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テーマ:猫の病気と治療日記(273)
カテゴリ:保護家の仔達
ツルの体は、悲鳴を上げ続けていた。 栄養を吸収する力がなくなり、皮膚が薄くなり、 身体中のあちこちの皮膚が剥がれていった。 身体中のあちこちの皮膚が、 ちょっとした刺激で剥がれていき・・・ その痕は、まるで、 生きたまま毛皮を剝がされた動物たちと同じ姿だった。 麻酔すらかける事が危険だというツルの体は、 麻酔無しで皮膚を縫うという過酷な手術だった。 私は、ツルの痛みも苦しみも感じることが出来ない。 だから、ちゃんと向き合うべきだと、手術に立ち会った。 ここまでされても、ツルは本当に生きたいのだろうか… ツルの「声」を聞きたいと思ったから。 ツルが回復する確率は、とても低いものだった。 実は・・・ 回復が見込めないときは、「安楽死」の決行を考えていた。 「ツルに会う時には、今日が最期だと思いながらお世話して欲しい。 安楽死を決行する日は、みんなには言わない。 だから…後悔の無いように、ツルとの時間を大切にしてほしい」 スタッフには、そう伝えて来た。 うつむき黙って涙を拭うスタッフ、 ツルの体に触れながら思いを伝えるスタッフ、 私を抱きしめてくれたスタッフ… スタッフみんなも苦しんだ… 生かせている事が本当にツルのためになっているだろうか? ツルに無駄な痛みと苦しみを与えているだけではないのか? ここまでしている事は、私のエゴではないのか? 私は、毎日毎日ツルの様子を見ながら、 自分の手で殺める日がいつか来るかもしれない… 罪悪感を抱えながら毎日を過ごしていた。 そんな日が来ませんように・・・ ツルに回復の兆しがありますように・・・ 毎朝毎晩、そう祈り続けた。 4月24日の朝、皮膚がまた剥けだしてきたのを確認した。 もうこれ以上、痛みを与えたくない… この日、私は、ツルの安楽死を決行する事を決めた。 保護家の業務を終わらせ、スタッフ達が帰宅した後、 18時にツルと病院に向かう予定をしていた。 この日を選んだのは、 いつも献身的にツルのお世話をしてくれている スタッフ2名が揃っていた日だったから。 24日16時15分・・・ ツルは、自分で決めた時間にさよならを言いました…。 「良かったねツル…もう、痛みも苦しみもないんだよ」 死への悲しみよりも、 安堵感の方が真っ先に出てきた。 スタッフが言った。 「ゆみさん、もしかして今夜、安楽死を考えていなかった? ツルがゆみさんに罪を背負わせるわけないやろ? ツルは自分で最期の時を決めたんだろうね。 実行したんだろうね・・・」 ツルには・・・ お見通しだったのかもしれない。 おっとりしてるけど、我が強くて、 ・・・優しい子だったから。 最期の最期まで、カメおじちゃんが側についていてくれてた。 ツルの側をずっと離れなかった。 ツルは、毒性のある物を口にして、 口から泡を吹いて倒れているところを、 市民の方が病院に連れて行ってくれて 保健所に移送された仔でした。 あのまま死んでいた方が良かった・・・とは思えない。 苦しんでいるところを助けてくれた人が居た。 保健所の職員さん達から愛情を受けて来た。 そして・・・ いのちのはうす保護家のスタッフ達の愛情に包まれながら、 時を過ごした。 短い時間だったかもしれないけど、 痛みと苦しみの多い時間だったかもしれないけど、 野垂れ死にではない! 孤独な死ではない! ツルは・・・生きていた! 一生懸命生きて来た。
~ご支援のお願い~お願い事ばかりで申し訳ございません。 現在、成猫フードと成犬フードの在庫が少なくなってしまいました。 多頭飼育の為、カナガン、アーテミス、オリジン、ロイヤルカナン、ヒルズ、 アカナ、カナガン、ピュリナワン等、 高栄養のフードになってしまいますが、 どうか、ご支援をよろしくお願い致します。 各猫部屋や半身不随の子達の部屋掃除に ウエットタイプのクイックルワイパーシートを 毎日多く消費しております。 どうか、ご支援よろしくお願い致します。 A5サイズ、72P、1,600円(送料無料) ↓ご注文はこちらです↓ 携帯アドレスの方は、自動ご案内メールが届かない事があります。 このアドレスを「★」を「@」に変えて ↓受信可能に設定して下さい↓ hogoya777★icloud.com いのちのはうす保護家」HPリニューアルしました。 メールアドレスも変更となりました。 新しいお問合せ先は、 HP内の「お問合せフォーム」からお願いします。 皆様のご協力ご支援どうかよろしくお願い致します。 宮崎銀行 加納支店 普通口座 104601 口座名義:動物たちの未来のために 代表 山下 由美 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年04月25日 18時53分02秒
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