣類を持ってきていたし、去年の秋から仕事で日本人とちょくちょく会うようになって、日本人らしいものを身に着けるようにしていたけれど、それがイコール流行を取り入れているというというわけではない。実は私がこの事実に気がついたのはつい最近。日本のファッション雑誌・Oggiの中国語版「今日風采」を買い始めてからである。日本にいる間はこの手の雑誌を買う習慣はなかった。街を歩けば何が今年のラインなのかが分かったし、参考になる人間がごまんといたし、対応の術をなんとなく理解していた。ところがこっちに着てからは、本当に何が流行りなのかさっぱり分からない。なぜって、北京の女性たちが着ているものや服装市場に並ぶ洋服を見ていると、これはフツー、私には着られないでしょーというデザインに生地の質のものがほとんどで、そこから何かを学ぼうという気にはなかなかなれない。ともかく現状のレベルをキープするのでいっぱいいっぱいである。なので、帰国するか、雑誌でも手にしないと今年らしいラインへの発想補正ができない。おまけに中国人のセンスをどこかで疑ってかかっているので、仮に女の子たちがよく着ていたサテンリボンのついたジャケットや、首のスカーフの巻き方、きらきらのスパンコール使いなんていうのが実は立派な流行の一部だったとしても、Oggiを見ない限り私は気がつかない。「なんだー、そうだったんだー」その象徴がさっき出てきた、今年流行の膝丈パンツのような気がする。Oggi誌上でモデルたちがこれでもか！ってほど履きこなしていて、これはひとまず押さえておかなければと思い、買いに出かけるが、北京ではそれほど並んでいない。香港のJORDANOで見かけて、「北京でも買えるよね」と思っていたら、同じJORDANOなのに北京じゃ売っていなーい！かろうじてU2が販売していたので、即買いする。でもやっぱりこっちでこれが流行していると知っている人は少ないみたくて、履いていたら「なんだか涼しい格好してるじゃないですかあ」と日本人からも言われるのである。なんて、こんな話がしゃおりんさんとの間で話題になった。たまたま一緒に寄ったコーヒーショップに、今度は中国版Vivi「瑞麗」が置いてあった。中身は怒涛の膝丈パンツ攻撃。吸い込まれるようにしてそれを眺めていると、本当に我々はこういう情報に飢えていたんだなあと実感する。いやいや、北京だから気を張る必要はないけれど、切り替える必要があるときは切り替えられるようにしておいたほうがいいよねえ。ひとまず日本人から「もう捨ててるな」って思われないようにしておきませんとね。

2006.05.29

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ＴｅａｍＣＢＤによる、あのカフェの探索結果

一時寸断されていたTeamCBDの活動がまた活発になってきた。幹事さんは月1回の開催を正しく守る。ということで、今回の会場になったのは、東大橋近くの双盛園。海鮮料理ではちょっと有名なところみたいである。部屋に通されたらいきなりそこにSHINさんがいたのでびっくり。ぺぐ会が終わって、続けて飲みに行くSHINさんをタクシーから見送ったのが、17時間ほど前のことだと記憶していたが、聞いてみると、この日も昼からビールで乾杯していて、彼の肝臓はノンストップで操業中のようである。なので、前夜に続いてウコンを二粒渡す。そんなことで、いつものメンバーに新たな顔ぶれも加わって、北京では高価とされるシーフードをいただく。前回の集まりのとき、家の近所のつっこみどころ満載カフェについて話したところ、大いに興味を示した情報誌CのCさんが、１２８元のブルーマウンテンを求めて、２度も脚を運んだというリポートを聞く。私：「結局どうだったんですか？１２８元のブルーマウンテン」Cさん：「そう、頼んだんだよ、これがほしいって。　　　　　そしたら『豆がちょっとしかないから出せない』って言うんだよ、　　　　　それも２回とも～」・・・はあぁぁ？？？豆がなくって、出せないってなんだ？だったら、メニューに載せるなよ～。Cさん：「だから、３８元のラテでガマンしたよ」私：「でも、そこでタダ券もらったでしょ？」Cさん：「いや、もらわなかったよ」・・・・・。タダ券ないんじゃ、ますます客が来ないじゃないかあ・・・。テーブルを挟んでこんな会話をしていたら、みんながそのカフェに興味を示す。ということで、またあれこれ仰天ポイントを説明することになる。まさに、中国らしい謎の店。そして誰かが脚を運ぶたびにますます謎は増えていく。ところで海鮮の味は、まあまあ・・・というところなんだけれど、ひとつ疑問が。刺身用についていたワサビ、アレは一体何！？辛すぎ！！あれ、絶対添加物入れてるでしょ、普通のワサビの辛さじゃないもん！あれじゃ何食べてるかわかんないでしょ！同じテーブルで何人悶絶したかわからない。今後、中国ではワサビの出処に関して探索の必要性アリ。今回幹事役のFさんが、この会の出席者を「北京のヤングエグゼクティブのみなさま」と呼んでいらっしゃったけれど、みなさんはともかく、私はエグゼクティブではありません～。こんなに低収入のエグゼクティブっているか～。早くお金に不自由しない生活がしたい～。こんなんでも、そう誤解されるということがあり得る北京って、すごい街だな。

