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テーマ:長寿犬と共に(147)
カテゴリ:老犬ホスピス
2018年12月… 福島県からやってきた老犬「ピン子」 ![]() 空港に迎えに行くと… いのちのはうす保護家までの 60分間の帰路 ずーーーーっと「怒り」Max! 到着してもずーっと「怒り」続けるピン子を 長時間ご機嫌取り続ける…。 ![]() 私の場合は…ですが、 信頼関係が築けてない犬は観察から入るので、 その子が気が済むまで 落ち着くまで待ち続けます。 「鳴くまで待とうホトトギス」なのです。 ![]() この日…ピン子が寝床につくまで 何時間待ち続けただろう…(:_;) ここまでの頑固バアチャン 久々でしたね! ![]() 写真を撮られるのが大嫌いなピン子は、 カメラを向けると表情が一変。 「撮るんじゃねーよ!」 咬む勢いでガウガウ怒ります。 ![]() ピン子は頭の良い子だから、 カメラを向けてる人間の心を 読みとっていたのです。 「記録に残さなきゃ」 「報告しなきゃ」 という気持ちだと、 ピン子は撮影NGなのです。 ![]() 「ピン子素敵だな~」 「ピン子カッコいいな~」 という気持ちでカメラを向けると 「…よしよし!」 ピン子の撮影許可が下りるのです。 ![]() だけど…それでもイヤそうなピン子… 妥協してくれてることに気付いてからは、 私がカメラを向けるのは 最小限に抑えるようにしました。 ![]() 「ジロジロ見てんじゃねーよ!」 観察してるだけで怒られ続けた日々でしたが、 カメラを向けなくなった日を境に ピン子ひとつひとつの反応から 信頼関係が徐々に築けている事を確信しました。 ![]() いつしかピン子は、 ホスピスルームを 仕切る存在になっていたのですが、 その勇ましい姿を 私に見せているかのように 私の顔をチラチラ確認しながら 老犬達を仕切り続けるピン子。 ![]() 「ピン子カッコいいね~(笑)」 私が笑顔でホメると ドヤ顔で嬉しそうに立ち続けるピン子。 ![]() ですが… このときすでにピン子の体は… 6月3日正午… ホスピスルームのドアノブに 手をかけると同時に 「バタンっ!」 中から大きな音がしました。 ![]() ピン子が倒れた音でした。 長時間続く激しい痙攣… このときは「突発性の前庭疾患」だと思い、 いつものように (老犬で多々経験してきたので) 坐薬で眠らせる処置を取りました。 この日は朝までピン子を看ていましたが… 突発性の前庭疾患には思えず、 かかりつけの獣医師さんに 発作の動画をLINEしました。 ![]() 中枢性の前庭疾患脳梗塞 だろうとのことでした…。 ピン子に意識はない。 苦しみは感じていない… との事だったので、 発作による体力の消耗だけでも 抑えていく方向を選択しました。 目の前にあるのが「死」だけであっても、 ピン子の魂が体内にあり続けるまで ピン子を尊重していこうと…。 ピン子の坐薬を病院に 取り向かおうとしたそのとき、 「私はピン子から離れちゃダメだ!」 第六感でした。 「ごめん…代わりに坐薬を取りに行ってもらえる?」 スタッフに丸投げしてしまった数分後… ピン子は最期を告げようとしました。 ![]() 気高いピン子は 静かに逝くことを望んでいると そう気付きましたが、 「ピン子、みんなを呼ぶからね!」 私は、ピン子の声を払い除けました。 ![]() それは… ピン子のお世話をしたのは、 ピン子を想い続けたのは、 ピン子を愛し続けたのは、 私じゃなかったから…。 ![]() 【ありがとう?さようなら? それを伝える相手は 母ちゃんじゃないやろ? 感謝を伝える相手を間違えるな!】 こんな頑固バァちゃんを 無条件に愛し続けてくれた人たちを 当たり前だと思うな!と… 私からピン子へ 最後の最期に入れた「喝」でした。 ![]() 中心になってピン子を支え続けたスタッフが ピン子を抱きしめながら 声をあげて泣いてる姿を見ながら 温かい安心感に包まれる感覚でした。 私には「悲しみ」という感情はありませんでした。 一生懸命ピン子と向き合ってきたスタッフの姿を 私はずっと見てきたから…。 全部全部、わかってたから…。 ![]() ピン子は… 自分が一番お世話になった スタッフの腕の中で 最期の眠りにつきました…。 ![]() 昔の私は… 看取る最期の瞬間まで その子を抱きしめてる存在でした。 感情を抑えることなく 声をあげて泣いてましたが、 いつからでしょうか… 私は涙を隠すようになりました。 みんなが後悔のないお別れができるよう… 感情に蓋をすることなく、 涙を流せるように… 大声で泣けるようにと… 冷静に一人一人観察しながら 看取りに立ち合うようになりました。 ![]() ビデオを回しながら 「耳はまだ聴こえてるから声をかけ続けて!」 「体に触れてあげてね」 「〇〇さん、顔の所に来てあげて!」 ![]() ビデオに残された私の声は まるで「看取りプロデューサー」 淡々とみんなの感情を読み取りながら 動いているのです…。 「私…何者やと?」 ここ数年、 自分が何者かも分からない状態でした。 ピン子火葬の日… 私はいつものように 周りを見渡していました。 「最期のお別れはもう大丈夫?」 「ピン子に会いたい人はみんな来れた?」 「火葬は何時に連れて行く?」 そんな私を見て副代表が言いました。 「はいっ!由美さんの喪主の時間は終わり!」 副代表から強引に手を引かれ ピン子のサークルに入れられました…。 ![]() 「由美さんはこの子達の母ちゃんだもんね。 喪主は悲しむ暇ないもんね。 でも、もう泣いて良いとよ?」 という副代表の言葉で 私は素に戻った感覚がしました。 ![]() このとき、ピン子になんて声かけたのか 全く記憶にありません。 ただ、やっと泣くことができたと 胸がギュッと痛くなったことだけは覚えています。 ![]() 副代表がソッと扉を閉める音と同時に ピン子と過ごした何気ない時間が 脳裏に次々と現れてきました。 ![]() ピン子は私に甘える子ではありませんでしたが、 私から褒められるのを ニコニコしながら待つ姿が 真っ先に思い出されました。 それはいつも誰かに向かって吠えてるとき… ![]() ホメられるどころか 「ピン子!なんでワカコを怒るとけ!」 逆に私に叱られることも多々あり、 そのガッカリした気持ちを 長時間引きずるピン子…。 ![]() 「すごいね~!」 ホメられると自信満々のドヤ顔。 ![]() 今振り返って思うと… 私からホメられることが ピン子の生きがいだったのかもしれません。 頑固なバァちゃんだからと ピン子のパーソナルエリアは ここまでだろうと決めていた範囲が 間違っていたのかもしれません…。 ![]() 本当はもっともっと 小さなエリアだったのかもしれません。 ピン子が倒れたときに、 ピン子が最期を迎える瞬間に はじめてそう感じたのです。 今頃… 今になってやっと… ![]() レスキューした子達、 今、レスキューを待ってる子達を、 私たちと共に、 守っていただけないでしょうか…。 ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram
最終更新日
2020年07月04日 07時00分06秒
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