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2018年04月25日
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カテゴリ:猫ホスピス
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2月28日の早朝、デパート付近に、
衰弱して倒れている猫がいると、
保健所が通報を受け保護され、
4月に愛護センターへ運ばれた猫がいました。

それが「トランプ」という茶トラの大猫。


トランプ大統領に似てるからと、
愛護センターでそう命名されましたが、
性格はトランプ大統領とは真逆で、
攻撃性も無く、人にも猫にも
穏やかで優しい子でした。



保健所、愛護センターに保護された2ヶ月間、
トランプは、職員さん達からの愛情を受けながら、
新しい飼主さんとの出会いを待っていたのですが…

トランプは、猫エイズ陽性だったため、
バッグヤードからなかなか出て来れず、
「いのちのはうす保護家」でレスキューしました。



施設内では、陽の当らない「エイズルーム」で、
約8ヶ月間過ごすしかできませんでしたが、
今年になり、支援者様のお力添えを頂き、
トランプは、真っ先に窓辺に向かい、
ずっとずーっと、外を眺めていました。



どこか懐かし気な、嬉し気な、
そんな表情をしていました。



外をずっと眺めているトランプの姿を見る度に、
考えさせられていました。

陽に当たる、陽を浴びる・・・
そんな当たり前のようなことすら、
出来ない仔達はまだまだ沢山いるんだと、
もっともっと頑張らなきゃいかんなと。

「満足感」は、私には不要なものだと
そう喝を入れてくれたのがトランプでした。



トランプの凄さ、愛らしさを皆さんにも知って欲しい~!と、
何度カメラを向けても、「えっ?」という顔なのです。
私が肉眼で見ているトランプと、
写真のトランプは明らかに違うのです。



なんでこの子は人間みたいな顔してるんだろう…
神の領域に達している仏様のような…
と言ったら大げさかもしれませんが、
写真で見るトランプに、いつもそう感じていました。



こんな強面の大きな茶トラ「トランプ」でしたが、
穏やかで優しい性格で甘えん坊なトランプ。

スタッフやボランティアさん達からもみんなから愛され、
きっとカフェでも人気者になるだろうね…と話していたのに、



トランプは、日に日に痩せていき、
毛もバサバサになっていきました。

いくら人間が大好きでも、高齢のトランプには、
カフェは厳しい環境かもしれないと、
バックヤードに戻すことにしました。



口内炎を何度も繰り返し、
その度に、動物病院に通い続けました。

体調不良を感じる度に、
血液検査、エコー、レントゲン、
色んな検査を繰り返しましたが、
特に大きな原因は見当たりませんでした。



そんな中・・・
腎不全の進行だけがどんどん進んでいき、
腎不全末期に入ってしまいました。

トランプは、「猫ホスピスルーム」へと移動しました…



誰か欠けても安定した治療が出来るよう、
スタッフ全員が、点滴をマスターしました。

二人がかりだった点滴も、スタッフ全員コツを覚え、
一人で出来るようにもなりました。

スタッフ全員、猫ホスピスルームの子達を
守りたい一心だったと思います。



一日置きに点滴を入れ、
毎日食べるものも変わるので、
みんなが次々と、トランプが食べてくれそうなものを
用意してくれていました。

皆から愛されている子…

もうこれ以上の苦しみは与えたくない。
早く楽になれれば…そう願っていました。
このまま看取りに入る予定だったのですが…



鳥越店長がふと、こう言いました。

「トランプって、街中で生きてた仔だよね?
ずっと外で生き抜いてきた仔だよね?
コンクリートの上を歩かせてみたい!
体全身で外を感じて欲しいから!」

中心になってトランプのお世話をしていた鳥越店長には、
トランプから発するものをキャッチしたのでしょうか…

そう思えるくらい…



外を歩いてるトランプは、
生き生きとしていたのです!



クンクンと外の匂いを嗅ぎながらヨタヨタと歩きまわり、
何も口にできなかったトランプは、
草をむしゃむしゃ食べ始めました。

このトランプの姿を目の当たりにされた私は、
気持ちが変わりました。

看取りに入る前に、もう一度「生」を信じてみたい!