2006.05.27

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あれから1年足らず。成長したよね、北京ＧＲＥＥ会

ということで、北京ＧＲＥＥ会の続きである。雨の中、東来順の玄関に着いたら、yongguiさんやきたむーたちと一緒になった。こんな雨なら遅刻するのも仕方ないよね、とお互いに言う。確かに、北京は雨に異常に弱い。そもそも雨なんか降らないもんだという発想だから、雨に慣れていない。ひとたび降るとあっという間に道が渋滞する。道路の脇に側溝はない。アスファルトの上を、高いトコから低いトコに向かって水は流れる。三環路はあっちこっち道の下を道が潜り抜ける設計になっているから、潅水しやすい。潅水なんかしちゃったら、当然車は通れない。どうしようもない道路事情である。・・・なんて話はこの後の展開にあんまり関係ない。いつもどおりに入り口左手の個室に入ったら、2テーブルが既に埋まっていた。今回はじゃんすさんの奥様のＮさん、Takaさんの奥様Ｙさんも参加である。そういえば1年前にここでケーキかぶってた人がいたなあと思ったら、天津からはらけんさんがやってきた。歳月の流れを感じる光景が広がる。その後、白いお酒がみんなの胃袋に流れ込んでいったことは言うまでもない。アルコールが入っていい具合に場がくだけでくると、みんな席を移動して、あちこちで話しに花を咲かせる。Takaさんから「上海じゃ、こんな風に席移動なんてしないんだぞ～」と言われるものの、せっかく打ち解けてあれこれ話がしたいんだから話したい人のとなりに行って、話し込んだっていいじゃん！と思う。そこが北京の気安さなんだから。今度やんまぁさんが煮物を作ってくれるらしい。場所はリーガオさんのお宅で。ひとまず署名は取り付けた。だんなさんが涙を流してうまいという煮物をご相伴にあずかりたい。それとつくづく思うのだけれど、私とyongguiさんとの関係って面白いと思う。ペグ会以外でご一緒する機会は少ないのだけれど、そのたびに意外な接点が判明するので、おもしろいと思う。今回もyongguiさん、さらには彼女がインターンする会社と、私が面識のある某大学日本語科関連の方たちとの接点がぼろぼろ出てきておもしろかった。そもそも出会ったときから「何でその人知っているんですか！？」と互いにびっくりし合った関係、それは今日もつながり続けているのである。Yongguiさんはもうすぐ帰国。しかしこの後もどんなところでyonggui関係者にぶち当たるか、我々は知る由もない。2次会で武の助へ移動。深夜、なのにアルコールとお好み焼きを食らう。もう体にいいわけがない。なぜか今回、じゃんすさんがビデオカメラを回している。「一回画像を撮ったら、１，２，３，４・・・って10まで数えて、そこからゆっくりパーンして、止まったらそこでまた１，２，３・・・って数えなきゃだめです！」ってカメラに向かって叫んでいるので、じゃんすさんからは私がすっかり酔っ払っていると思われていたらしい。記憶はすごい鮮明。しかし、それでも酔っ払っている範疇に入るのだろうか？自分では判断不能。そんな傍らで、リーガオさんがＮさんを口説いている・・・「ブログを書け」って(笑)。考えて見ると私の初ブログは6月1日。まもなく一周年。確か私も1年前リーガオさんに説得されたなあ、ブログ書けって。果たしてリーガオさんに説得されて、ブログを書かない人はいるのだろうか？驚異的なクロージング能力だと思う。すごいです、リーガオさん。今回、新しい白酒隊長も襲名したようで、実り多いペグ会であったに違いない。人間関係はこうやってちょっとずつ広がっていくものである。

