動物たちの未来のために

2014/08/19(火)03:05

見殺しにした老犬

宮崎中央犬管理所(563)

管理所の奥、ガス室から数頭の「声」がした。 「あの…あの中にも犬が居るんですか?」 思い切って職員さんに聞いてみた。 「明日、判定を受けるケガと病気の2頭が居ます」 この言葉で、全て理解ができた。 判定に受かる確率ゼロの子達なんだろうなって… 「会っても良いですか?」 職員さんは、鉄格子の扉と、中が見えないようになっている アコーディオンカーテンを開けてくれた。 そこに居たのは、二頭の老犬でした。 その右には、明日この2頭が最期を迎えるガス室が目に入った。 老犬二頭は、どちらも飼い主曰く14才。 どちらも違う飼い主からの持込みでした。 この仔は、交通事故で後ろ足を怪我をして、 病院で手術不可能と言われたから、連れてきた…との事でした。 白髪の生えたおじいちゃん犬。 ほとんど吠える事すらないこの仔は、 ガス室のある部屋から、一生懸命「声」を出して、 「ここにいるよ!」と、自分の存在を教えてくれた。 この仔は、病気になったからと、飼い主が見捨てた。 ケージの床がビショビショになる位、嘔吐を繰り返してた。 もう胃液しか出てこない… 何度も苦しそうに吐く姿に、私は顔を覆って泣く事しかできなかった。 逃げたのです。 この仔の苦しみを、受け止める事すらできなかったのです。 この仔も、私に「声」を届けてくれた。 「ここにいるよ!」と、2頭力を合わせて、 自分たちの存在を、教えてくれた。 こんな苦しい中、吐きながらも懸命に「声」をあげてくれた。 私は、言葉に出す事が出来なかった。 職員さんの顔を見て、この仔を指さし、首を縦に振った。 この瞬間、いつも罪悪感にさいなまれる。 どんな言葉を使って良いのかが分からない。 まるで、どちらにしようかなと、物を選ぶかのように いのちの選別をしている自分が許せない。 自分が綺麗な人間でない事を、自分が一番よく分かっているから。 「感染症だったら保護家の子達が危険だ。 私は保護家の子達も守らなきゃいけないから」 苦しそうに嘔吐を繰り返してたあの仔を、見殺しにした理由だった。 それは、全うな理由だったのかもしれない。 でも、私は、それを言い訳にしてたんじゃないか… 私は、レスキューできない理由付けを作っただけなんじゃないか? 自分を疑ってしまう。 こんなに優しい目をしたおじいちゃん犬を…なぜ私は… 2014年8月14日永眠 私の勝手な思いですが、 このおじいちゃん犬は、ひとつの「いのち」ではありません。 私が見捨てたあの仔の「いのち」も背負って管理所から出てきました。 命名 「ボン」 酷い貧血で、歯茎は真っ白でした。 飼主が病院に連れて行ったなんて…うそ。 かなり前に交通事故で後ろ足を骨折したようで、 放置されたまま変な繋がり方をしているようでした。 数歩歩いては座り込むという感じで、歩行は厳しいです。 あの仔の分も…という言い方は、違うと思う。 責任逃れだと思う。 でも…あの仔の分も、沢山笑って、沢山美味しいもの食べて、 これからの犬生、幸せだと感じて欲しい。 保護家ブログ皆様のご協力ご支援どうかよろしくお願い致します。 宮崎銀行 加納支店 普通口座 104601 口座名義:動物たちの未来のために 代表 山下 由美  郵便貯金 17310-434961口座名義:イノチノハウスホゴヤ 〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581       山下 由美 090-4484-5165    ↓会のHPはこちらからです↓ http://xxinunekoxx.web.fc2.com/ にほんブログ村 FB FB開設してます。個人的な内容の記事も多々ありますが、 保護活動のリアルタイムな記事を載せています。 ★「いのちのはうす保護家mailお問い合わせ

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