まだ諦めちゃダメだ!

懸命に向き合っている鳥越店長とトランプの絆を、
まだまだ大切にしたい!

そう思えたのです。



トランプをもう一度、病院に連れて行き、
獣医師さんにすがりつきました。
「トランプに出来る医療は、
まだ何か残されてますか?」…と。



最後に試してみる事は、血管への点滴でした。

入院費用は1日10,000円。

今のいのちのはうす保護家の予算からは、
とても出せる金額ではありませんでした…。

保護家の会計も把握している鳥越店長とは
何度も何度も話し合いました。

まだまだ医療費を必要としている犬猫達が
保護家には沢山居るから!



その子達の医療費を抑えてまでも、
トランプに一日10,000円、それが10日入院になったら?

今月の皆のフィラリア薬は?駆虫薬は?
フロントラインは?ワクチン切れる子は?

当たり前にかかる医療費すら、今の予算では厳しいのに、
余命を延ばす事に、トランプ一人に、
私達はここまでかけても良いのだろうかと…。
私達二人の会議は四時間かかりました。



最後に鳥越店長から出た言葉は…
「ねぇ、ゆみさん…やって後悔するよりも、
やらずに後悔する事の方がキツイよね?」



鳥越店長は、必死に涙をこらえながら、
トランプを見つめながら私にそう言いました。

トランプには、もう一度外を感じて欲しい!
それが1日であっても、
トランプがお外を望んでいるなら、
生きている間に、もう一度歩かせてあげたい!



寝たきりのトランプが、
外に出すと四本足で立ちあがり、
生き生きする姿をもう一度・・・



私は、トランプの入院を決断しました。
その選択から降りかかってくるであろう困難は、
そのとき、考えていけば良いや!
這いつくばってでも、乗り越えられる事だと
自分を信じる事にしました。
信じなきゃ、怖くて決断なんてできなかったから。

でも・・・
私は、誰のために決断したんだろう?

トランプを生き生きさせてあげたいため?
鳥越店長が泣くほど辛いことから解放させたいため?

良く分からない・・・

良く分からないけど、おそらく「尊厳」だと思いました。

トランプ…そして、
今までトランプと懸命に向き合ってきた鳥越店長への
尊厳…その二つを守りたいだけ。


ですが・・・

トランプは、2日で退院となりました。

血管への点滴に、効果がみられなかったんです。



腎臓が機能していない事で、
何度もひきつけを起こすようになりました。

その都度、楽になれるよう睡眠薬を入れて
眠りにつかせる…
その繰り返しの日々ですが、
不思議と、私も鳥越店長もスタッフも、
まだトランプに出来る事があるんじゃないかと、
医療面でもストップをかけていません。

また何かあれば、入院させて血管への点滴を
しながら様子を見ていきたいと望んでいます。



トランプは、街中で生きてきました。
外猫として何年生きて来たのでしょうか…
本当はもっと若いのかもしれない。

きっと、近辺のお店の人たちから
残り物を貰っていたのでしょう。
舌はとても肥えていましたから。

近辺のお店の人たちから
可愛がってもらってたのでしょう。
人間を疑う気持ちは、最初からゼロでしたから。

トランプの本心は・・・
きっと、故郷に帰る事だったのでしょう・・・

トランプ、もう少し踏ん張ってみようか!
一緒にあの街を歩きに行こうか!
もう一度だけ…。
​​​もう一度だけ…。




お願い事ばかりで申し訳ございません…
トランプはじめ、保護家の子達への
医療費のご支援を、呼びかけさせてください。
どうか、よろしくお願い致します…。
​​宮崎銀行 加納支店 普通口座 104601
​口座名義:動物たちの未来のために 代表山下 由美​​​


郵便貯金 17310-434961
口座名義:イノチノハウスホゴヤ

〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581
      いのちのはうす保護家 
090-4484-5165(担当フジイ)
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いのちのはうす保護家」
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最終更新日  2018年04月26日 01時42分34秒
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