2006.05.26

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海淀区の半日

北京に来たばかりの頃、私は海淀区の住人だった。ところが現在、朝陽区、それも三環路（北京の環状線）を基準に見た場合、かつての居住地の対角線上に住んでいるので、海淀区へ行くのはちょっと骨が折れる作業になった。ぺきんのぐっちさん作成の北京／東京重ね地図によれば、新橋から下赤塚まで移動するに相当する距離らしく、埼玉県境に自宅を置いて通勤電車に揺られて汐留まで通勤する自分を想像してみたりする。ということで、海淀区内に行くときは、スケジュールを固めないと効率が悪い。育成中のカスピ海ヨーグルトを受け取る約束で、海淀区在住のガア子さんと「味とく」でランチする。偶然にも地下フロアに下りたら、ガア子さんとばったり。ランチの時間を少し外して出向いたので、店の落ち着いた雰囲気が堪能できる。北京の西側で最も安心して日本料理が食べられる店だけあって、オーダーした日替わり定食の一品一品はどれも美味。ガア子さんにとっては久々の正統派の和定食だったようで、気に入ってもらえたよう。私の仕事のことやガア子さんご夫婦のこと、最近の北京の変化の速さ、日本人コミュニティーについてなどなど、あれこれ話をする。ガア子さんのように外国籍のだんなさんがいる方と北京で出会うっていうのもおもしろいなあと、人との出会いの不思議を感じる。その後、現在私が企画中のイベントの報告と、大学主催イベントの司会をする中国人学生への指導を兼ねて、北京大学へ。最初に3年生の学生に発声や表現力のトレーニング方法、舞台の進行表の作り方を教える。それが終了後、今度は1年生に司会者のポジショニング、台本内容の把握の仕方などを教える。大学1年生、19歳が司会をするのだけれど、学校の先生から手渡された台本の内容が「長らくお待たせいたしました、これより“・・・・大会”を始めさせていただきます」「○○○様より、ご挨拶をちょうだいいたします」なんてなっているので、これ、ホントかね？？？という衝撃を受けた。本人たちに「大学1年生が司会をするのだから、明るく元気にやろうね」と薦めたら、「先生からまじめにやるよう言われているのだけれど、どこまでの明るさなら許されるのか？」というひじょーに難しい質問をしてくれる。そこで「“まじめ≠暗い”だよ、元気に明るくまじめっていうのもあるんだよ」と説明するが、本人は今ひとつ納得しきれないらしかった。ステージ演出責任者の先生の言う「まじめ」がどの程度なのかが心配らしい。協賛団体としては若さと元気いっぱいの大会だと想像してたら、会社の式典みたいな司会を20歳にも満たない外国人をやっていたら、むしろ硬すぎてびっくりしてしまうのではと、ちょっと心配なのだけれど…。とにもかくにも非常に彼らは熱心である。おまけに第二言語とは思えないくらい、日本語が流暢である。大失敗という司会はないであろうと思う。北京大学をあとにして、五道口へ。久々によーこさんと会う。足裏マッサージをしながら、よーこさんの上海話と私が企画中のイベントの話をする。いいマッサージ屋でした。何がいいって、まずみんなフレンドリー。でも大勢スタッフがいるのに、誰も仕事の手を抜いてないとこ。足裏をやったあと汗が引いて逆に体が冷えたりするのだけれど、今回はずーっと体がぽかぽかして夜風が気持ちよかった。そして海淀区の半日は過ぎていった。こうして離れてたまに行くと、海淀区も確実に変化しているのがわかる。ともかく家から出かけるのは移動がいろいろめんどくさいから、早く市内の地下鉄を整備してもらいたいなあ。

