動物たちの未来のために

2021/02/28(日)17:41

偉業を成し遂げた老犬

老犬デイサービス(4)

飼い主さんが亡くなり お預かりしてた老犬コロは 認知症で寝たきりの状態でした。 ​​​​​​​​ それなのになぜか、 「本当に認知症なのだろうか…?」 と思えるくらい 気高さを強く感じる老犬でした。 コロは私に言いました。 「お前なんぞの手は借りん!!」 プライドの高さなのでしょうか…? 私を毛嫌いしているのでしょうか…? 這いずり回ろうが おしっこで汚れようが 「介護」を受け入れたくない… そんなコロがいました。 それならば…と、 必要以上にコロを介護することは ありませんでした。 でも、絶対的な自信はありました。 いずれ、コロは私を求めるだろう…と。 だからこそ、何の罪悪感もなく コロと距離を置けたのかもしれません。 コロの要望を感じ取りながら 淡々と応えるだけの日々が数ヶ月続いた結果、 コロは私を認めるようになりました。 ​いいえ…むしろ全て読み取れと言わんばかりに​ 「なんでわからんのだ!」 無理難題が次から次へと… そんなこなんで コロの介護はほんとーーーーに 大変でした。 当時の介護日記を読み返すと あらためて自分も大変だったんだな~と まるで他人事のように見えてしまう (字が下手なのはごめんなさい) だけど… なんでだろう? 辛さよりも幸せな気持ちの方が 勝っていたのですから不思議でした。 この文章を振り返って読むと おそらく、コロの幸せが 私の幸せでもあったのでしょうね。 自分がそうしたいからそうしてただけであり、 「優しさ」ではなく「自己満」なんだな~って。 10月に「いのちのはうす保護家」が 放送された「坂上忍どうぶつ王国」… 実は…放送後も撮影は続いていたんです。 10月放送分は猫の看取りでしたが、 第二弾は犬の看取りなんです。 コロの介護と看取りがメインで もし、コロが危ないときは 取材クルーが飛んでくる予定になっていましたが… 東京から宮崎に? 間に合わないだろう? 無理だろう? 普通にそう思っていましたが… コロは違いました。 11月2日の朝… コロは最期が近いことを伝えてきたような… そんな気がしました。 直ぐに東京のディレクターに連絡しました。 おそらくコロが今日か明日には逝くだろうと…。 コロのお姉さんHさんにも連絡入れました。 Hさんは、私達に丸投げではありませんでした。 時間を見つけてはコロの介護に来てた 責任感の強いお姉さんでした。 ​​​​​​​取材クルーも夕方宮崎に到着し、 分単位のコロの夜鳴きで ほとんど一睡もできない状態で 夜間介護の時間が流れていきました。 コロのお姉さんは 床に座ったままで分単位の仮眠… ​​​​​​​​ コロがなぜ鳴くのか、 コロがどこを撫でて欲しいのか、 撫でる手の力加減とか、 私は、コロの全てを知り尽くしていました。 一年近くコロの介護をしてきたから。 でも… 自分の中でいつも何かが欠けていました。 満たされてないのはなんでだろう…? コロに寄り添うコロのお姉さんの背中を見て やっと答えにたどり着きました。 私は… 私の心が求めてたものは 「本物の絆」だったんだ…ってことに。 確かに私は1年近くコロの介護はしてた。 だけど、何百時間何千時間と介護してきても どんなにコロを知りつくしてても どんなに自称介護スペシャリストだとしても 絆の深さ、強い信頼関係、本当の家族… 到底敵うわけないんです! コロの最期の時間が刻々と近づくにつれ 私はサポート側に回りました。 シリンジでお水を飲ませるときは 正面じゃなく横から音を確認しながら…とか、 夜鳴きを止めるときには体のこの部分を このくらいの力加減で撫でる…とか、 私がコロから教えてもらったこと全てを コロのお姉さんに引き継ぐつもりで…。 みんながヘロヘロになりながらの 介護&撮影中にもかかわらず 「コロの幸せが自分の幸せ」 まさに私は幸福感絶頂にいました。 コロ…お姉さんが側にいて良かったね…って。 18時ちょっとすぎた頃でしょうか… コロの夜鳴きが強まってきたので コロを抱っこしてドッグランに出しました。 土の上を立たせたり、寝かせたり、 抱っこしたまま走ったり… いつもはそれで落ち着くはずのコロが この日は何をやっても鳴きやみません。 ふと、思い出しました コロは猟犬だったってことを…。 コロは嗅覚をつかって ウサギを見つけるタイプの猟犬でした。 土ではなく落ち葉? 落ち葉の上を歩きたいの? 半信半疑で落ち葉の上を立たせたとき コロの呼吸が荒くなりました。 電灯もない真っ暗なドッグランで コロの表情なんて見えなかったけど コロの体から伝わってきたのは 「満たされた感情」でした。 コロは… お姉さんとの時間、 大好きだった落ち葉の上、 最期に望んでいたもの全てを手に入れました。 満足したかのように 悔いを何ひとつ残さずに 最期を迎えました。 良かったね…コロ! あんたの幸せは私の幸せやわ… 最期にお姉さんから介護されて ほんとうによかったね…コロ! たくさん抱っこしてもらえて ほんとうに良かったね…コロ! コロは「いのちのはうす保護家」を卒業… お姉さんのお家に一時帰宅しました。 49日が過ぎ… コロは自分のお家に戻りました。 コロがまだ現役だった頃、 大好きだったこの場所から、 お父さんの元に旅立ちました。 コロのお父さんは… コロを想いながら、 コロを心配しながら、 先に逝くことがどれほど心残りだったか… コロを知れば知るほど、 コロと時間を重ねていくたびに お父さんの大切なパートナーであるコロに ふさわしい人間でありたいと ずっとそう思い続けてきました。 コロのお父さん… コロをお返ししますね コロは今でも​YouTube​の中で生き続けます。 介護に苦しんでいる飼い主さんたちの気持ちを 理解してあげて欲しい…と、 介護のサポートをしてあげて欲しい…と、 コロが協力してくれました。 ​​​​​​​​ ​コロのお父さんへ…​ コロは偉業を成し遂げて お父さんの元に行きましたよ! たくさん褒めてあげてください… さすがオレの相棒だ!…と。​ 追伸・・・ 「坂上忍のどうぶつ王国」の後編でもある コロの介護と看取り編の放送は まだ未定だと思います。 放送予定日は、 「坂上忍のどうぶつ王国」HPから お問い合わせしてみてくださいm(__)m

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