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テーマ:ペットの病気。。。(1113)
カテゴリ:介護と看取り
今から1年半前… 愛護センターに収容されてた1匹の老犬が 檻のすみっこで震えていました。 ![]() 皮膚病で体はボロボロ… この老犬から強く伝わった感情は、 人間=叩く生物… この老犬にとって、人間という存在は、 暴力的な生物でしかありません。 ![]() 何年、自分を押し殺してきたのかな… 何年、暴力に怯えた日々だったのかな… ![]() 「いい子ね…本当に良い子ね…」 職員さんは、優しく声をかけながら、 この老犬の頭を、何度もなでました。 ![]() 残された時間を思うように生きて欲しい… そんな気持ちで この老犬をレスキューしました。 命名「ベンティ―」 高齢でヨタヨタなベンティ―の居場所は 本来ならば「老犬ホスピス組」でしょう… だけど、あえて若い犬達の群れ「元気組」に ベンティーを仲間入りさせました。 なぜ老犬のベンティーを 老犬組に入居させなかったのか 自分でも理由は分かりませんが、 おそらく ベンティーがそう望んでいたのでしょう… ![]() 群れデビューは、すんなり成功しました。 誰一人として、ベンティ―に けん制しかけないことに驚きました。 ![]() 人間の私たちに見えないものが、 犬たちには見えるんでしょうね… 力ではないベンティ―の強さ、 ベンティ―が背負ってきた壮絶な過去が。 ![]() だけど… ベンティーの老化は少しずつ進行していき 犬達と距離を置くようになっていました。 ![]() ドッグランでくつろぐ場所も どんどん隅っこへと移動してしていました。 ![]() ベンティー自身が 「老い」を受け入れた時機だと察し、 「元気組」を引退させました。 「プライドが傷つかないだろうか…?」 「自信喪失で老化が急激に進行するのでは…?」 「老犬ホスピス」入居となったベンティーが 心配でたまらなかったけど、 私の考えすぎだったようです。 ![]() 老犬ホスピスでの生活を気に入り 満喫してる様子でした。 ベンティーが楽しんでる時間は 私達にとっても幸せな時間!! なのに… 穏やかなあたりまえの時間が こうも早く奪われるなんて… ![]() ベンティーはレスキューしたときから 耳の中がぐちゃぐちゃで 耳の洗浄や治療を一年以上 繰り返してきました。 そのつど安定はするものの 回復に向かうことは一度もないまま… ![]() 耳中に「悪性腫瘍」ができてしまいました。 ![]() 顔を切って腫瘍を切除することは可能ですが、 完治はありません。 足腰が弱ってる老犬ベンティー… 余命をほんの少し延ばすだけの手術に どうしても踏み切れず… ![]() 痛みだけを取り除くことを優先とした 「緩和ケア」を選択しました。 ベンティーが苦しまず、 最期の時まで ベンティーらしく生きれるようにと… 耐えがたい痛みが襲うようになれば、 戦いを終わらせる決断(安楽死)も 覚悟はしていました。 ![]() 毎日毎日…24時間ベンティーのそばで 視覚、聴覚、嗅覚、触覚に集中しました。 ちょっとした変化に気付けるように… 戦いを終わらせるタイミングを 決して間違わないようにと… ![]() ベンティーは、体に触れるのを 拒否するようになりました。 痛みが恐怖に変わったのか、 不快に感じるのかは分かりませんが、 ふと、自分がお産する直前を思い出しました。 私は、陣痛がピークになったとき 体を触られるのを不快に感じました。 「私の体に指一本触れるな!」…と、 陣痛の痛みが怒りの感情へと変化していたのです。 あの頃の自分の感情を思い出したときに 「激痛が怒りに変わることもあるんだ!」 今のベンティーの心身に起きてる現実を 深い部分までやっと理解できたんだと 自信へとつながった瞬間、 不思議なことが起こりました。 ![]() 体に触れたときに唸ってたベンティーが この日を境に 一切怒らなくなったのです。 そして… 人間に依存心のなかったベンティーが 私の姿を探し回るようになったのです。 ![]() 歩くのもキツイ状態になったのに、 「母ちゃんどこだ?」 仕事部屋まで呼びに来てくれます。 ふたりでイチャイチャすることもなければ 会話することもありません。 私からは 「今の体調どお?」 ベンティーに変化がないかの観察。 ベンティーからは 「母ちゃん何してんの?」 私が近くにいるかの確認。 それだけの関係性だったけど、 ベンティーと過ごした一年半の中で 深く繋がり合えたのは 「今」のような気がしました。 ![]() 3月27日 正午 ベンティーの腫瘍が 脳を圧迫してきたように感じた もうこれ以上 痛みと戦わせてはいけない… ベンティーがベンティーじゃなくなる前に 戦いを終わらせるべきだと判断した ![]() 「夜が明けたらお別れしようね」 ベンティーに伝えた 「夜が明けたら痛みも苦しみもなくなるからね」 ベンティーに安楽死を伝えた 酷だと思うかもしれない 伝わるわけないと思うかもしれない でも、伝えたかった 「死」ではなく、 痛みと苦しみがなくなることを… だけど… ![]() 3月28日AM4:30 ベンティーが発作を起こした 下顎呼吸が20分ほど続き… AM4:50 ベンティーは最期を迎えた その後のことは全く覚えていない。 ベンティーを看取った直後、 私は失神…?気を失っていた。 大げさなものではなく、 睡眠不足からの寝落ちだったのでしょう… 8:30 意識が戻ると 腕の中にベンティーが居た。 ベンティーを看取ったのは 夢だったのかもしれない… 夢であって欲しい…と ベンティーの体を揺さぶった でも、ベンティーは動かない 自分自身に現実だと言い聞かせるように 出勤してきたスタッフに 「ベンティーが死んだ!」 ひと言しか言葉が出せなかった。 ![]() ベンティーはみんなに愛されてもらった 足腰が弱ろうが日課のお散歩は ベンティーにとって至福の時間だった。 ベンティーはみんなに感謝の気持ちを 伝えたかったのではないか? ![]() 気付くと… 私はベンティーの遺影を手に取っていた ベンティーの遺影を掲げながら スタッフとボランティアさん達に ベンティーが生前に受けた厚意へのお礼を伝えた ![]() 語りながら私はこう感じてた 「ベンティーから与えられた最期の仕事かな?」 ベンティー本人が伝えられなかった スタッフやボランティアさん達への 「ありがとう」という気持ちを 私はちゃんと代弁できたかな… ![]() ベンティーが荼毘に付すギリギリまで お別れを惜しむみんなの姿を見ながら 私は強く誓った 「もっと強くなろう…いかなる時も冷静でいなければ」…と。 ![]() 私も…ベンティーのような生き方をしたい 私も…ベンティーのように強くありたい ベンティーのように… ![]() ご支援ご協力を どうかよろしくお願い致します ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年05月06日 14時40分41秒
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