2006.05.23

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今このときの北京だからある感動

香港から戻って、ためこんでいた書く仕事を週末にやっつけてしまおうと思っていたら、ブライダル業を営むＳさんから電話がかかってきた。先週司会を担当した結婚式の日本人カップルが、我々スタッフのために“打ち上げ”を開いてくれるので来ないかとのお誘いであった。以前司会をしたら、式当日にご祝儀をいただいたなんてことはたまにあったけれど、後日スタッフを招いてごちそうしてもらえるなんていうのは初めて。素直にご厚意に甘える。場所は聯聯。まっすぐで誠実な新郎と、まるでお人形さんのように愛らしい新婦。うららかな春の光に抱かれた挙式＆パーティは、感動の涙と笑いがいっぱいの、ご本人にも、ご両親にも、そして参列した日中のゲストにも非常に満足いただけたらしい。新郎がＳさんの会社の対応を褒めまくる。その一方、2月に予定している日本での披露宴を担当する業者にキレかけた話をする。あまりにも対応が事務的で、Ｓさんのところと比較て全然誠意が感じられないのが耐えられなかったらしい。「多分、今回みたいに一緒に作り上げる雰囲気の式ができたのって、今だからって思うんですよ。絶対5年前の北京だったらできなかったことだらけだろうし、5年たったらすっかりビジネスライクになってしまうんじゃないかなあ。多分もう上海だと日本に近い雰囲気かもしれない。」Ｓさんが言う。2006年の北京という場所だから。そういうピンスポットで、このご夫妻はほとんど不満のない、“完美な”結婚式を挙げる幸運を得た。そう考えると、そんな式を取り仕切ることができたこの会社も相当の幸運だと思う。こんな北京みたいな辺鄙なところで。日本を起点にして物事を見たとしたら、大多数の日本人にとって北京は辺鄙だろう。そんな場所で予想もできないサービスにめぐり合ったとしたら。私も、北京で初めて「鱧（はも）とマツタケの土瓶蒸し」が食べられると知ったときの衝撃を、今でも忘れない。日本のすし屋にも遜色ない穴子寿司の食感も忘れていない。ほとんど期待していない状態でこうしたものに出会うと、好印象は倍返し、おつりが来る。その一方で、日本に帰って予想だにしない対応のまずさに出会うと、その怒りも倍になる気がする。思わず相手に「あんた、日本人だろぉ！？」とすごみたくなる。ここでいきなり「日本人」という言葉を浴びせられるほうにはびっくりだろうけど、海外で「何でそうなる？」というサービスに食って掛かることが習慣づけられている人間にとっては、日本にいる間くらいは何の障害もなく事が進んでほしいと渇望する気持ちをわかってもらいたいのである。ということで、新郎の、運転手が目的地を知らないのに知ったかぶりして、汐留周辺をタクシーに乗せられたままぐるぐる回ってた話を聞いて、一緒に首を縦に振っていた。新郎は当然、切れて文句を言った。さすがにこっちの運転手みたいに言い返しては来ないらしかったけど、そこでまけてもらえないのが、不便なところである。店の老板がサービスで出してくれた焼酎がちょっとまわったのか、帰りのタクシーの中が異常に眠かった。特にトラブルもなく自宅に着いた。こういう何事も起こらないことって、実は貴重なことなんだなと思う。

