2017/05/16(火)02:45
みほ保護家卒業
2014年4月5日、前両足が変形した子が、
管理所に収容された。
前脚は大きく外側に反り、姿勢がいつも前かがみになっていた。
この仔に出会う数日前、
「ハンデを抱えた犬猫は、その仔の為を思うならば安楽死の方が幸せ」
そう言って、安楽死された犬の存在を知った。
保護主を責めるつもりはない。
けど、「なんであの時、私は保護に向かわなかったんだ」と、
あの日、あの時、行動に移さなかった自分を悔やんだ。
「保護に向かってる人が居る。良かった」と、
他人任せにしてた自分を憎んだ。
そんなときに、管理所で出会ったのが、この仔だった。
今度こそ向き合わなきゃ…いいえ、向きあいたい!
そう思って、レスキューした。
命名「みほ」
みほは、歩く事がやっとで、
ちょっと歩いては休憩…そんな日々で、
走るなんてとても無理だった。
いつも前かがみで、ひょこひょこと歩いていた。
ハンデのある子は、基本、元気組の群れには入れないのですが、(ハンデのある子は穏やか組という群れに入る)
みほはなぜだろう…迷いなく元気組の群れの方に振り分けた。
今思えば…
みほ自身が、それを望んでいたからなのかもしれない。
不思議だけど・・・
みほの足は、徐々に真っ直ぐになっていき、
普通に走る事もできるまでになっていった。
群れの中でも、割と良いポジションについていた。
いつの間にか、頼もしい女性へと成長していた。
みほは、人間のオーラが見えるんじゃないか?
いいえ、絶対見えていると思う。
人間は、誰しもが時に黒い気持ちを持つこともある。
そんなときにみほは、いつも「唸る」「逃げる」態度で教えてくれてた。
どんなに慣れてて大好きな人に対しても。
みほは、私達のバロメーター的存在でもあった。
みほから避けられているときは、今、自分が持っている思考は、
間違いなんだと、気付かせてくれる。
時には、慰めに来てくれたり、
時には、心配そうに顔を覗かせたり、
不思議な子だった。
人見知りがある仔なので、お客さんが来ても吠えて逃げ回る。
都城市から譲渡希望者Мさんがいらっしゃる日、
この日も吠えて逃げ回るのだろうと思ってたのに、
みほは、Мさんの元から離れない…。
それどころか、Мさんの息子さんの元に違う子が甘えに行くと、
「あんたじゃないでしょう?どいて!」と、
その犬を追い払ってしまう。
三年間、みほと一緒に居て、初めて見るみほの行動だった。
みほ自身が選んだ譲渡先なんだと、
その場にいた私達スタッフはみんなそう感じた。
Мさんの息子さんから何か感じたのかもしれない…と。
手作りのみほのお家。
みほの到着を楽しみに待っていてくれてました。
三年も保護家で群れの中で生活してきた仔なので、
1匹になると淋しくて鳴いちゃうこともあるみたいだけど、
家族皆さんで、なぜ今みほは鳴いているのか、
一生懸命みほの心と向き合ってくれています。
でも、みほは、自分自身で決めたんです。
保護家を卒業しようと…
Мさんの家族になりたいと…
時々淋しくなっちゃって、Мさんを呼んじゃうし、
時々怖くなって、外で物音がすると吠えてしまうけど、
それ以上にみほは、今、幸せなんです!
私達と一緒に居た事は、一生忘れる事はないと思う。
楽しかった時間、仲間・・・
でもそれは、みほの心の中の「思い出」のひとつとして残るだけ。
これからは、もっともっとたくさんの
「楽しい」「うれしい」「心地良い」を
心の中に記憶していくので、少しずつ保護家の「思い出」が、
薄まっていくと良いな・・・
みほ!
私達はずっとずっと、みほと過ごした三年は忘れないから、
だから・・・大丈夫!
これからはいっぱいМさんとの思い出を上書き保存していってね!
みほ、保護家卒業おめでとう!
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