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テーマ:猫の病気と治療日記(296)
カテゴリ:猫ホスピス
スタッフ麻美でした。 ![]() 猫カフェ閉店後、いつもホスピスルームに来て、 一生懸命介助をしていました。 食べないとき、水を摂れないとき、 そんなときに、何か口にできる物がないかと、 色んな食事を試していく。 水を飲ませる容器、角度、五感を集中して 優雨と向き合い続けたのが、スタッフ麻美。 スタッフ麻美は、保護家に来てまだ2年位。 その短い期間に、 多くの猫達の介護と看取りを経験してきました。 自ら、介護と看取りを志願して・・・。 ![]() 「優雨を連れて帰っていい? 優雨と一緒に通勤する形をとっても良い?」 スタッフ麻美も気付いていました。 「ホスピスで死にたくない」という優雨の気持ちに。 そんなスタッフ麻美だったからこそ、 優雨を託すことを決めました。 5年間の、私と優雨の時間に、 ピリオドを打ちました。 今度は、二人を見守っていく側、 第三者のような立場になろうと決めたんです。 自分をその立場に置かなきゃ、 見逃してしまう大切な事があるように感じたから…。 ![]() スタッフ麻美と優雨、 二人の時間が始まりました。 優雨は、口の中に腫瘍があり、 レーザー治療も行ってきました。 ![]() ヒョウヒョウとしてるスタッフ麻美の天然ぶりは、 どんどん優雨にも移ってきていました。 ![]() 腫瘍が破裂して、口の中が血だらけになった事もありましたが、 やはりヒョウヒョウとしていました。 どんどん二人が似てくるのです。 ![]() 優雨の目は… 瞳孔が開きっぱなしになりました。 腎不全の症状でもありますが、 こうなったときに、もう遺された時間は あと僅かなんです・・・。 ![]() スタッフ麻美は、私にこう言いました。 「毎日通勤のあの車の移動が、優雨の身体に 負担だったんじゃないかな? 進行が進んだのはそのせいかな? 私のせいかな? やっぱり、連れて帰るべきじゃなかったのかも。 足長基金で優雨に支援してくれた皆さんに 申し訳ない事をしてしまった…」 ・・・と。 ![]() 私は、スタッフ麻美にこう告げました。 「確かに、車の移動は優雨の身体に 負担じゃないとは私も言い切れない部分。 でも、優雨は何を望んでた? 1分でも1時間でも1日でも長く生きる事じゃないよね? 遺りの時間を優雨がどう過ごしたいのか、 もうわかってるよね? 生きる長さじゃないよ。 その時間をどう過ごしたかだよね?」 ![]() ・・・そうだよね?優雨。 この日から、スタッフ麻美は自信持って 優雨との出勤を継続する事を決意しました。 平日は、カフェにお客様がいないとき、 営業時間が終わったとき、 優雨は、いつもスタッフ麻美の側に居ました。 ![]() 座り作業の時は、いつもスタッフ麻美の膝の上で、 一緒に仕事をしていました。 ![]() 毎日毎日、ここでスタッフ麻美の横顔を見ながら、 一緒に帰宅する時間まで待っていました。 ![]() 優雨は、私と過ごした5年という年月よりも、 心が繋がり合ったスタッフ麻美を、 深く愛していました。 10月13日。 この日は、土曜日だったこともあり、 スタッフ麻美は、保護家敷地内にある 保護猫カフェ店長として、優雨の元を離れました。 パソコン部屋で作業していた私に、 「優雨を見てて」と、 私に託しカフェの仕事に戻りました。 しばらくすると・・・ 「母ちゃん!麻美を呼んで!」 優雨がそう言ってる気がして、 スタッフ麻美を直ぐに呼び戻しました。 ![]() スタッフ麻美がかけつけた3分後… 優雨は、苦しむことなく眠るように 息を引き取りました。 なぜ、あの時間だったのか… それは・・・ 人前で決して弱音を吐いたり泣いたりできない スタッフ麻美の性格を、 優雨は知っていたからだと思います。 彼女は決して強くはない。 だからこそ、優雨はあの時間を選んだんです。 「私が最期を迎える瞬間は、 母ちゃん必ず、麻美の側に居てあげてね。 麻美をちゃんと泣かせてあげてね。 支えてあげてね」 それが、優雨の遺言だったのでは…? そう感じました。 ![]() 翌日の葬儀・・・ スタッフ麻美は、涙を少しでも隠そうと マスクを着用していました。 ![]() 「優雨たん…優雨たん…」 最期に小さな声で話しかけていました。 ![]() 火葬の中に入っていく優雨・・・ ゴーッという音と共に、微かに聞こえてくる スタッフ麻美の泣き声…。 ![]() 泣くのを我慢しなくて良いんだよ… いつも涙を必死に堪えて、 ずっと苦しみを溜め込んでしまう… そんなスタッフ麻美の性格を心配してた 優雨から私への遺言のような気がしてなりませんでした。 思いっきり泣かせてあげて欲しい…って。 ![]() 振り返ると、愛おしそうに優雨の骨壺を抱く スタッフ麻美がいました。 「それで良いんだよ…」 心の中で呟きました。 ![]() 5年間という私と優雨の歴史なんて とても小さいものでした。 この二人の深い絆には、 とうてい敵わない・・・
おやすみなさい…優雨たん。 口座名義:動物たちの未来のために 代表山下 由美 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(担当フジイ)
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最終更新日
2018年10月18日 11時57分02秒
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