2006.05.13

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ネットの出会い力を実感＠香港

私が北京を発つときは雨だったのに、香港の天気はすこぶるよかった。黄色い砂も排気ガスもそんなに混じっていない空気がありがたいといったらない。香港に来る前は、一体行くだけの価値はあるんだろうか？と思ったけれど、こうして現地に行くと、金をはたいてやってきた価値はやっぱりあったのだと思った。リップライナーの色にあんなに選択の余地があるだけでも感激、格安で高級ブランドコスメのサンプルが買えるのにも感激。街のお姉さんがきれいなのにも感激。靴のデザインがイケてるのにも当然感激。これでもか！ってくらいマンゴーたっぷりのデザートが食べられるのにもまたまた感激。人間、やっぱり時々場所を変えるのって必要。最近北京でアンラッキーが重なっていただけに、方違え（古文でありましたね）になったらもっと助かる。チケット取るのに右往左往していたとき、ブログで「誰かごちそうしてやってください」と書いたら、本当にお返事してくれた方がいた。香港在住のkui_makyさん。写真がとてもきれいで、香港をそぞろ歩いている気分になるブログを書いていらっしゃる。現地に着いてからお電話し、本当に福臨門でお昼の飲茶をご一緒する。kui_makyさんのかわいい2歳のぼうやも一緒にテーブルを囲む。ブログに書いていることや、お互いなんで今の居住地に住むようになったのかを話していると、まったくこの間までその存在すら知らない間柄だったのに、それをつなぐウェブの世界って不思議だなあと再実感する。世界はやっぱりどこかでつながっているんだ。そしてこうして知り合いのいない土地に来て、親切にしてもらえるって、ありがたいなあと思う。さらに飲茶のあと、杏仁豆腐の素探しにもお付き合いいただく。北京では日本人以外ほとんど知名度ゼロのデザート・杏仁豆腐の素を、10年前香港に来たときお土産に持って帰ったので今回もと思い、スーパーを探したのだけれど、見つかったのはマンゴープリンの素だけ。しかし11年前の私の香港初体験＝マンゴープリン初体験だったので、マンゴープリンの素を買っておく。角切りマンゴーを加えたら、きっと福臨門の味が再現できるに違いない（と勝手に思う）。kui_makyさんとは香港島を望む海辺で記念写真を撮り、北京での再会を約束して別れた。そして夕方。ＧＲＥＥ経由で連絡を取っていたはっしーさんからのお誘いを受け、香港在住日本人ママ+子供たち10組の晩餐に混ぜてもらう。総勢3テーブル分。「ごめんなさいね、こんなうるさくて～」とはっしーさんがおっしゃるけれど、香港に来て、こんなにぎやかにテーブルを囲めるなんて思ってなかったから、いえいえ、こんな私が呼んでいただけて、むしろ感謝。胡椒粒の中に直にエビを入れて土鍋で蒸し焼きにしたのやら、手の込んだ野菜とカエル肉の炒め物やら、やっぱりここは北京と違うなあという料理がならぶ。どれも美味。フィリピンビール・San Moguelによく合う。子供たちは元気いっぱい。レストランのフロアを動き回る。「うるさいでしょう？これに比べたら、香港の子供たちはこういう席でもおとなしいんですよ。そう、インドの子供たちも」と、とあるママさん。「えー、そうなんですか？　北京の子供はおとなしいとも言えないみたいですけど。あんまりおとなしいと逆に学校の先生が問題視するみたいで」「えー、本当？」ともかく所変われば、教育も変わるのだな。ひとしきり食べ終えて、全員立ち上がる。子供を連れて階段を下りる日本人の団体を、他のお客さんたちがいぶかしそうに眺めている。外に出てからも通りを行きかう人が、ベビーカーの団体を不思議そうに見ている。確かに日本の夜の繁華街でもあんまり見られない光景かも。タクシーに乗って、みなさんは家路に着く。私は一人夜景をながめに海へ。ここは飛行機で日本から7時間。ちゃーんと日本人はその土地を楽しみながら逞しく暮らしている。どこに行ってもそんな日本人とめぐり逢える。便利な世の中になったねと、ありがたく思う。Kui_makyさん、はっしーさん、そしてそのほかのみなさま。北京にお越しの際はぜひぜひご連絡を。北京ダックでも、羊肉しゃぶしゃぶでも、ご案内させていただきます！

2006.05.10

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