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テーマ:猫の病気と治療日記(273)
カテゴリ:猫ホスピス
二年前に保健所に収容されてた「松子」は、 人間に怯え、ケージの奥で震えていました…。 顔面を強く咬まれ、 右の眼球は、機能を失っていました。 直ぐに松子をレスキューしたのですが・・・ 松子は、「猫白血病」でした。 当時は、猫の部屋数も少なく、 松子にはどこにも行き場がなかったのです。 リスクが高すぎると分かってはいましたが、 半身麻痺猫専用部屋に、松子を入れる事にしました。 みんな下半身麻痺の猫達だったので、 高い位置に松子のケージを置けば、 白血病の松子とケージ越しの接触も無いと思ったのです。 ちょっとしたミスで、この子達の寿命を 奪う結果になってしまう… 「松子を触らないでください」と、ケージに張り紙をしたり、 スタッフ、ボランティアさん達に何度も声をかけ続けました。 リスクは大きい・・・ 保護施設責任者として、私は失格だったかもしれない。 でも、今の松子に大切なのは、優先すべき事は、 恐怖心を取ってあげる事だと思ったんです。 松子はケージの奥から、毎日毎晩、 私を目で追いながら観察していました。 そして・・・ やっと前に出て来れるようになり、 表情が出せるようになり、 ケージから手を伸ばして甘えるようになりました。 うれしかった! 松子から信じてもらえたことが、 すごくすごく、うれしかった! だけど・・・ 白血病の松子を、ケージから出してあげる事も、 接する時間も限られていました。 頭を抱えていた私に、 藤井副代表は、こう話を切り出しました。 「うちには、保護家から預かってる 白血病のニコマルがいるやん! この際、藤井家は白血病専門の預かりになるよ! 白血病の猫達も今後レスキューしていこう? 他の猫達と同様に、白血病の猫達にも 生きる道を作ってあげたいとよ!」 藤井家は、松子をきっかけに、 「白血病猫生涯預かり」 という役目になる事を、決断してくれたのです。 松子は、藤井家でノビノビとノンストレスの日々を 送ってきました。 松子の側にはいつも、人の温もりがありました。 発症しないまま寿命全うできるかもね♪ その位、松子は病気もせず元気悠々な子だったんです。 そんな松子に異変が起こったのは、 今から1ヶ月前・・・。 松子は『リンパ腫』と診断されました…。 胸と心臓の周りに水が溜まっている状態でした。 リンパ腫は、完治がないと言われている癌です。 松子は白血病のため、抗がん剤治療しても、 効果はほぼない、余命を延ばすことは出来ない…。 それは分かっていました。 仮に、白血病じゃなかった場合も、 リンパ腫の抗がん剤治療は、短くて半年、長くても一年… あくまでも「延命治療」に過ぎません。 「通院や副作用で苦しめてまでも、 長く生かす意味はどこにあるのか…?」 これが私の考えにありました。 これまで多くのリンパ腫の犬猫達を 介護と看取りをしてきました。 その経験から得た私の考えです。 決して、押しつけでも、きれい事でも、 放棄でも、正論だと思っていない事はご理解ください。 それでも私は、松子の抗がん剤治療を勧めました。 「抗がん剤の副作用がなければ、延命治療は有り!」 というのも、考えのひとつにあったからです。 松子は、毎週抗がん剤治療を受けています。 なぜならば・・・ 松子の身体には、抗がん剤の副作用が一切出なかったのです。 ですが、喜ばしい結果とは裏腹に、 別の新たな課題が出て来たのです…。 抗がん剤治療には、莫大な費用がかかっています。 二つの方法をとっているため、 松子の抗がん剤治療には、毎月10万円… 大きな金額が動きはじめたのです。 リンパ腫は完治はしない…。 松子の寿命を、 毎月10万円で買ってるだけかもしれない。 その大事な10万円という大金は、 松子1人だけの延命治療ではなく、 今、生と死の瀬戸際で待っている子達に 手を差し伸べるべきお金なのかもしれない! そんな想いが、私の中にはありました。 だからこそ、松子の高額な抗がん剤治療がスタートしても、 ブログやFacebookで、松子の状態報告や、 「松子の医療費のご支援をお願いします」 という言葉や文字が出せなかったんです。 皆さんに「松子を助けて!」と、 助けを求める事が出来ませんでした。 だけど・・・ 今日、こうして動き出したのは、 藤井家の覚悟を目の当たりにしたからでした。 ・・・・後編に続きます。 口座名義:動物たちの未来のために 代表山下 由美 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(担当フジイ)
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最終更新日
2018年11月15日 20時13分48秒
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