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2020年03月10日
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カテゴリ:老犬ホスピス
​​​
​​※​​2019年12月の記事転載
(※編集有り)


 ​​​
  

​■ レスキューを望まない犬​

「動物愛護センター」開設年から
2年間という長い時間、
檻の中で生きてきた1匹の犬。

重度のフィラリアを抱えてたため、
とうとう末期に入ってしまいました。

愛護センターから
レスキュー要請がありましたが、
迷わず断りました。



この犬自身が、
レスキューを望んでいなかったから…。

この犬にとって、
愛護センターという場所が
自分の家でした。



愛護センター職員さん達が、

この犬にとっての「家族」でした。



愛護センターから離れることを、
この犬自身が、
望んでいなかったのです。

​「この犬をレスキューしない!」​

犬の気持ちを尊重した
私なりの決断でしたが…



​■ 犬の気持ちを無視

フィラリア末期の最期は、
もがき苦しみながらの死です。

「せめて…楽に死なせてあげたい!」
愛護センターが出した辛い決断が…

​「安楽死」​



この犬と職員さんにとって、
こんな悲しい結末であってはいけない!



「愛護センターを離れたくない!」
この犬への尊重を拒否しました。

むりやり愛護センターから引き離し、
「いのちのはうす保護家」にやってきました。


命名「キヨシ」​

​​​
キヨシは問いかけてきました。

​自分はどうすれば良いの?​…と、

くり返し何度も何度も…。



私は答えに詰まりました。

ただただ、思うように生きれば良いんだと…

それしか伝えられませんでした。



キヨシが望んでる答えを

出してあげれませんでした。

私自身、答えが分からなかったから。

キヨシが何を望んでいるのかが

どうしても分からなかったから…。



ただひとつだけ、

キヨシに伝え続けた言葉があります。
​​​
​「耐え難い苦しみは絶対来ないから心配するな」​

それは「安楽死」を意味する言葉でした。



安楽死には、必ずタイミングがあります。

人間のタイミングではなく、

本人が安楽死を受入れる瞬間が…。

私が何を考え、何を見て、何を思っているのか、

キヨシは理解してるように感じました。



キヨシの体は、限界に近付いていました。

死への恐怖心から逃げようと

キヨシは戦いはじめました。



「安楽死のタイミングはそろそろだと思うけど、
タイミングが来ても皆には言わないからね。
私一人で決行するからね。
キヨシと会うのが今日で最後かもしれない!
毎日そんな気持ちでキヨシと接してね!」

副代表にそう宣告しましたが、
副代表は、私に言い返しました。

「キヨシは安楽死させんはず!
由美さんに十字架を背負わせないよう
キヨシは自分で逝くはず!」

副代表の言葉は素直に嬉しかったけど、

私には自信がありませんでした。

キヨシとの絆に…



キヨシという犬は、

問うばかりで、

何も求めてこなかったから。

誰かと深く繋がることを

頑なに拒絶してたから…。

​​​
​​​2月21日…

キヨシは呼吸困難になりました。

これ以上苦しみを与えてはいけないと、

安楽死を決意しました。

病院に連れて行く準備をしていると…

キヨシの呼吸が穏やかになりはじめたんです!

その日、安楽死を見送りましたが、

もし、もしも…

夜中に苦しむ事があれば、

キヨシの首に手をかけよう!

​私がキヨシを殺めようと覚悟しました。​

苦しむ時間を少しでも短くするために…。



明け方5:00…

キヨシの呼吸は穏やかなままでした。

とりあえずは大丈夫だろうと

私は安心して寝床につきましたが‥‥

「キヨシは安楽死させんはず!
由美さんに十字架を背負わせないよう
キヨシは自分で逝くはず!」

副代表が予想した通りでした。



おそらく私が布団に入った直後に、

キヨシは息を引き取りました…。

まるで、私を避けるかのように…。​​​




最初は自分を責めました。

なぜ、スタッフが出勤するまで起きてなかったのか!

なぜ、空白の4時間を作ってしまったのか!

なぜ…あのとき眠ってしまったんだろうって。

でも、今は違います!

​キヨシが自分で決めたタイミングであり、​

​キヨシが選んだ最期の迎え方だったんだろうな…​

そう思えてならないのです。



誰かと繋がることを拒絶してたキヨシは、

今、なぜか、嬉しそうに見えました。

キヨシが亡くなった後に、

やっと答えが見えました。



キヨシは誰も拒絶していなかったことに…。

毎日「死」への恐怖を抱えていたキヨシは、

身を守ることに必死だっただけ。



決して、誰も信頼してなかったわけじゃない。

​​「今」を懸命に生きてただけ…。​​



私は…キヨシを失ってはじめて、

キヨシの心に触れたのかもしれません。

あんなに自信がなかったキヨシとの「絆」が、

今になってやっと感じられるのです…。



もっと早く、気付いてあげたかった。

もっと深く、キヨシを理解してあげたかった。

キヨシ、申し訳ない…。






レスキューした子達、​​
今、レスキューを待ってる子達を、
​私たちと共に、
守っていただけないでしょうか…。​​​

​▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601​
  ​動物たちの未来のために代表山下 由美​

​▼郵便貯金 17310-434961​
 ​ 口座名義:イノチノハウスホゴヤ​

▼〒880-1222
宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581
いのちのはうす保護家

090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ)

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最終更新日  2020年03月10日 20時16分55秒
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